ソフトバンクが2019年3月27日から5G商用サービスを開始すると発表しました。
大手キャリアの中で最初に商用サービスの具体的な日程や料金を発表したとあって、大きな注目が集まりましたが、その発表に対しては賛否両論です。
- 料金プランが安いこと
- エリアが非常に狭いこと
この2点が良くも悪くも反響を呼んでいることは間違いありません。
ソフトバンクが3月27日からスタートする5Gの料金や対象エリアなどについて詳しく見ていきましょう。
目次
ソフトバンクが5G開始を発表
2020年3月5日、ソフトバンクが大手キャリアの中で最初に5Gの商用化を3月27日からスタートすると発表がありました。
- 実質的に無料で5Gが使えること
- エリアがごくごく限られたものになること
この2点でソフトバンクの5Gサービスには特徴があります。
料金的には「5Gになると料金が高くなる」との予想をよい意味で裏切ったこと、エリア的には「開始当初はごくごく限られたエリアになる」との予想通りだったことになります。
NTTドコモやauの発表はまだですが、5G元年の料金プランやエリアのモデルケースになると思われ、他のキャリアとの比較にも役立ちます。
ソフトバンクの5G料金プランと対象エリアを理解しておきましょう。
料金は通常料金+1,000円
ソフトバンクの5G使用料金はこれまでの4G LTEサービスの料金に1,000円を上乗せするというものです。
5Gに特化した新しい料金プランはなく、これまでの料金プランに付加サービスとして上乗せする分かりやすいものとなります。
また、ソフトバンクは5G無料キャンペーンの実施も発表しており、実質的には2年間無料で5Gを利用することができます。
対象プランは4つ
ソフトバンクの5Gは既存の料金プランに1,000円を上乗せされるだけで利用することができます。
5Gが上乗せできるプランは以下の4つです。
プラン | 通信容量 | 料金 |
---|---|---|
メリハリプラン | 50GB | 4,480円〜 |
ミニフィットプラン | 1GB+使った分だけ | 1,980円(〜6ヶ月) 2,980円(6ヶ月〜) |
スマホデビュープラン | 2GB | 980円(〜12ヶ月) 1,980円(12ヶ月〜) |
データシェアプラン | 親回線の50GBをシェア | 980円 |
ソフトバンクの料金プランには通信制限が設けられており、5Gの上乗せをしても通信制限は引き続き設けられることになります。
「5Gになれば使い放題のプランになるのでは?」と言われてきましたが、ソフトバンクは既存の料金プランを変えずに5Gサービスを展開していくことになります。
この理由はエリアの狭さにありますが、この点については詳しく後述します。
「5G無料キャンペーン」で2年間無料
ソフトバンクは5G商用サービス開始の発表で、「5G無料キャンペーン」の発表も行いました。
2020年8月30日までに申込をした人は、1,000円の付加料金が無料になるというものです。
つまり、2020年の8月30日までにソフトバンク5Gに申し込むだけで2年間は無料で5Gを利用することができます。
この2年間の間にソフトバンクは通信エリアを拡大し、その後に使い放題プランを発表することが予想されます。
あくまでも、この2年間はお試し期間と位置付けることができるでしょう。
5G対応の2機種を発表
また、この発表の中でソフトバンクは5G対応2機種を発表しています。
- シャープ「AQUOS R5G」
- ZTEの「Axon 10 Pro 5G」
ZTEの「Axon 10 Pro 5G」はトリプルカメラ採用などハイスペックですが、ソフトバンクが残債の半分を免除する「トクするサポート+」利用することで4万円台半ばで購入することができます。
さらに、4月には、デュアルスクリーンケース(2画面化)になるスマホとして有名な、LGエレクトロニクスの「LG V60 ThinQ 5G」、7月にはOPPOの「OPPO Reno3 5G」が投入される予定です。
OPPOの「OPPO Reno3 5G」に関しては「驚くような低価格になる」とのことで、ソフトバンクの5G対応端末ラインナップはハイエンドモデルからエントリーモデルまで取り揃えた形になるでしょう。
ソフトバンクの5G対応エリアは超限定的
ソフトバンクの5Gエリアは超限定的なものとなっています。
ほとんどの人は日常生活で5Gを利用することはできませんし、東京都心に居住している人でも買い物や仕事の際に利用することができる程度の非常に狭いエリアです。
今回のソフトバンクの料金プランには無料キャンペーンがついていることから、さらに広いエリアをカバーできるまでの「無料お試しキャンペーン」だと思った方が無難です。
ソフトバンクの5Gがカバーしているのはどの程度のエリアなのか、詳しく解説していきます。
当初は超都心部のみ
ソフトバンクの5G商用サービスが開始される当初は超都心部のみとなっています。
東京23区の中でも開始当初は東京駅周辺のみ、2020年の夏以降で、新宿、渋谷、池袋、お台場などをカバーすることができる見込みで、東京全体をカバーする計画すら立ててられていません。
そのほかの都市は、中心部の名古屋、大阪などで中心部でごく一部だけというような状況です。
少なくとも2020年夏までの段階では、5Gは日常で利用できるものではなく、都心などに遊びにいけば体験できるものという程度の認識でしょう。
カバーできるまでのお試しと思うのがベター
ソフトバンク自身、5Gのエリアが圧倒的に狭いことは十分に認識しており、そのため、今回の料金プランは使い放題でもありませんし、2年間無料という原則無料で使えるようなプランになっています。
「まずは無料で使ってもらおう」というのがソフトバンクの5Gに対するスタート段階ですの認識のようです。
利用する側も過度に期待することなく、「どうせ無料なんだから試しに入ってみよう」程度の気持ちで体験するのがよいでしょう。
2021年末に人口カバー率90%が目標
2020年3月のスタート段階では圧倒的にエリアが狭いソフトバンク5Gですが、2021年末には人口カバー率を90%にすると発表しています。
ソフトバンクにはすでに日本全国に23万箇所の基地局があり、この基地局を5Gに転換させていくことでエリアの拡大を目指していきます。
NTTドコモやKDDIと比較して基地局の設置では遅れているソフトバンクですが、4G基地局の5G転用によって、2021年には人口カバー率90%の達成を目指します。
少なくとも、その頃までにはソフトバンクの5G商用サービスはお試し段階ということが言えるでしょう。
まとめ
ソフトバンクは他キャリアに先駆けて5Gの商用サービスを発表しました。
主なポイントは以下の通りです。
- 料金は基本料金+1,000円
- 2年間は無料
- エリアは都心部などごくごく限られたものになる
5Gというと、誰もが「高速大容量通信が誰もが可能になる」と思いがちですが、実際には開始直後に利用できるのは、ごくごく限られた地域だけです。
これは基地局の問題から限られた地域だけしか通信することができないソフトバンクの事情があります。
ソフトバンクの5Gサービスは「2年間は無料お試し期間」と位置付けられるでしょう。
NTTドコモやKDDIは、ソフトバンクよりも圧倒的に大きな予算で基地局設置を行なっています。
今後発表されるであろう、NTTドコモとKDDIの通信エリアや料金プランにも注目したいところです。