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【2026年10月最新】ソフトバンク「空飛ぶ基地局HAPS」通信試験に国内初成功|2027年以降の商用化へ、仕組みと意義を解説

ソフトバンクは2026年9月2日、成層圏の「空飛ぶ基地局」HAPSとスマホの通信試験に国内で初めて成功したと発表。2027年以降の商用化を目指します。

結論:今回わかったこと

項目 内容
成果 日本上空のHAPSとスマホの双方向通信に国内初成功
場所 高知県室戸市周辺上空(南海トラフ地震の想定被災エリア)
パートナー 米Sceye社(飛行船型=LTA型)
確認した通信 音声通話、SMS、SNS、ビデオ通話・動画、緊急速報メール、118番通報
遅延 HAPS上のサーバー応答が往復平均68ミリ秒(地上クラウド経由比40%以上低減)
スマホ直接通信の実測速度 下り最大36Mbps・上り4.8Mbps(高知県沖・高度約17kmで測定)
商用化 2027年以降が目標(時期は今後発表)

HAPSとは

高度約20kmの成層圏を飛び続け、地上基地局のようにスマホと直接通信する仕組みです。

通信の「高さ」で見る3つの方式 地上(0km) 地上基地局 高さ数十m HAPS(今回) 高度 約20km・成層圏 衛星(Starlink Direct等) 高度 数百km
今回の飛行 内容
出発 米ニューメキシコ州、8月9日午後10時(日本時間)
飛行 太平洋上空を約13日間・1万5,000km以上
到達 8月23日午前7時11分に日本上空
位置保持 試験エリアで半径最小5km以内、7日以上(Sceye発表)
その他の検証 HAPSとドローン間の通信、HAPS上のエッジコンピューティング(Sceyeは「世界初」と発表)

ポイント:山間部・離島・災害で基地局が壊れた地域でもスマホがそのまま使える。118番通報は海上保安庁の協力で確認。

衛星直接通信との違い

方式 高度 強み 国内の状況(2026年9月)
地上基地局 数十m 大容量・低遅延・安定 4キャリアが運用
HAPS 約20km 広域+比較的低遅延、動画も可 SBが試験成功、2027年以降商用化目標
衛星直接通信 数百km 地球規模のカバー 4キャリアが提供(音声・メッセージ中心)

両者は競合より補完関係になる見通しです。

国内のHAPS計画:ソフトバンクとドコモ

陣営 機体 これまでの実績 商用化の目標
ソフトバンク 米Sceye「ST1」(飛行船型) 2026年8〜9月に日本上空でスマホ通信に国内初成功 2027年以降(2025年6月時点では「2026年にプレ商用」)
ドコモ・Space Compass AALTO「Zephyr」(固定翼型)。2026年10月13日にAbside Networksと基本合意(AIによる成層圏RANの共同検討) 2025年2月にケニア上空(高度約20km)でスマホのLTEデータ通信に成功 2026年に国内一部エリアで提供開始(2024年6月発表時点の目標)

※ドコモ陣営の国内サービス開始は2026年10月14日時点でも発表されていません。ドコモは10月13日にAbside NetworksとHAPSの基本合意書を結んでいます(詳細は「10月14日発表」の節)。

【2026年9月17日発表】地上からHAPSをレーザーで追尾・測距

ソフトバンクは一橋大学・国立極地研究所と、地上からHAPSをリアルタイムに追尾しレーザー光で距離を測る実証に世界で初めて成功したと発表。衛星・HAPS・地上を光無線通信でつなぐ「3次元ネットワーク」実現に向けた一歩と位置付けています。

項目 内容
実施日 2026年8月23日〜24日
方法 HAPSに搭載したコーナーキューブ反射鏡(CCR)にレーザー光を送信、反射光を連続受信して測距
地上側の装置 一橋大学設計の小型衛星レーザー測距装置「Omni-SLR」をベースにした可搬型装置
狙い 大容量・低遅延な衛星-HAPS-地上間の光無線通信の実現に向けた基礎技術の確立

【2026年10月14日発表】ドコモがHAPSでAbside Networksと基本合意

ドコモは10月13日、米Abside NetworksとHAPSに関する基本合意書を結んだと10月14日に発表しました。機体の打ち上げではなく、HAPSの通信技術とAIによる制御の共同検討です。

