総務省の5G政策は2019年の周波数割当から2026年の初の電波オークションまで進み、人口カバー率は98.6%(2025年度末)に達しました。
目次
結論:政策の流れ
次の目標:デジタルインフラ整備計画2030
| 項目 | 2025年度末の実績 | 2030年度末の目標 |
|---|---|---|
| 全国の人口カバー率 | 98.6% | 99% |
| 各都道府県 | 89.2%(島根)〜99.9%(神奈川・大阪・沖縄) | 各都道府県で99% |
2020年の目標「2024年度末に90%超」は前倒しで達成。次の5年は遅れている県の底上げが主戦場です。
2026年6月:初の電波オークション(26GHz帯)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 参加 | ドコモ、KDDI/沖縄セルラー、ソフトバンク、JTOWER、ハイテクインター |
| 期間 | 6/11〜6/25(結果公表 6/30) |
| 全国枠(400MHz幅) | ドコモが62億8,800万円(最低価額39億3,000万円・4ラウンド) |
| 地域枠(200MHz幅) | JTOWER:13地域 計4億6,871万円/ハイテクインター:21地域 計818万4,000円 |
| 金額の期間 | 10年分(認定の有効期間) |
読みどころ:全国枠は最低価額の約1.6倍。地域枠で競り合ったのは千歳市だけ(130万円→1,014万円)で、残り33地域は最低価額のまま。ミリ波の地域需要はまだ小さい。
出典:総務省「26GHz帯における第5世代移動通信システムの普及のための価額競争実施指針に係る価額競争の実施の結果」(令和8年6月30日・別紙2)
2026年9月:ミリ波は4社が設備を融通し合う方向へ
オークションで枠は売れたものの、ミリ波のエリアは狭いままです。2026年9月、キャリア側にも動きがありました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 参加 | ドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天モバイルの4社 |
| 日付 | 2026年9月11日に覚書、9月16日に発表 |
| 中身 | 展開済みのミリ波基地局・中継器を事業者間で相互活用する技術・方式の共同検討 |
| 前提 | エリア展開自体は各社が自ら進める |
| 時期 | 実施時期・具体策は未公表 |
新しく建てるのではなくすでに建てたものを融通する話なので、使える場所がすぐ増えるわけではありません。26GHz帯の地域枠が最低価額で流れた結果と合わせて読むと、ミリ波は「広げる」より「無駄を減らす」段階にあることが分かります。
出典:NTTドコモ報道発表(2026年9月16日)
2019年の割当(比較審査)
| 周波数 | 用意した枠 |
|---|---|
| 3.7GHz | 5枠 |
| 4.5GHz | 1枠 |
| 28GHz | 4枠 |
| 審査の条件 | 内容 |
|---|---|
| 全国展開 | 10km四方メッシュの50%以上に5年以内に整備 |
| 地方での早期開始 | 割当から2年以内に全都道府県でサービス開始 |
| 多様性 | 基地局をできるだけ多く開設 |
| MVNO | MVNOへの提供計画を重点評価 |
| キャリア | 計画(投資・目標) | 割当 |
|---|---|---|
| ドコモ | 約8,000億円・97% | 3枠(3.7/4.5/28GHz) |
| KDDI | 約4,600億円・93% | 3枠 |
| ソフトバンク | 基準をやや上回る水準 | 2枠(希望3枠から減枠) |
| 楽天モバイル | 同上 | 2枠 |
総務省が期待する6分野(2019年)
| 分野 | 課題(当時) | 5Gでの解決 |
|---|---|---|
| 救急医療 | 救急出動 約660万件(2018年・過去最高) | 救急車・ヘリでの遠隔手術支援 |
| 農業 | 就業者の6割が65歳以上 | センサー・ドローンの遠隔管理 |
| 建設 | 55歳以上 約34%・29歳以下 約11% | 重機の遠隔・自動操縦、ドローン測量 |
| 防災 | 災害の頻発 | 高精細映像で状況把握・避難誘導 |
| 地方の移動 | 乗合バス路線が1万km以上廃止 | 自動運転タクシー |
| 買い物 | IoT時代の到来 | 無人レジ・在庫自動補充 |
ローカル5Gの現状(2026年6月末)
| 項目 | 実績 |
|---|---|
| 免許人 | 134者 |
| 基地局 | 約1,710局(キャリア5Gの30万局超とは桁違い) |
| 周波数 | 4.5GHz帯・28GHz帯 |
| 屋外利用 | 制度化済み |
| 2023年8月改正 | 1つの基地局を複数で使う「共同利用」を追加 |
出典:総務省 電波利用ポータル「ローカル5G」(令和8年6月末)
ローカル5Gは工場・港湾・医療機関など用途と場所を絞った専用インフラとして定着しました。
よくある質問
Q. 整備目標はいまどうなっている?
2030年度末に全国・各都道府県で99%が目標です。
Q. オークションで料金は上がる?
料金への反映を示す公式情報はなく、上がると考える根拠は今のところありません。
Q. 26GHz帯の地域枠とローカル5Gの違いは?
ローカル5Gは自社の敷地で使う免許。地域枠は市区町村単位で基地局を開設する枠です。
関連:携帯電話番号「060」追加も総務省の政策で、2026年7月8日に提供開始の延期が発表されました。
※出典:総務省「第5世代移動通信システム(5G)の今と将来展望」(2019年6月)、「5Gの整備状況(令和7年度末)」、「デジタルインフラ整備計画2030」、26GHz帯価額競争の実施結果(令和8年6月30日)、電波利用ポータル、NTTドコモ報道発表(2026年9月16日)。本記事は2020年公開の内容を、2026年9月13日に図表中心の構成へ再編集し、9月15日に数値の鮮度を再確認、9月21日にミリ波4社共同検討を追記したものです。総務省の四半期契約数データ(令和8年度第1四半期)は2026年9月21日時点で未公表です。