2021年、政府の値下げ要請を受けてauとソフトバンクは「サブブランドへの移行手数料無料化」に踏み切りました。この動きが、現在の日本の携帯料金の構造を決定づけています。
この記事では、2026年時点のサブブランド4社の違いと選び方を、料金・速度・サポートの観点から解説します。
目次
そもそもサブブランドとは
サブブランドとは、大手キャリアが自社で運営する低価格ブランドのことです。回線設備は本体と同じものを使うため、格安SIM(MVNO)と違って混雑時間帯でも速度が落ちにくいのが最大の特徴です。
サブブランド・オンライン専用ブランド 比較表
| ブランド | 回線 | 月額(税込) | 店舗 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| UQモバイル | au | 1,628円〜 | あり | データ増量7カ月無料。現在の受付は「コミコミプランバリュー」「トクトクプラン2」の2本立て(ミニミニプランは新規受付終了) |
| ワイモバイル | ソフトバンク | 3,278円〜(シンプル3 S) | あり | 2026年7月時点の主力は「シンプル3」。おうち割 光セットで1回線目から-1,650円 |
| ahamo | ドコモ | 2,970円 | 有償 | 30GB+5分かけ放題込み ※2026年8月1日〜キャンペーンで40GBに増量中(期間限定・終了日未定・料金据え置き) |
| LINEMO | ソフトバンク | 990円〜 | なし | 小容量が安い。LINEギガフリー |
| povo2.0 | au | 0円+トッピング | なし | 基本料0円。使う月だけ課金 |
UQモバイル vs ワイモバイル:どちらを選ぶか
店舗サポートがある2社は、条件によって有利不利が分かれます。
| 条件 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 自宅にネット回線がなく家族で複数回線 | UQモバイル | 家族セット割が1回線目から-550円で始めやすい |
| 自宅がau/UQ系の回線 | UQモバイル | 自宅セット割が効く |
| 自宅がソフトバンク光/Air | ワイモバイル | おうち割 光セット(A)で1回線目から-1,650円 |
| 単身でデータ少なめ | UQモバイル | ミニミニプランが安い |
| 速度の安定を最重視 | ほぼ同等 | どちらも本体と同等の品質 |
両社の家族割引は仕組みが異なる点に注意が必要です。ワイモバイルの「家族割引サービス」は主回線(1回線目)には適用されず、2回線目以降が毎月1,100円引きになる仕組みです。1回線目から割引を受けたい場合は、自宅のソフトバンク光・Airとセットにする「おうち割 光セット(A)」(1回線目から-1,650円、家族割との併用不可)を使う必要があります。一方UQモバイルの「家族セット割」は1回線目から毎月550円引きで、2025年7月からは同居していない家族も対象になりました。自宅にネット回線を持たず家族で複数回線を持つだけなら、1回線目から効くUQモバイルのほうが総額を抑えやすい構成です。
速度面では、直近の測定でワイモバイルが平均下り149.95Mbps、UQモバイルが106.58Mbpsという結果が出ています。ただし調査によってはUQモバイルが上回るデータもあり、実際の体感は場所と時間帯に大きく左右されるため、決め手にするなら割引条件のほうが確実です。
2026年7月からの注意点
ワイモバイルは2026年7月1日以降に新規契約・MNPで加入した回線について、回線提供開始月から12カ月以内に解約すると契約解除料が発生するようになりました(主力プラン「シンプル3」の場合、S/Mが858円、L・Pocket WiFiプラン2が1,100円)。8日以内のキャンセル、またはソフトバンク・LINEMOへの番号移行では解除料は発生しません。シンプル3自体も2026年6月2日に月額基本料が一律220円値上げされ、現在のS/M/Lはいずれも改定後の料金です(2026年6月1日までの契約者は同年12月分まで改定前と同額の割引が継続します)。なお旧プラン「シンプル2」は2025年9月25日に新規受付を終了しており、既存契約者向けにも2026年7月から月額料金が値上げ(+330円)されています。短期での乗り換えを繰り返す使い方には向かなくなっています。
乗り換え手数料はどうなったか
2021年の無料化以降、番号そのままの乗り換え(MNP)は手数料無料・オンライン完結が当たり前になりました。MNPワンストップ方式に対応した事業者間なら、予約番号の取得すら不要です。
| 項目 | 2020年以前 | 2026年現在 |
|---|---|---|
| MNP転出手数料 | 3,000円程度 | 無料 |
| 契約解除料(2年縛り) | 9,500円 | 原則廃止(一部に短期解約条件) |
| 新規契約事務手数料 | 3,300円 | オンラインなら無料の事業者も |
| MNP予約番号 | 必須 | ワンストップ対応なら不要 |
乗り換えの手順
- 端末の対応を確認:SIMロック解除の要否、対応バンドをチェック
- 乗り換え先を選ぶ:割引条件(家族割・自宅セット割)を必ず確認
- 申し込む:本人確認書類とクレジットカード等を用意
- SIM/eSIMを設定:eSIMならオンラインで最短数分
- 開通手続き:回線切替で旧回線は自動解約
乗り換え前に確認したい5点
- 端末の残債:分割払いは乗り換え後も継続します
- キャリアメール:持ち運びサービス(月330円程度)を使うか、Gmail等へ移行するか
- 割引の適用条件:家族割の「家族」の範囲、自宅回線の契約先
- 短期解約の条件:ワイモバイルのように契約解除料が新設されたケースがあります
- キャンペーンの適用条件:MNP限定、他社からの乗り換え限定など
国の政策はどこまで効いたのか
2020年末の値下げ要請から始まった一連の改革で、日本の携帯料金は主要国でも安い水準になりました。総務省が2026年7月に公表した2025年度第4四半期(2026年3月末)の統計では、5G契約数は1億2,632万件に達しており、低価格プランでの5G利用が一般化しています。
ただし2026年に入り、大手キャリアはメインブランドの価格を維持しつつ付加価値(衛星通信、ポイント還元、エンタメセット)で差別化する方向に舵を切っています。「安さ」の競争は一段落し、次は「何が付いてくるか」の競争に移りつつあります。
よくある質問
Q. サブブランドは本当に速いですか?
回線設備が本体と同じなので、独立系MVNOのような昼休みの極端な速度低下は起きにくい構造です。
Q. メインブランドから移ると何を失いますか?
キャリアメール(有料の持ち運びサービスで継続可)、一部の割引や優待、長期利用特典などです。サポート面ではUQ・ワイモバイルは店舗があるため大きな差はありません。
Q. 家族でバラバラのキャリアでも大丈夫ですか?
可能ですが、家族割が使えなくなる分だけ総額は上がります。家族でまとめるか、逆に全員が割引不要な低価格プラン(楽天モバイル・ahamo)にするか、どちらかに寄せたほうが安くなる傾向があります。
まとめ
- サブブランドは大手が自社運営する低価格ブランド。速度は本体並み
- 店舗サポートが必要ならUQモバイル・ワイモバイル
- 家族でまとめるだけならUQモバイル(1回線目から-550円)、自宅がソフトバンク光/AirならワイモバイルのS/M/Lそれぞれ1回線目から-1,650円
- MNP手数料は無料が当たり前になった
- ワイモバイルは2026年7月からシンプル3の新規契約に契約解除料を新設(12カ月以内の解約でS/M 858円、L 1,100円)
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※本記事は公開後の内容を、2026年7月時点の最新情報に更新したものです。