【2026年10月 追記】
2020年の記事に、2026年の「繋がらない・遅い」の原因と対処法を加筆しました。2020年当時の経緯は後半に記録として残しています。
5Gの人口カバー率は98.6%(2025年度末)。いま「繋がらない・遅い」の多くはエリア外ではなく「転用5G」が原因です。
目次
結論:3つのパターンと対処
| パターン | 症状 | 対処 |
|---|---|---|
| 1. エリア外 | 「5G」が出ない | エリアマップで住所を確認 |
| 2. 転用5G | 5G表示なのに4G並み | 仕組み上の制約。Sub6エリアで再測定 |
| 3. 端末・設定・プラン | 周りは5Gなのに自分だけ | 省電力モード・通信制限を確認 |
パターン1:5Gエリア外
- 98.6%は人口ベース。山間部・離島・郊外の一部は4Gのみ
- 楽天モバイルはKDDIローミングの現行契約が9月30日に満了。10月1日以降、自社回線で十分カバーできているとされるエリアではパートナー回線が縮小する(KDDIは9月30日に10月以降のローミング提供エリア地図と新しい契約約款を公開。東京23区・名古屋市・大阪市はすでに終了、10月1日からは横浜市・千葉・福岡市・広島市で大幅に縮小)
- 地下街・エレベーター・鉄筋の建物の奥も届きにくい
| 都道府県(2025年度末) | 5G人口カバー率 |
|---|---|
| 神奈川・大阪・沖縄 | 99.9% |
| 岩手 | 93.3% |
| 高知 | 92.5% |
| 島根(最下位) | 89.2% |
パターン2:5G表示なのに遅い
2026年で最も多い不満。「5G」表示は周波数帯の違いを示しません。
| 周波数帯 | 実効速度 | エリア |
|---|---|---|
| 転用(700MHz〜1.7GHz) | 4G並み | 広い(カバー率の主役) |
| Sub6(3.7/4.5GHz) | 数百Mbps〜1Gbps超 | 展開率75.5% |
| ミリ波(28GHz) | 数Gbps | 駅・スタジアム等 |
ミリ波は「点」の展開にとどまっており、ドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天モバイルの4社は2026年9月11日に覚書を結び、9月16日にミリ波の利用エリア拡大へ向けた共同検討の開始を発表しました。各社が自らエリアを広げることを前提に、すでに展開したミリ波基地局や中継器を事業者間で相互に活用できる技術・方式を検討します。時期や具体的な仕組みは未公表です。ドコモは9月29日、AGC・京セラ・フジクラ・ダイヤケーブルなど8社と、中継器・メタサーフェス・導波路でミリ波のエリアを広げる「ドコモミリ波イニシアチブ」を始めました。
5G SAかどうかでも差が出る
SAの平均速度はNSA比で下り約1.7倍・上り約1.5倍(5G SAとは)。
| キャリア | SA対応基地局 | 自社5G局に占める割合 |
|---|---|---|
| ソフトバンク | 99,871局 | 95.6% |
| au(KDDI) | 40,627局 | 36.9% |
| ドコモ | 14,248局 | 27.1% |
| 楽天モバイル | 0局 | 0%(未提供) |
出典:総務省 電波利用状況調査(2025年3月末)。全国では50.7%(155,721局)がSA対応。
ポイント:SAにならないのはキャリアがその場所にSAを置いていないだけのことも。ドコモの5G SAは申し込みが必要(月額550円→2026年5月27日から無料)。au・SBは対応端末・プランなら不要。
ソフトバンクは画面表示でSAかどうかが分かる
ソフトバンクは2026年9月29日から、5G SA接続中のネットワーク表示を「SoftBank」から「SoftBank 5G SA」へ切り替える表示を始めました(国内キャリア初)。「5G表示なのに遅い」の切り分けが画面だけでできます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象機種 | 5G SA対応のiPhone・iPadから順次。Androidは今後対応予定 |
| 条件 | 5G SA対応SIMを使い、対象端末が5G SAに接続していること |
| 反映 | 表示できるまで最長2週間程度かかる場合がある |
| 他社 | ドコモ・au・楽天モバイルは同様の表示を行っていない(2026年10月7日時点) |
出典:ソフトバンク「5G SA接続時に専用ネットワークロゴの表示を開始」(2026年9月29日)、ケータイWatch(2026年9月29日)
パターン3:端末・設定・プラン
- 省電力モードで5Gが自動オフになる機種がある
- データ上限超過の速度制限中は、5G表示のまま低速
症状別チェックリスト
