「5Gが始まってもしばらくWi-Fiは必要」——2020年に本記事が出したこの結論は、2026年現在も半分正しく、半分は状況が変わりました。5G人口カバー率が98.6%(2025年度末・総務省)に達した今、Wi-Fiと5Gの関係を最新情報で整理します。
目次
2026年でも自宅Wi-Fiが必要な理由
- スマホプランのデータ上限:ahamo(30GB/データ増量おためしキャンペーン適用中は40GB)など無制限でないプランは自宅Wi-Fiが必須
- 固定回線の速度と安定性:光回線の実効速度・低遅延はオンラインゲームやリモートワークで有利
- 家族・複数端末:テレビ、ゲーム機、スマート家電の同時接続はWi-Fiが前提
一方で「Wi-Fi不要」も現実になった
- 楽天モバイル無制限(3,278円)のテザリングが定着
- home 5G・WiMAX +5Gなどホームルーターが普及
- 光回線なしで生活する世帯が2020年より大幅増、単身・引っ越しが多い人には「モバイル回線一本化」が現実的な選択肢に
そもそも「Wi-Fiが不要になる」わけではない
ここで用語を整理しておきます。「5Gがあれば Wi-Fi は要らない」という言い方には、実は2つの別々の話が混ざっています。
| 用語 | 実際に指しているもの | 5Gで置き換わるか |
|---|---|---|
| Wi-Fi | 宅内で機器と親機をつなぐ無線の規格そのもの | 置き換わらない。ホームルーターもテザリングも、端末へはWi-Fiで飛ばしている |
| 光回線(固定回線) | 自宅と通信事業者をつなぐ「外への線」 | 置き換わり得る。ここを5Gに任せるのがホームルーター |
つまり5Gが代替できるのは「外への線」だけで、宅内のWi-Fiはどの構成でも残ります。ホームルーターを買っても、それはWi-Fi親機を買っているのと同じことです。テレビもゲーム機もスマート家電も、つなぎ先がWi-Fiであることは変わりません。
この記事で本当に比較しているのは「Wi-Fiを使うかどうか」ではなく、「外への線を光にするか、5Gにするか」だと考えると判断しやすくなります。
Wi-Fi側も進化した:Wi-Fi 6E・Wi-Fi 7という選択肢
5Gの話題の陰に隠れがちですが、Wi-Fi規格そのものもこの6年で世代交代しました。宅内の詰まりが原因で「回線が遅い」と感じているケースもあるため、外への線を見直す前に親機の世代を確認する価値があります。
| 規格 | 使う周波数帯 | 特徴 |
|---|---|---|
| Wi-Fi 5 | 2.4/5GHz | 2020年当時の主流。いまも実用上は十分な場面が多い |
| Wi-Fi 6 | 2.4/5GHz | 同時接続が多い環境での混雑に強い |
| Wi-Fi 6E | 2.4/5/6GHz | 6GHz帯が加わり、電子レンジや近隣宅の電波と競合しにくい |
| Wi-Fi 7 | 2.4/5/6GHz | 複数帯を束ねて使えるのが最大の違い。真価を出すには6GHz対応の親機と子機の両方が必要 |
注意したいのは、Wi-Fi 7の親機を買っただけでは速くならない点です。6GHz帯の広い帯域を活かすにはトライバンド対応の親機が要るうえ、スマホやPC側も6GHz帯に対応していなければなりません。エントリー価格帯のWi-Fi 7ルーターはデュアルバンド構成が多く、その場合の体感は「5GHz帯が少し速くなった」程度にとどまります。
そして、外への線が5G(ホームルーターやテザリング)の場合、宅内をWi-Fi 7にしても速度の上限を決めるのは5G側です。宅内を強化して効くのは、外への線に余裕がある光回線の環境か、宅内で機器同士がデータをやり取りする用途に限られます。
2026年版・回線構成の最適解
| ライフスタイル | おすすめ構成 |
|---|---|
| 家族・在宅ワーク | 光回線+スマホはセット割(ドコモMAX+ドコモ光など) |
| 単身・データ大量 | 楽天モバイル無制限のテザリング一本化 |
| 工事できない住居 | home 5GやWiMAX +5Gのホームルーター |
光回線・ホームルーター・モバイル回線単体を徹底比較
「Wi-Fiが要るか要らないか」は「どの回線方式を自宅の主回線にするか」という問いに置き換えられます。3方式を料金・速度・工事の有無で比較します。
| 項目 | 光回線 | ホームルーター(WiMAX +5G等) | モバイル回線単体(テザリング) |
|---|---|---|---|
| 開通工事 | 必要(1〜数週間) | 不要(届いた日から利用可) | 不要 |