項目 内容
締結日 2026年10月13日(発表は10月14日)
相手 Abside Networks(Googleの「Project Loon」の知見を持つ。HAPS向け無線機・RAN、NTNとAIネットワーク制御を手がける)
検討する内容 ①HAPSによる広域・大容量・多接続のシステム構成 ②需要予測やビーム・容量・周波数・干渉の制御にAIを使う成層圏RAN ③成層圏での通信品質・運用・センシングデータの収集 ④外部アプリやサービス基盤との連携
狙うエリア 空・海や、採算の取りにくい山間部など地上の基地局で埋めにくい場所
時期 未公表。マイルストーンもサービス開始日も示されていない

読み方:ドコモのHAPSは従来、Space Compass・AALTO「Zephyr」の機体を軸にした話でした。今回は機体ではなく「成層圏の基地局をAIでどう運用するか」側の提携で、ドコモが掲げる「AI 3Dネットワーク」構想に沿ったものです。国内サービスの開始時期は、この発表でも示されていません。

出典:NTTドコモ 報道発表資料「NTTドコモ、Abside NetworksとHAPSに関する基本合意書を締結 -AIを活用したHAPS向け通信技術の共同検討を開始-」2026年10月14日。

当初の目標からは後ろにずれている

HAPSは「来年には使える」段階ではありません。両陣営とも、当初掲げた時期を過ぎつつあります。

陣営 当初の目標 2026年10月14日時点
ソフトバンク 2026年に国内でプレ商用サービス開始(2025年6月発表) 試験サービスの成功までで、商用化目標は「2027年以降」に変更(具体的な時期は未公表)
ドコモ・Space Compass 2026年に国内一部エリアで提供開始(2024年6月発表) 国内でのサービス開始は未発表。2026年は残り2か月半。10月13日にAbside Networksと技術検討の基本合意を結んだ段階

読み方:成層圏に機体を長時間とどめること自体は実証できています。ずれているのは「毎日・全国で売れるサービスにする」段階で、機体の数・運用体制・制度面の準備がここに含まれます。いま使える非常時の手段は、HAPSではなく衛星直接通信とJAPANローミングです。

よくある質問

Q. いつから使える?

現在は試験段階。開始時期・料金・対応機種は今後の発表待ちです。ソフトバンクの商用化目標は2027年以降で、2026年10月9日時点で具体的な日程は出ていません。

Q. 今のスマホで使える?

試験は市販スマホで実施。商用時の対応機種は正式発表で確認を。

まとめ

  • SBがHAPSとスマホの通信試験に国内初成功(9月2日発表)。実測は下り36Mbps・上り4.8Mbps
  • 9月17日には地上からのレーザー測距にも世界初成功、光無線通信の「3次元ネットワーク」構想が前進
  • 商用化は2027年以降。衛星直接通信とは補完関係
  • ドコモ陣営もAALTOの固定翼型で国内提供を目指す

出典:ソフトバンク公式ニュースリリース「日本初、『空飛ぶ基地局』HAPSの商用化に向けた試験サービスの提供に成功」2026年9月2日(https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2026/20260902_01/ )/Sceye・ソフトバンク「日本での成層圏接続性の実証実験を完了」2026年9月7日(https://kyodonewsprwire.jp/release/202609075393 )/ソフトバンク・一橋大学・国立極地研究所「世界初、HAPSを地上から追尾してレーザー測距する実証に成功」2026年9月17日(https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2026/20260917_01/ )/Impress Watch「ソフトバンク、HAPSで『3次元ネットワーク』へ スマホ直接通信で下り36Mbps」2026年9月17日(実測速度の出典)/ソフトバンク「『空飛ぶ基地局』のHAPS、2026年に日本でプレ商用サービス開始」2025年6月26日/Space Compass・NTTドコモ「AALTO、エアバスと資本業務提携」(https://space-compass.com/news/000068.html )、「ケニア上空のHAPSを介したスマートフォンのLTE通信に成功」2025年3月3日

※本記事はソフトバンクの2026年9月2日の発表をもとに作成し、2026年9月13日に図表中心の構成へ再編集し、9月23日にSceyeの9月7日発表・ドコモ陣営の計画・ソフトバンクの9月17日発表(レーザー測距実証・スマホ通信の実測速度)を追記しました。2026年10月9日に「当初の目標からは後ろにずれている」の節を追加し、各社の進捗を10月9日時点で再確認しました(10月に入ってからの新たな発表はありません)。2026年10月14日に、ドコモがAbside NetworksとHAPSに関する基本合意書を締結した件(10月13日締結・10月14日発表)をドコモの報道発表資料で確認して節を新設し、ドコモ陣営の国内サービス開始が同日時点でも未発表であることを再確認しました。