楽天モバイルの5G参入が新型コロナウイルスの影響によって遅れると発表されました。
ドコモ・ソフトバンクに次いで楽天モバイルも5Gが遅れることになります。
しかし、楽天モバイルに関しては5Gは全く焦る必要がないというのが当メディアの見解です。
楽天モバイルの今のミッションは、既存のキャリアが4Gで作ってきた料金体系を壊すことであって、5Gを早期に実現することではないと考えるためです。
そして、急いでも日本ではまだ5Gは普及しません。
楽天モバイルの5G開始が遅れる理由と、楽天モバイルに期待される役割、そして日本では5Gがまで普及しない理由について詳しく解説していきます。
目次
楽天モバイルの5G開始が9月以降に延期と発表
楽天モバイルは5月15日に5Gの開始が遅れることについて以下のように発表しました。
楽天モバイルは、5Gネットワーク構築およびサービス開始に向けた準備を着実に進めてきましたが、主に5Gネットワークにおけるグローバルでのサプライチェーンの一部が影響を受けたことにより、準備活動の継続が困難な状況が発生しています。こうした状況下において、当初2020年6月を予定していた5Gサービスの提供開始時期について、約3カ月をめどに延期する見通しとなりました。
参考:楽天モバイル|新型コロナウイルス感染拡大の影響による第5世代移動通信システム(5G)サービス開始時期の延期について
新コロナウイルスの影響によって、楽天モバイルの5Gも開始が遅れることとなってしまいました。
当初は6月開始予定だった
楽天モバイルは当初は2020年6月に開始となる予定でした。
すでにNECと連携して基地局設置を初めており、5Gに関しては2022年くらいから私たちの日常生活でも使用できるくらいまでにサービスを拡充する予定とされていました。
新型コロナでインドがロックダウン|検証に遅れが出た
楽天モバイル5Gは2020年6月にスタート予定でしたが、新型コロナウイルスの影響によって開始が3ヶ月遅れると発表されています。
これは、主にインドのロックダウンの影響が大きいようです。
楽天モバイルはインドで通信の実証実験などを進めておりましたが、ロックダウンの影響で検証作業がストップし満足なデータを得ることができていません。
そのために2020年6月のスタートが困難になり開始は2020年9月にずれ込むとのことです。
大手キャリア各社の5G計画も遅れている
新型コロナウイルスの影響によって5Gの敷設計画に遅れが生じているのは楽天モバイルだけではありません。
NTTドコモやソフトバンクは楽天モバイルの発表よりも前に遅れが生じていることを発表しています。
ドコモは2021年6月の1万局達成は困難
NTTドコモは新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、基地局の設置が遅れています。
ドコモの吉澤社長は、2021年6月の1万局達成は困難との見通しを示しています。
ドコモは2021年3月に全政令指定都市と500都市での5G通信開始を発表していますが、この計画にも遅れが出る可能性が指摘されています。
ドコモは最も5G投資にお金をかけ基地局整備も先行していましたが、その分新型コロナウイルス感染拡大による遅れの影響も大きくなってしまう見込みです。
ソフトンバンクも10%〜20%程度の遅れ
ソフトバンクも10%〜20%の遅れがあると発表しています。
ただし、ソフトバンクは元々計画よりも多くの発注をかけていたようで、10%〜20%の遅れが生じたとしても、全体的には当初の計画よりも順調に進んでいるとのことです。
このように、楽天モバイルだけでなく、大手キャリアはどこも新型コロナウイルス感染拡大の影響によって5Gの計画にも遅れが生じていると言えます。
日本の5Gは焦る必要なし|楽天モバイルは4G基地局の拡充を
楽天モバイルをはじめとして、日本の5Gはもはや焦る必要は全くないでしょう。
国内のキャリアがいくら頑張っても日本ではiPhoneが5Gに対応しないと5Gが普及する可能性が低いという特殊事情があります。
さらに、楽天モバイルの価値とは、MNOでありながら圧倒的な低コストでスマホを持つことができるという付加価値になるのではないかと考えるからです。
日本ではiPhoneが5Gに対応するまで5Gは普及しない
日本は世界の中でもダントツでiPhoneの普及率が高い国です。
市場調査会社の株式会社カンター・ジャパンが調査した結果によると2018年の日本人のiPhoneシェアは69.1%と実に7割の日本人がiPhoneを使用しているという結果になりました。
つまり、5GもiPhoneが5Gに対応するまでは日本国内においては普及しないのではないか?というのが大方の見方です。
大手キャリアもだからこそエリア拡大を焦っていないという実情があります。
実際に「5GはiPhoneが5Gに対応してからでいいや」と思っている人も多いのではないでしょうか?
そして、5Gに対応する予定のiPhone 12は新型コロナウイルスの影響によって発売が遅れることが予定されています。
実は日本においての5Gの遅れは、キャリアの基地局整備や実証実験の遅れではなく、iPhoneの発売遅れが最も大きな影響を及ぼしているものと思われます。
それだけ、圧倒的なシェアを誇る日本国内においては5GはiPhoneが5Gに対応しないと普及しないと言われているのです。
楽天モバイルのメリットは4G LTEの料金の安さ
楽天モバイルの4G LTE料金プランは月額2,980円で通話し放題でエリア内は通信し放題(エリア外は5GBまで)という破格のプランです。
さらに1年間は300万人限定で2,980円が無料になります。
他のキャリアと比較して圧倒的に安いこの料金プランが楽天モバイルの最大のメリットです。
少なくとも他のキャリアも5Gのエリアが日常生活で利用できないレベルにある2022年くらいまでは、4G LTEがほとんどの日本人のメイン通信網になるはずです。
であるならば、今回楽天モバイルの5Gスタートが3ヶ月遅れたことはほとんどの日本人にとって全く問題ではなく、それよりも超安価な4G LTEサービスの拡充に努めた方が楽天モバイルにとってもユーザーにとってもメリットがあります。
まず地方までの拡充を急ぐべき
楽天モバイルは東京周辺しか通信エリアがありません。
その他のエリアはKDDIの回線を借りているため5GBまでしか利用することができないのがデメリットです。
そのため、まずは楽天モバイルはプロパーの回線を地方にまで拡充して、日本全国の人が月2,980円で通信し放題の環境を構築することが求められます。
まとめ
楽天モバイルも新型コロナウイルス感染拡大の影響によって5Gサービス開始が遅れることとなってしまいました。
しかし、楽天モバイルの最大の売りは4G LTEサービスの価格破壊とも呼べる料金の圧倒的な安さです。
まずは楽天モバイルは地方都市も含めた日本全国を楽天モバイルの通信エリアでカバーすることが求められます。
日本ではiPhoneが5Gに対応しない限りは、5Gは普及しないと言われています。
そのため、楽天モバイルに求められる役割は日本全国で4G LTEの価格破壊を起こすことで、たった3ヶ月程度の5Gサービス開始の遅れは全く問題にならないものと思われます。