| 月額目安 | 4,000〜6,000円台(プランによる) | 5,280円(WiMAX +5G ギガ放題プラスS・割引前) | 2,970円〜3,278円(ahamo30GB/楽天モバイル無制限) |
| 速度・遅延 | プランにより差はあるが遅延が少なく安定 | 下り最大4.2Gbps・上り最大286Mbps(WiMAX +5G公称値)、エリア・混雑状況に左右される | スマホの通信品質に依存、同時多接続には不向き |
| データ容量 | 基本無制限 | 無制限(ただし直近の通信量が多いと時間帯により速度制限の場合あり) | プランの上限GB内、または無制限プランならテザリングも無制限 |
| 向いている人 | 在宅ワーク・オンライン会議・家族での同時利用が多い世帯 | 引っ越しが多い、工事を待てない、単身〜二人暮らし | すでにモバイル回線が無制限で、機器を増やしたくない人 |
※WiMAX +5Gの料金・速度はUQ WiMAX公式サイト(ギガ放題プラスS)の公表値、ahamo・楽天モバイルの料金は各社公式サイトの公表値に基づきます(2026年9月確認)。
【期限あり】WiMAXは2026年10月から各社そろって値上げされます
上の表でホームルーターを検討している方は、この改定を織り込んで判断してください。値上げは1社だけの話ではなく、主要プロバイダが2026年10月利用分から一斉に月額料金を引き上げます。各社とも理由は物価高騰と回線調達コストの上昇で、これから契約する人だけでなく既存契約者も対象です。
| プロバイダ | 加算額(税込) | 経過措置・解除料の扱い |
|---|---|---|
| Broad WiMAX | +630円 | 2026年7月30日までの申込者は契約から12か月間、同額を割引で補填 |
| GMOとくとくBB WiMAX | +605円 | 解除料の無料期間は2026年8月21日〜9月20日 |
| カシモWiMAX | +594円 | 2026年10月1日9:00〜10月13日21:00の解約手続きで10月分の月額が無料。契約解除料も無料(8月1日〜9月30日の新規契約者は対象外) |
| BIGLOBE WiMAX +5G | +330円 | 2026年9月1日〜9月30日の解約は更新期間を問わず解除料無料。24か月割引の適用中は特典終了までは現行料金 |
値上げの影響を当面受けない人もいます
割引特典の適用中は、特典が終わるまで現行料金のままというプロバイダがあります。BIGLOBEは24か月間の月額値引き特典の適用中、GMOとくとくBBは月額390円キャンペーンの特典期間中(利用開始から6か月間)は、これまでどおりの特典価格が続き、期間終了後に改定後の料金が適用されます。自分が特典適用中かどうかで、10月に請求額が変わるかが決まります。解約を検討する前に、まず契約中のプロバイダのマイページで特典の残り期間を確認してください。
加算額は+330円〜+630円と倍近い開きがあります。WiMAXはどのプロバイダでも回線が同一なので、10月以降の金額で並べ直すと「安い順」が入れ替わる可能性があります。
すでにWiMAXを契約している方へ:値上げを受け入れずに乗り換えるなら、BIGLOBEの公式告知にある解除料無料の窓は今月末で閉じます。ただし解除料が無料でも端末の残債は別途請求されます。解約前に残債額を必ず確認してください。
ただし、値上げされるからWiMAXをやめるべき、という話ではありません。判断はあくまで使用量で決まります。
| あなたの状況 | 10月以降の考え方 |
|---|---|
| 月100GBを超えて使っている | WiMAXの継続が合理的。数百円上がってもデータ量あたりの単価では依然優位。スマホのテザリングでは代替しにくい |
| 実際は月20〜50GB程度だった | 見直しの余地がある。無制限のホームルーターを契約する必要がなく、スマホの容量を増やすほうが安くなる場合がある。9月中なら解除料が無料 |
| 工事ができない住居に住んでいる | 選択肢が限られるため、値上げ後でもホームルーターが現実解。home 5G(月5,280円)との比較で判断 |
つまり動く理由があるのは、無制限プランを契約していたのに、実際の使用量がそれほど多くなかった人だけです。自分がどちらかは、ルーターの管理画面や契約先のマイページで直近の月間通信量を見れば判断できます。
テザリング一本化の前に確認したい「上限」
「スマホが無制限だから自宅もテザリングで済ませる」という選び方には落とし穴があります。プラン本体が無制限でも、テザリングだけ別の上限が設定されている場合があるからです。自宅の主回線として使うなら、ここは契約前に必ず確認してください。
