ローカル5G

【集合住宅だけで5G】集合住宅向けのローカル5Gサービスとは

5Gクリーンネットワークとは

【2026年7月 追記】

本記事は2020年当時のローカル5G黎明期の内容です。2026年現在、ローカル5Gは工場・病院・物流拠点などで実導入フェーズに入っています。

集合住宅向けについても、ソニーワイヤレスコミュニケーションズの「NURO Wireless 5G」が2022年4月に国内初の商用サービスとして始まり、2025年には建物所有者・管理組合向けの一括導入プランも追加されました。詳しくは本記事末尾の【2026年最新版】セクションで解説しています。

2020年5月末、つなぐネットコミュニケーションズ・アルテリア ネットワークス・三菱地所・東京建物の4社が、集合住宅向けローカル5Gインターネットサービスの実証実験開始を発表。産業・医療・農業向けが中心だったローカル5Gの、住環境への応用として注目を集めました。

ローカル5Gとは

ローカル5Gとは
特定エリアだけに構築する5G通信網です。工場敷地内などに独自敷設でき、大手キャリアのエリア拡大を待つ必要がありません。キャリア5Gが届かない山中の工場でも、独自に5G環境を作れます。

【2026年最新】ローカル5Gとは?仕組み・導入手順・費用・活用事例を徹底解説

集合住宅向けのローカル5Gサービスとは?

集合住宅向けのローカル5Gサービスとは?
マンション敷地内にローカル5G基地局を設置し、建物全体を5G通信エリア化する構想です。各戸への光ケーブル配線が不要になり、5G対応端末があれば無線だけで高速大容量通信に接続できると期待されました。

集合住宅向けのローカル5Gサービスがもたらすもの

集合住宅向けのローカル5Gサービスがもたらすもの
期待される効果 内容
資産価値の向上 光回線が通る物件の家賃が高い前例と同様に、ローカル5G完備が付加価値になる可能性
遠隔医療の推進 MRI・レントゲン画像を瞬時に伝送し、遠隔地の医師がより精緻な診断を行える。高齢者向け住宅での活用に期待
【医療と5G】5G時代の医療の未来を考える
テレワークの効率化 大容量データの送受信・低遅延化・高精細映像により在宅勤務が快適に
映画・ゲームが快適に 4K/8K映像もフリーズなく視聴でき、オンラインゲームもサクサク動作

【2026年最新版】あの実証実験はその後どうなった?

2020年に本記事で紹介した「集合住宅向けローカル5G」の構想は、2026年7月時点で以下のように進んでいます。

ソニー系「NURO Wireless 5G」が国内初の商用サービスとして始動

最も具体的な形になっているのが、ソニーワイヤレスコミュニケーションズの「NURO Wireless 5G」です。2022年4月1日に一般提供を開始した、ローカル5Gを用いた集合住宅向け固定インターネットとしては国内初のサービス。仕組みは2020年の構想とほぼ同じで、建物外壁・敷地内・近隣電柱の基地局まで光ファイバーを引き込み、各住戸へはローカル5Gの電波で接続します。入居者は専用ホームルーターを電源に挿すだけで屋内配線工事は不要です。

集合住宅向けローカル5Gの仕組み(イメージ) 通信事業者の バックボーン網 光ファイバー ローカル5G基地局 (建物外壁・敷地内 または近隣の電柱) ローカル5G 電波 住戸A:ホームルーター (電源に挿すだけ) 住戸B:ホームルーター (電源に挿すだけ) 住戸C:ホームルーター (電源に挿すだけ)

2025年2月20日には、オーナー・管理組合・管理会社が建物全体へ一括導入できる「レジデンシャルプラン」も追加。光回線の設置が難しい物件でも、建物単位で高速インターネット環境を用意できるようになりました。さらに2026年3月31日には、入居者が個々に契約する従来の「STDプラン」が新規申込みを終了。既存利用者への提供は続くものの、新規で導入できるのは建物側が契約する「レジデンシャルプラン」のみとなり、個人が単独で申し込む窓口はなくなりました。

項目 光回線(FTTH) ローカル5G(NURO Wireless 5Gの例)
屋内配線工事 必要になるケースが多い 不要(ホームルーターを電源に挿すだけ)
新規契約の窓口(2026年8月時点) 個人が直接契約可能 建物側の「レジデンシャルプラン」のみ(個人向けSTDプランは2026年3月31日で新規受付終了)
月額料金の目安 契約先・プランにより異なる STDプラン既存利用者:4,950円(税込)〜/レジデンシャルプランは建物契約のため個別見積もり
データ容量 契約先により異なる 無制限
通信速度の目安 契約先・プランにより異なる 下り最大4.1Gbps(理論値)
対応エリア 全国的に広く普及 東京・神奈川・埼玉・大阪の一部が中心(全国約1,244基地局、うち約1,200局が東京都に集中)

基地局は東京都に偏在しており、「どのマンションでも選べる」段階には2026年時点でもまだ届いていません。一方、2020年時点で見立てた「ローカル5G完備による資産価値向上」は、光回線の敷設が難しい既存物件にも一括導入できる「レジデンシャルプラン」というかたちで、5年余りを経て実際のサービスになりました。

4社共同の実証実験はその後どうなったか

本記事冒頭の4社(つなぐネットコミュニケーションズ・アルテリア ネットワークス・三菱地所・東京建物)は、2021年にオプテージも加わりSub6帯のフィールドテストを実施しましたが、全国規模の商用サービス開始の公式発表は確認できませんでした。集合住宅向けローカル5Gの実用化は、2026年7月現在ソニー系のサービスが先行しています。

まとめ

  • 2020年、集合住宅向けローカル5Gの実証実験が発表された
  • 2022年、ソニー系「NURO Wireless 5G」が国内初の商用サービスとして始動。2025年に建物一括導入の「レジデンシャルプラン」、2026年3月には個人向け「STDプラン」が新規受付終了となり、新規導入は建物単位が基本に
  • テレワーク重視・動画/ゲーム好き・遠隔診療を受けたい人にとって、通信環境は物件選びの新たな判断軸になりつつある
  • ただし対応エリアはまだ東京・神奈川・埼玉・大阪の一部に限定。物件選びの際は提供エリアを事前確認すること