3月26日に大手キャリアの中で最後にauが5G商用プランを発表し、5Gの商用サービスはソフトバンク、ドコモ、auの大手キャリア3社で出揃いました。
これから「5Gを始めよう」としている人は「どのキャリアで5Gを選んだらよいか分からない」という人も多いのではないでしょうか?
そこで、5Gキャリア3社を料金、エリア、通信容量、通信速度、対応機種の5つの視点から比較してみました。
これから5Gを始めようとしている人はキャリア選びの参考にぜひ活用してください。
目次
大手キャリア3社の5Gの料金
大手キャリア3社の5G料金を比較します。
料金プランは様々ですが、大容量プランで最も基本料金が高いのはau、ついでドコモ、最も安いのがソフトバンクになっています。
ただし、割引を適用させることによって、auが最も安くなります。
料金プランは各キャリアいくつもありますので、まずはそれぞれのキャリアのプランごとの料金を比較していきます。
NTTドコモの料金プランは2つ
NDDドコモの料金プランは100GBまで利用できる5Gギガホと、通信量ごとに段階的に料金が上がっていく5Gギガホライトという2つのプランになっています。
5Gギガホ | |
---|---|
5Gギガホ | 7,650円/月 |
みんなドコモ割(3回線以上) | -1,000円/月 |
ドコモ光セット割 | -1,000円/月 |
5Gギガホ割 | -1,000円/月(最大6か月間) |
dカード支払い割 | -170円/月 |
支払い料金 | 4,480円/月 |
基本料金は7,650円ですが、半年間は1,000円割引され、その他の割引プランをフルに併用することで毎月4,480円で利用することができます。
5Gギガホライト(dカードお支払割▲170円、みんなドコモ割2回線▲500円、3回戦▲1,000円適用後の料金) | |
---|---|
通信量 | 料金 |
〜1GB | 1,980円 |
〜3GB | 2,480円 |
〜5GB | 2,980円 |
〜7GB | 3,980円 |
5Gギガホライトは、通信制限に応じて料金が4段階に分かれており、1GBまでの利用であれば1,980円/月で利用することができます。
大容量通信を前提とする5Gにはそぐわない料金プランとなっていますが、「5Gを試してみたい」という人であれば十分なプランと言えるかもしれません。
auの料金プランは4つ
auの料金プランは4つです。
基本プランはデータMAX 5Gで、そこにNetflixがついたプラン「データMAX 5G Netflixパック」、さらにYouTube PremiumやApple Musicがついたプラン「データMAX 5G ALL STARパック」と分かれます。
また、ドコモと同じように通信量に比例して料金が段階的に上がっていくピタットプランも用意されています。
データMAX 5G ALL STARパック | データMAX 5G Netflixパック | データMAX 5G | ピタットプラン | |
---|---|---|---|---|
基本料金 | 11,150円 (2年契約適用時:10,980円) |
9,650円 (2年契約適用時:9,480円) |
8,650円 (2年契約適用時:8,480円) |
3,980円 〜 6,980円 |
料金はドコモよりも高いですが、auは割引プランが豊富で以下のような割引が用意されています。
- 家族割プラス
- auスマートバリュー
- 5Gスタートキャンペーン
- スマホ応援割II
これら全ての割引を最大限受けた場合の料金プランは以下の通りです。
データMAX 5G ALL STARパック | データMAX 5G Netflixパック | データMAX 5G | ピタットプラン | |
---|---|---|---|---|
契約当初6ヶ月 | 5,460円 | 4,260円 | 3,460円 | 1,980円 〜 4,480円 |
7ヶ月目〜25ヶ月 | 6,960円 | 5,460円 | 4,460円 | 1,980円 〜 4,480円 |
25ヶ月目以降 | 7,960円 | 6,460円 | 5,460円 | 2,980円 〜 5,480円 |