| プラン | 月額(税込・割引前) | テザリングの扱い |
|---|---|---|
| ドコモ MAX | 5,698〜8,448円 | テザリングも無制限 |
| au 使い放題MAX+ 5G/4G | 7,788円 | テザリング・データシェア・国際ローミングの合計で60GBの上限 |
| ソフトバンク テイガク無制限 | 8,008円 | テザリング専用の上限はないが、テザリング分を含め直近30日で300GBを超えると最大4.5Mbpsに制限 |
| 楽天モバイル 最強プラン | 3,278円(データ無制限時) | テザリングも無制限 |
※各社公式サイトの公表値(2026年9月5日再確認)。auは家族割プラス(3人以上)・auスマートバリュー・au PAY カードお支払い割の適用で5,258円、ソフトバンク テイガク無制限は同種の割引適用で5,148円になります。
自宅の主回線をテザリングでまかなうと、動画視聴やPCの更新だけで月に数十GBは簡単に消費します。au 使い放題MAX+ の60GB上限は、この使い方だと現実的に到達し得る水準です。上限に達するとテザリング側の速度が制限されるため、「無制限プランなのに自宅のネットが遅い」という状態になります。
また、楽天モバイルを自宅回線として使う場合は、KDDIとのローミング契約が2026年9月末で基本的に終了する点も踏まえて判断してください。10月以降も郊外の一部エリアでは継続する方向で協議が続いていますが、2026年9月5日時点でエリア別の確定スケジュールは公表されていません。目安として、楽天モバイルの5G(Sub6・ミリ波)は自社回線エリアでのみ提供され、借りているパートナー回線は4G LTEでの提供です。自宅で「5G」表示が出ているなら自社回線がカバーしている場所と判断でき、10月の影響は受けにくいと考えられます。
2026年に進む「5G SA」で何が変わるか
ホームルーターやテザリングの体感速度を左右するのが「5G SA(スタンドアロン方式)」のエリア拡大です。
- 5G SAとは:4G設備を経由しない5G専用構成。低遅延化・同時接続数の向上が期待される
- 提供状況:ドコモ・au・ソフトバンクの3社はすでにSAを提供中。楽天モバイルは未提供
- au系は2026年8月25日にpovo2.0へも拡大:これでau・UQ mobile・povoのマルチブランド全体でSAが使える状態に。ただしSA対応SIMへの変更申し込みが必要な場合がある
- ドコモ:2026年5月27日から5G SAの利用が無料化され、既契約者は手続き不要になった
- 注意点:対応エリア・対応端末はまだ限定的。「5G SAが来ているから光回線は不要」と言い切れる段階ではない
契約前に自宅住所が提供エリアに含まれるか、公式サイトのエリア判定で確認しましょう。
チェックリスト:あなたに必要なのはどれ?
- オンライン会議や大容量ダウンロードが多い、家族で同時に複数端末を使う→光回線を軸にするのが無難
- 引っ越しが多い、開通工事を待てない、単身〜二人暮らし→ホームルーターが候補
- すでにモバイル回線が無制限で、自宅の利用も1〜2端末程度に収まる→モバイル回線単体(テザリング)で十分な場合も
- 自宅の5G電波状況に不安がある→契約前にキャリア公式サイトのエリア判定で確認する
よくある質問
Q. ホームルーターだけで光回線は完全に不要になりますか?
A. 対応エリア内なら動画視聴や通常のWeb閲覧には十分な速度が出るケースもあります。ただし電波状況や時間帯の混雑で速度が変動しやすい点は有線の光回線と異なります。大容量ファイルのやり取りやオンライン会議が毎日続くなら、光回線との比較検討がおすすめです。
Q. 自宅で5G SAが使えるかはどこで確認できますか?
A. 各キャリアの公式サイトにあるエリア判定・カバレッジマップのページで、住所を入力して確認できます。5G SA対応は端末側の対応状況にも左右されるため、契約中または契約予定のルーター・スマホの対応可否もあわせて確認すると安心です。
結論として、2026年現在も「Wi-Fiが完全に不要」とは言い切れませんが、選択肢は2020年当時より確実に広がりました。住まいや使い方に応じて光回線・ホームルーター・モバイル回線単体を柔軟に選べる時代です。まずは通信量とエリア対応状況を確認し、工事の要不要も含めて比較しましょう。
※本記事は2020年1月公開の記事を、2026年8月時点の最新情報に更新したものです。
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