5G基礎知識

【総務省の5G政策】国が掲げる5Gの普及計画と産業応用6分野

【総務省の5G政策】国が掲げる5Gの普及計画と産業応用6分野

総務省の5G政策は2019年の周波数割当から2026年の初の電波オークションまで進み、人口カバー率は98.6%(2025年度末)に達しました。

結論:政策の流れ

総務省の5G政策:割当から整備、そしてオークションへ2019年4月5G周波数を割当(比較審査)2020年3月商用サービス開始2025年6月デジタルインフラ整備計画20302026年3月末人口カバー率98.6%2026年6月初の電波オークション(26GHz帯)2030年度末全国・各県で99%(目標)出典:総務省「5Gの整備状況(令和7年度末)」「デジタルインフラ整備計画2030」、26GHz帯価額競争の実施結果(令和8年6月)

次の目標:デジタルインフラ整備計画2030

項目 2025年度末の実績 2030年度末の目標
全国の人口カバー率 98.6% 99%
各都道府県 89.2%(島根)〜99.9%(神奈川・大阪・沖縄) 各都道府県で99%

2020年の目標「2024年度末に90%超」は前倒しで達成。次の5年は遅れている県の底上げが主戦場です。

5G人口カバー率の推移と2030年度末の整備目標 100% 50% 0% 2030年度末 目標 99% 10.0% 2020年度末 50%前後 2021年度末 96.6% 2023年度末 98.4% 2024年度末 98.6% 2025年度末 出典:総務省「5Gの整備状況」各年度公表資料および「デジタルインフラ整備計画2030」(2025年6月策定)をもとに作成。2021年度末は概数。

2026年6月:初の電波オークション(26GHz帯)

項目 内容
参加 ドコモ、KDDI/沖縄セルラー、ソフトバンク、JTOWER、ハイテクインター
期間 6/11〜6/25(結果公表 6/30)
全国枠(400MHz幅) ドコモが62億8,800万円(最低価額39億3,000万円・4ラウンド)
地域枠(200MHz幅) JTOWER:13地域 計4億6,871万円/ハイテクインター:21地域 計818万4,000円
金額の期間 10年分(認定の有効期間)

読みどころ:全国枠は最低価額の約1.6倍。地域枠で競り合ったのは千歳市だけ(130万円→1,014万円)で、残り33地域は最低価額のまま。ミリ波の地域需要はまだ小さい。

出典:総務省「26GHz帯における第5世代移動通信システムの普及のための価額競争実施指針に係る価額競争の実施の結果」(令和8年6月30日・別紙2)

2026年9月:ミリ波は4社が設備を融通し合う方向へ

オークションで枠は売れたものの、ミリ波のエリアは狭いままです。2026年9月、キャリア側にも動きがありました。

項目 内容
参加 ドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天モバイルの4社
日付 2026年9月11日に覚書、9月16日に発表
中身 展開済みのミリ波基地局・中継器を事業者間で相互活用する技術・方式の共同検討
前提 エリア展開自体は各社が自ら進める
時期 実施時期・具体策は未公表

新しく建てるのではなくすでに建てたものを融通する話なので、使える場所がすぐ増えるわけではありません。26GHz帯の地域枠が最低価額で流れた結果と合わせて読むと、ミリ波は「広げる」より「無駄を減らす」段階にあることが分かります。

出典:NTTドコモ報道発表(2026年9月16日)

2019年の割当(比較審査)

周波数 用意した枠
3.7GHz 5枠
4.5GHz 1枠
28GHz 4枠
審査の条件 内容
全国展開 10km四方メッシュの50%以上に5年以内に整備
地方での早期開始 割当から2年以内に全都道府県でサービス開始
多様性 基地局をできるだけ多く開設
MVNO MVNOへの提供計画を重点評価
キャリア 計画(投資・目標) 割当
ドコモ 約8,000億円・97% 3枠(3.7/4.5/28GHz)
KDDI 約4,600億円・93% 3枠
ソフトバンク 基準をやや上回る水準 2枠(希望3枠から減枠)
楽天モバイル 同上 2枠

総務省が期待する6分野(2019年)

総務省が5Gに期待する産業応用6分野 救急医療 遠隔治療・遠隔手術 農業 遠隔センサー・自動散水 建設現場 重機遠隔操作・測量 防災・減災 災害情報把握・避難誘導 地方の移動手段 自動運転タクシー 買い物 無人レジ・自動補充 出典:総務省「第5世代移動通信システム(5G)の今と将来展望」(2019年6月)
分野 課題(当時) 5Gでの解決
救急医療 救急出動 約660万件(2018年・過去最高) 救急車・ヘリでの遠隔手術支援
農業 就業者の6割が65歳以上 センサー・ドローンの遠隔管理
建設 55歳以上 約34%・29歳以下 約11% 重機の遠隔・自動操縦、ドローン測量
防災 災害の頻発 高精細映像で状況把握・避難誘導
地方の移動 乗合バス路線が1万km以上廃止 自動運転タクシー
買い物 IoT時代の到来 無人レジ・在庫自動補充

ローカル5Gの現状(2026年6月末)

項目 実績
免許人 134者
基地局 約1,710局(キャリア5Gの30万局超とは桁違い)
周波数 4.5GHz帯・28GHz帯
屋外利用 制度化済み
2023年8月改正 1つの基地局を複数で使う「共同利用」を追加

出典:総務省 電波利用ポータル「ローカル5G」(令和8年6月末)

ローカル5Gは工場・港湾・医療機関など用途と場所を絞った専用インフラとして定着しました。

よくある質問

Q. 整備目標はいまどうなっている?

2030年度末に全国・各都道府県で99%が目標です。

Q. オークションで料金は上がる?

料金への反映を示す公式情報はなく、上がると考える根拠は今のところありません。

Q. 26GHz帯の地域枠とローカル5Gの違いは?

ローカル5Gは自社の敷地で使う免許。地域枠は市区町村単位で基地局を開設する枠です。

関連:携帯電話番号「060」追加も総務省の政策で、2026年7月8日に提供開始の延期が発表されました。

※出典:総務省「第5世代移動通信システム(5G)の今と将来展望」(2019年6月)、「5Gの整備状況(令和7年度末)」、「デジタルインフラ整備計画2030」、26GHz帯価額競争の実施結果(令和8年6月30日)、電波利用ポータル、NTTドコモ報道発表(2026年9月16日)。本記事は2020年公開の内容を、2026年9月13日に図表中心の構成へ再編集し、9月15日に数値の鮮度を再確認、9月21日にミリ波4社共同検討を追記したものです。総務省の四半期契約数データ(令和8年度第1四半期)は2026年9月21日時点で未公表です。