future

5G通信網拡大の救世主?ドコモが開発するアンテナの新技術

5Gについては、そのエリアカバー率の低さから「2020年はから騒ぎに終わるのではないか」と多くの人が指摘しています。

しかし、このような心配をよそに、各キャリアは早期の5G通信エリアの拡大を強気に宣言しています。

この強気の裏には技術の進歩があります。

2020年2月、NTTドコモが電柱に巻きつけるアンテナを開発したと発表しました。

このような技術開発のおかげで「夢物語」と思われていた、5G通信網の早期確率を実現することができる可能性があります。

ドコモが開発した新しいアンテナから技術によってどの程度5G通信網の整備が進むのか見ていきましょう。

5Gの問題点は通信範囲の狭さ

5Gの問題点は通信範囲の狭さ

夢の高速・大容量通信と言われている5Gには問題点があります。

それが通信エリアの狭さです。

アンテナ1つで通信できるエリアは非常に狭い範囲で、さらにアンテナ同士を光ケーブルで接続する必要があります。

まずは、5G通信の問題点について詳しく見ていきましょう。

通信エリアは200m

5Gの高速・大容量通信を可能にする電波である「ミリ波」の問題点は、通信エリアが周囲200mしかないという点です。

200mしか通信しないため、日本全国に5G通信網を行き渡らせるには、無数の基地局を日本中に設置しなければならないことが課題として挙げられています。

基地局同士を光ケーブルで繋がなければならない

200m間隔で設置した基地局は光ケーブルで繋げる必要があります。

基地局を設置して、さらにその基地局同士を光ケーブルで繋げるという膨大な作業を経なければ、日本中に5G通信網を敷設することはできないのです。

「5Gは2020年は期待はずれだろう」とよく言われますが、その原因が基地局の設置と光ケーブルの敷設が膨大な作業になるという点にあります。

当面は4Gの電波をまとめて高速化

「2020年春から5G開始」と盛り上がっていますが、2020年の間は4Gよりは少し早くなった程度の通信速度しか実現することができない見込みです。

5Gの最大通信速度は4Gの20倍と言われますが、当面はミリ波の基地局整備の遅れから、高速・大容量通信を可能にするミリ波での5Gは実現できません。

2020年は、既存のLTEと5Gの周波数帯を束ねて高速伝送を行う「キャリアアグリゲーション」という技術で5G電波を伝送することになります。

「キャリアアグリゲーション」の理論値最大速度は2Gbpsと言われていますが、実際には1Gbps程度だろうと言われており、4Gの理論値での最高速度程度は安定して通信できることが予想されます

ドコモが開発した電柱に巻けるアンテナとは?

ドコモが開発した電柱に巻けるアンテナとは?

ドコモが開発した電柱に巻けるアンテナはミリ波と呼ばれるl高速大容量に適した通信網を早期に国内に拡充できる可能性を秘めています。

電柱に巻けるアンテナはどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。

28GHzの電波に対応

ドコモがこの度開発した、電柱に巻きつけるアンテナは28GHz帯の電波に対応しています。

28GHz帯とはミリ波の電波帯であり、電柱に巻きつけるアンテナはミリ波の受送信を行うことができます

電柱に巻きつけ360度対応

電柱に巻きつけるアンテナはフッ素樹脂でできており、電柱に巻きつけることで、360度の電波の受送信を行うことができます。

日本国内には無数の電柱が設置されているため、このアンテナを国内の電柱全てに巻きつけることで、日本中にミリ波の電波を行き渡らせることができるようになることが期待されています。

今後は、風雨や熱や雨などへの耐久性などの実証実験を経て数年かけて実用化される見込みです。

ドコモはガラスアンテナも開発

また、ドコモはすでにガラスアンテナも開発しています。

こちらはビルなどの目立たない形で設置することができるので、景観を乱すことなく、街中に5G通信網を構築することができます。

5Gは通信エリアが狭いからこそ、様々な所にアンテナを設置する技術や工夫が必要になります。

ガラスアンテナに関しては2020年中のサービス開始を目指しています。

新技術で5Gエリアはどんどん加速する

新技術で5Gエリアはどんどん加速する

電柱に巻きつけるアンテナやガラスアンテナなどの新技術によって、5G通信網は早期に確率する可能性があります。

携帯電話の基地局というと、電波塔のようなイメージがありますが、新技術ではそのような仰々しい設備は不要になりつつあります。

新技術が実用化されるのはいつになり、今後5G通信網はどの程度の期間で確率していくのでしょうか?

ドコモは2023年までに日本の人口のほとんどを5G通信網でカバーすると発表しています。

今後、ガラスアンテナや電柱に巻きつけるアンテナの普及が本格化すれば、2023年には日本中いたるところで5Gの通信が可能になるのも夢ではないでしょう。

開始直後には、4Gの早いバージョン程度である5Gですが、2年〜3年先には日本中のあらゆる場所で高速大容量通信が可能になる時代が来るでしょう。