2020年に挙げた「5Gが普及しない3つの理由」はすべて解消しました。5G契約は1億2,632万件(2026年3月末)、人口カバー率98.6%(2025年度末)です。
目次
結論:3つの懸念の答え合わせ
| 当時の懸念 | 2020年 | 2026年 |
|---|---|---|
| エリアが狭い | 主要都市のスポットのみ | カバー率98.6%・基地局30万局超 |
| スマホが高い | ハイエンド中心で10万円超 | 2〜3万円台のエントリー機も対応 |
| 料金が高い | 大手の高額プランが実質必須 | 格安プランでも追加料金なし |
| 補足 | 内容 |
|---|---|
| 地域差 | 最高 神奈川・大阪・沖縄99.9%/最低 島根89.2% |
| iPhone | 2020年秋のiPhone 12以降すべて5G対応 |
| 低価格プラン例 | ahamo 2,970円/30GB(8月1日からのキャンペーンで40GB)、povo2.0 基本料0円、LINEMO 990円〜、楽天モバイル 1,078〜3,278円で無制限 |
5G契約数の伸び
ポイント:5Gは携帯契約の約55%。すでに多数派の回線です。
残る課題:SAと体感差
体感が薄いのは、多くのエリアが4G設備を流用するNSA方式だからです。
| SAで変わること | 内容 |
|---|---|
| 速度(Opensignal調べ) | NSA比 下り約1.7倍・上り約1.5倍 |
| 低遅延・ネットワークスライシング | SAで本領発揮。自動運転・スマート工場・遠隔医療に現実味 |
SA設備はすでに約半数
| キャリア | SA対応基地局 | 5G基地局の総数 | SA化率 |
|---|---|---|---|
| ソフトバンク | 99,871局 | 104,441局 | 95.6% |
| au(KDDI) | 40,627局 | 110,037局 | 36.9% |
| ドコモ | 14,248局 | 52,532局 | 27.1% |
| 楽天モバイル | 0局 | 35,108局 | 0% |
| 全国合計 | 155,721局 | 307,263局 | 50.7% |
基準時点:2025年3月末。出典:総務省「令和7年度携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の調査結果」
- 2026年8月25日、povo2.0もSA対応。au・UQ・povo全ブランドで利用可(KDDIはカバー率90%超と公表)
- 大手4社で未提供は楽天モバイルだけ
- SAにはキャリア・場所・端末・契約の4つが必要。povo2.0「通話+データ」はSA対応SIMへの申込みが必要、ドコモも申込みを求める場合あり
- 局数≠速度。SBは700MHz帯など転用にもSA=広さ型、ドコモはSub6・ミリ波中心=速さ型
2020年には想定外だった変化
| 変化 | 2026年の実際 |
|---|---|
| 衛星との直接通信 | Starlink Directなどが4キャリアで展開。エリア外対策の新手段 |
| 3Gの完全終了 | au(2022年)、SB(2024年)、ドコモFOMA(2026年3月31日) |
| 料金の下落幅 | povo2.0 基本料0円、LINEMO 990円〜。1,000円未満が定着 |
| ミリ波の失速 | 投資対効果の壁でスポット展開止まり。速度の主役はSub6。2026年9月、4社が既存設備の相互活用の共同検討を発表 |
教訓:普及速度を決めたのは技術の優劣より投資対効果。6Gにも当てはまります。
「速い5G」かを確かめる3手順
| 手順 | やること | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 1. 実測 | 速度測定アプリで2〜3回 | 数百MbpsならSub6、数十Mbpsなら4G転用の可能性 |
| 2. エリア確認 | 公式マップで自宅・職場 | 「5G」と「Sub6」を塗り分ける社が多い |
| 3. 端末確認 | 仕様表でSub6(n77/n78/n79)・SA対応 | 非対応なら速度は伸びない |
多くの場合、原因はキャリアではなくその場所が4G転用エリアであることです。
2026年:料金は上げ局面へ
| 時期 | できごと | 方向 |
|---|---|---|
| 2026年6月1日 | SB「メリハリ無制限+」受付終了。現行はテイガク無制限 8,008円/ペイトク2 10,538円 | 値上げ方向 |
| 2026年6月2日 | ワイモバイル「シンプル3」改定(S 3,278円/M 4,378円/L 5,478円) | 改定 |
| 2026年7月18日 | AppleがiPhoneを一斉値上げ(8,000〜25,000円) | 値上げ |
| 2026年8月1日 | ahamoがキャンペーンで30GB→40GB(料金据え置き・終了日未公表) | 実質値下げ |
| 2026年9月10日 | Appleが国内価格を再度改定。iPhone 17 159,800円/16 139,800円/17e 124,800円/Air 189,800円へ(18 Pro 219,800円・Pro Max 239,800円で登場) | 値上げ |
| 2026年10月1日 | WiMAX各社が値上げ(Broad +630円/GMO +605円/カシモ +594円/BIGLOBE +330円) | 値上げ |
| 2026年12月1日 | SoftBank Air 5,368円→5,698円 | 値上げ |
注意:理由は物価高騰と回線調達コスト。値上げは既存契約者にも適用されるケースが増加。「実質月額◯円」の古い表記にも注意。
次の答え合わせは2030年
| 総務省「デジタルインフラ整備計画2030」 | 内容 |
|---|---|
| 策定 | 2025年6月 |
| 目標 | 2030年度末に人口カバー率99%、各都道府県で99% |
| 現状との差 | 全国98.6%に対し島根89.2%。論点は地方の最後の1割 |
よくある質問
Q. 5Gは普及したと言える?
数のうえでは普及しました(携帯契約の約55%)。体感が薄いのはNSA方式が中心だからです。
Q. 5Gにすると料金は上がる?
上がりません。追加料金は不要です。2020年当時は5G専用プランで月1,000円ほど高いのが一般的でした。
Q. 自分の地域は5Gエリア?
人口カバー率は面積ではありません。各キャリアのエリアマップで住所単位の確認を。
Q. ミリ波はもう使われない?
使われていますが、スタジアム・空港・一部の駅などのスポットにとどまります。2026年9月16日、ドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天モバイルの4社が、各社が展開済みのミリ波基地局・中継器を事業者間で相互活用する技術・方式の共同検討を始めたと発表しました(覚書は9月11日締結)。新たに建てるのではなく、建てたものを融通する発想です。実施時期と具体策は未公表のため、使える場所が今すぐ増えるわけではありません。
まとめ
- 「エリア・端末・料金」の3つの壁はすべて解消
- SA設備は全国の50.7%。未提供は楽天モバイルだけ
- 次の焦点は2030年度末・各都道府県99%
- 2026年は値上げが続く年。改定後の金額で比較を
※本記事は2020年8月公開の記事を、2026年9月6日時点の情報(5G契約数・人口カバー率・SA対応基地局)で全面改稿し、povo2.0の5G SA提供開始(8月25日)と2026年の料金改定一覧を追記したものです。2026年9月13日に図表中心の構成へ再編集し、9月20日に4社によるミリ波の共同検討(9月16日発表)と、9月10日のiPhone国内価格改定を追記しました。