現在の通信規格の20倍の速度とも言われる、次世代移動通信システム「5G」。
各社、2020年春から開始としていますが、ソフトバンクの5Gが始まるのはいつからなのでしょう?
ソフトバンクは「2020年春開始」と発表しています。
しかし、いつまで2020年1月現在では、具体的は発表はほとんどないままです。
そこで、今回はソフトバンクの5Gの取り組み状況や、気になるHuawei(ファーウェイ)との関係や最新情報まで詳しく解説していきます。
目次
ソフトバンクは「5G×IoT Studio」から5Gを発信
ソフトバンクは5Gの実証実験や5Gを体感することができる施設である「5G×IoT Studio」を赤坂、芝大門、品川、渋谷、お台場の5箇所に設置しています。
特にお台場は2018年に大幅なニューアルをして、5Gの様々な体験ができるようになっています。
この施設からソフトバンクは5Gに関する様々な取り組みを発信しています。
まずは、「5G×IoT Studio」でどのようなことが行われているのか見ていきましょう。
360度カメラ体験
360度カメラ体験とは、4方向から撮影された映像をヘッドマウントディスプレイに送信し、4つの映像が繋がった映像を360度観ることができます。
360度視聴は5Gの高速・大容量通信でなければ不可能で、5Gが実用化されれば期待されている技術です。
この技術を「5G×IoT Studio」ではいち早く体験することができます。
リアルハブティクス
リアルハブティクスとは、デバイスを通じて、柔らかさや固さ、弾力性や粘着性などの触り心地を通信する技術で、離れた場所から自分の手などの動きや感触を機械と双方向的に伝えることができます。
この技術は遠隔操作などへの応用が期待されていますが、5Gは遅延性が4Gの10分の1ですので、5Gの低遅延性がなければできない技術と言われています。
このリアルハブティクスの体験も「5G×IoT Studio」で体験することが可能です。
「5G×IoT Studio」での実証実験
すでに「5G×IoT Studio」では実証実験も始まっています。
トラック3台を縦列で走行させ、後続の2台は自動運転で走行するというものです。
自動運転には安全性の確保が必須ですが、回線に遅延があると他の自動車の周囲の状況を他の車両にタイムリーに伝えることができません。
しかし5Gの低遅延性によって、後続の車が先頭車両にタイムリーに状況を伝えることができ、安全な縦列走行が成功しました。
ソフトバンクは、このような実証実験を今後も「5G×IoT Studio」から発信していきます。
ソフトバンクと気になるHuawei(ファーウェイ)社との関係
ソフトバンクと言えば気になるのが中国の通信機器メーカーHuawei(ファーウェイ)社との関係です。
Huawei(ファーウェイ)と言えば、私たち個人は携帯端末を連想しますが、実は基地局を整備する通信機器のメーカーでもあります。
アメリカはサイバーセキュリティの問題から世界にHuawei(ファーウェイ)の排除を求めています。
そして日本をはじめ欧米各国がHuawei(ファーウェイ)社の製品を使用していません。
そして日本の中で最もHuawei(ファーウェイ)社と近い関係にあるのがソフトバンクです。
5Gの基地局設置などの設備投資の際に、ソフトバンクとHuawei(ファーウェイ)はどのような関係を構築していくのでしょうか?
ドコモやauはHuawei(ファーウェイ)社の機器を設置していない
アメリカはサイバーセキュリティの問題から、5GからHuawei(ファーウェイ)を排除するよう世界各国に要請しています。
そして、日本政府も携帯各社に対して「Huawei(ファーウェイ)の5G基地局を使わなければ減税」という優遇措置を伝えています。
このような動きもあって、ドコモやauは基地局にHuawei(ファーウェイ)の製品を使用していません。
では、ソフトバンクはどのような動きなのでしょうか?
現在ソフトバンクはHuawei(ファーウェイ)社製品を使用
現在、ソフトバンクは基地局や基地局の通信機器にHuawei(ファーウェイ)製品を使用しています。
アメリカの要請や政府の方針から、これが一部で問題視されているのは事実です。
そして、金銭的な問題として、これまでHuawei(ファーウェイ)製品を使って作ってきた基地局を他社製品に入れ替えるというのは厳しい側面もあるのでしょう。
今後の方針は不透明
ソフトバンクも5G基地局の設置に関しては「政府の方針に則って進める」との声明を発表しています。
しかし、前述したような金銭的な問題もあり、一部では「Huawei(ファーウェイ)製品を排除するのは難しいのでは?」との声もあります。
いずれにせよ、今後ソフトバンクとHuawei(ファーウェイ)の関係がどうなるのかについては不透明です。
ソフトバンクの5G対応エリアは?
ソフトバンクはどの程度のエリアで5Gに適用しているのでしょうか?
残念ながらソフトバンクはドコモ、auの大手3社の中で最も対応エリアに遅れが出ていると言わざるを得ません。
2024年の目標値でソフトバンクのカバー率は64%、ドコモ97%、au93%と比較すると大きな差があります。
これはドコモが7000億円以上を基地局整備のために投資していることと比較してソフトバンクが2000億円程度ですので止むを得ないと言えるでしょう。
ただし、ソフトバンクは少ない投資額ながらも、数年後には日本全国をカバーできるように様々な取り組みを行なっています。
ソフトバンクの5G対応エリアへの取り組みについて詳しく見ていくことにしましょう。
3年以内が目標
ソフトバンクの宮内社長は2019年8月の決算説明会において「3年内に日本全国どこにいっても、スマホで5Gが繋がるようにしたい」とコメントしています。
これがソフトバンクの中期的な目標と捉えることができるでしょう。
しかし、現実問題、ソフトバンクの投資額では全国まで基地局を整備するのは難しいという実情があります。
では、ソフトバンクはどのように3年以内に基地局の整備を進めるのでしょうか?
地方の基地局はKDDIとシェア
早期に全国へ5Gの整備を進めるための具体策として、宮内社長はKDDIとの基地局をシェアする取り組みを説明しました。
ソフトバンクとKDDIの2社が協力して全国へ5Gを普及させていく見込みです。
2021年には4G周波数を5Gへ転用
さらに宮内社長は「2021年には今の4Gの9割くらいを5G圏内にしたい」ともコメントしています。
これらの計画から、2021年には日本の多くの部分でソフトバンクのスマホで5Gが利用できるようになることが予想されます。
ソフトバンクの5G対応機種は未発表
ソフトバンクは5G対応機種は2020年1月現在まだ発表されていません。
しかし、5G技術 Massive MIMO(マッシブ マイモ)を利用できる「SoftBank 4G対応機種」であれば5Gを利用することができます。
ただし、2014年以前に発売された機種は利用することができないので注意しましょう。
まとめ
ソフトバンクはドコモやauと比較して5Gの整備状況は少し遅れているという印象です。
ただし、2021年には日本全国の大部分をカバーできる予定で、懸念されているHuawei(ファーウェイ)との関係も不透明です。
今後のソフトバンクの5Gの取り組み状況に注視していきたいところです。