| 症状 | まず試すこと | だめなら |
|---|---|---|
| 4Gのまま | ネットワークモードを「5G」に(省電力モードを解除) | エリアマップで現在地確認 |
| 急に繋がらない | 機内モードのオン/オフ、再起動 | SIM挿し直し、ネットワーク設定リセット |
| 5G表示だが遅い | データ上限を確認 | 転用5Gの可能性。Sub6エリアで再測定 |
| 屋内だけ繋がらない | 窓際へ(Sub6は障害物に弱い) | Wi-Fiに切替 |
| 特定の場所だけ遅い | 時間帯を変えて再測定 | キャリアの障害情報を確認 |
| 端末が5G非対応 | 設定に5Gの項目があるか | 5G対応機種へ買い替え |
5Gエリア外では自動で4Gに切り替わるだけで、圏外にはなりません。
住所が5Gエリアか確認する
| キャリア | エリアマップで分かること |
|---|---|
| ドコモ | 5G(Sub6/ミリ波含む)と4G、整備予定 |
| au(KDDI) | 5Gエリア、Sub6を区別表示 |
| ソフトバンク | 5G/4G、拡大予定 |
| 楽天モバイル | 自社回線エリアと5Gエリア、人口カバー率 |
契約前でも無料・番地単位。同じ住所でも会社で違うので複数社を比較を。手順は5Gはいつから?キャリア別の開始日とエリアの今。
2020年当時:エリアが狭かった理由
商用化当初、使えたのは空港・スタジアム・キャリアショップなど一部でした。
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 通信範囲が狭い | ミリ波は最大200m程度しか届かない |
| 直進性が高い | ビルなどの障害物で遮られやすい |
| コロナ禍の工事遅延 | 部品供給の遅れ、ビル屋上工事の制限 |
ポイント:物理的制約は今も同じ。98.6%は転用周波数で実現した面があり、「広いが速くない5G」はその裏返しです。
| キャリア | 2020年当時の施策 |
|---|---|
| ドコモ | 電柱に巻き付ける360度アンテナ(ミリ波対応・2020年2月発表) |
| ドコモ×AGC | 窓を基地局化するガラスアンテナ(100〜200m先まで) |
| KDDI・ソフトバンク | 5G JAPAN設立(2020年4月)。地方は共同で整備 |
関連:ドコモが開発するアンテナの新技術/【5G JAPAN】KDDIとソフトバンクの地方展開
| 方式 | コア網 | 2020年当時→2026年 |
|---|---|---|
| NSA | 4G | 当時の主流 |
| SA | 5G | 当時は2021年以降が目標(KDDIは2021年中予定、楽天はNECと開発中)→ 大手3社は商用提供済み、楽天は未提供 |
よくある質問
Q. 5G表示なのに4Gと速度が同じ。故障?
故障ではない可能性が高いです。転用5Gは速度が4G並みで、Sub6エリアでは数百Mbps級になることがあります。
Q. 5Gアイコンが出たり消えたりする
エリア端では4Gと行き来するためです。省電力モードでも5Gがオフになる機種があります。
Q. 設定を見直してもSAにならない
その場所にSAがない可能性があります。ドコモは申し込みが必要(無料)、楽天は未提供です。
Q. 田舎だと5Gは使えない?
最下位の島根でも89.2%。ただし人口ベースなので、住所をエリアマップで確認を。
Q. 5Gをオフにすると電池は持つ?
エリア端で頻繁に切り替わるなら4G固定で改善することも。安定して掴めるならオンのままでOKです。
まとめ
- 2020年はエリアそのものが無い問題、2026年は別物
- エリア外:地方・屋内・地下には未整備が残る
- 転用5G:5G表示でも4G並み。最も誤解されやすい
- 端末・設定:省電力モードや通信制限は手元で解決
※本記事は2020年6月公開の記事を2026年8月時点の情報に更新したものです。人口カバー率・都道府県別カバー率は総務省「5Gの整備状況(令和7年度末)」(2026年7月27日公表)に基づきます。2026年9月13日に図表中心の構成へ再編集し、2026年9月18日に4社のミリ波共同検討(NTTドコモ「通信事業者間での5Gミリ波の利用エリア拡大に向けた共同検討を開始」2026年9月16日)を追記しました。2026年9月27日に楽天モバイルのローミング満了(9月30日)に伴う注意点を追記しました。2026年9月30日に、KDDIが同日公開した10月以降のローミング提供エリア(横浜・千葉・福岡・広島で縮小)を反映しました。2026年10月1日にKDDIローミングの満了を過去形に改め、ドコモの「ドコモミリ波イニシアチブ」(9月29日)を追記しました。2026年10月7日に、ソフトバンクの「SoftBank 5G SA」表示開始(2026年9月29日・国内初)を追記しました。