auは最も基本料金が高いですが、割引を最大限適用すると最も安くなります。
また通信容量は使い放題とキャリアの中で最も大きくなっています。
ソフトバンクの料金プランは4つ
ソフトバンクの料金プランは以下の4つです。
プラン | 通信容量 | 料金 |
---|---|---|
メリハリプラン | 50GB | 4,480円〜 |
ミニフィットプラン | 1GB+使った分だけ | 1,980円(〜6ヶ月) 2,980円(6ヶ月〜) |
スマホデビュープラン | 2GB | 980円(〜12ヶ月) 1,980円(12ヶ月〜) |
データシェアプラン | 親回線の50GBをシェア | 980円 |
上記料金に1,000円を上乗せすると、5Gを利用することができます。
ただし、ソフトバンクは上乗せ分の1,000円を2年間割り引くキャンペーンを行なっているので、契約から2年間は上記料金で5Gを利用することができます。
大手キャリアの5G通信容量
5Gになると使い放題になると言われてきましたが、NTTドコモとソフトバンクは通信容量を設けたプランとなっています。
しかし、auは使い放題プランを投入しました。
大手キャリア3社の通信容量を比較していきましょう。
NTTドコモは100GB
ドコモの5Gギガホは100GBまでとなっています。
ドコモの通信エリアは生活圏では利用することができないので、100GBもあれば十分という判断でしょう。
auは使い放題のUNLIMITEDプラン
一方、通信エリアが最も広いauは使い放題のUNLIMITEDプランです。
最も料金は高いですが、最も通信エリアも広いので、通信容量を気にせず使える本格的なUNLIMITEDプランとなっています。
ソフトバンクは50GB
ソフトバンクは4G LTEの通信容量と同じ50GBです。
そもそもソフトバンクの5Gはほとんどの人が利用できる環境には整っていないので、新たに5Gのための料金プランは発表していません。
ソフトバンクの場合には「5Gのためにどのプランに入ればいいのか」ということを考える必要はないように思えます。
5G契約に切り替えれば、「5Gが繋がるところでは5Gを利用できるようになる」程度の考えで、従来の4Gを使う際と同じ通信量のプランに契約しておけば十分ではないでしょうか?
ドコモとソフトバンクは期間限定で使い放題
なお、NTTドコモとソフトバンクは当面は通信容量に制限を設けずに使い放題となっています。
ドコモのソフトバンクも通信エリアが日常生活で利用できるほど整っていないため、あくまでもしばらくはお試し期間という位置付けでしょう。
特に、基本使用量まで2年間も割り引くソフトバンクの5Gはしばらくはお試し期間の意味合いが相当強いと言えます。
大手キャリアの5G料金比較表(割引後)
「5Gを始めるなら、どのキャリアを選択したらよいのだろう?」と悩んでいる人は通信容量と料金で最適なキャリアと料金プランを選択した方がよいでしょう。
大手キャリアの最大通信量と料金プラン(最大割引後)の料金を一覧にしてみました。
NTTドコモ | au | ソフトバンク | |
---|---|---|---|
最大通信容量プラン | 4,480円 (100GB) |
3,460円 (無制限) |
4,480円 (50GB) |
最小通信容量プラン | 1,980円 (1GB) |
1,980円 (1GB) |
1,980円 (1GB) |
あくまでの割引適用後の料金ですが、たくさん5Gを通信するのであれば実はauが最も料金が安くなります。
auは家族割プラスで4人家族がいると2,000円も基本使用量が割引になるためです。
たくさん使いたいという人は、通信エリアの最も広いauの5Gが安価で通信量を気にせず使うことができます。
お試しで使いたいという人は、どのキャリアで契約しても料金は変わりません。
大手キャリアの5G通信エリア
5Gの比較の中で最も気になるのが通信エリアではないでしょうか?
5Gは電波が届く範囲が200mと非常に狭いので、5G通信エリアには大きな課題を抱えています。
2020年3月26日で大手キャリアの5G商用サービスは出揃いましたが、会社ともに通信エリアは非常に限定的なものとなっており、日常生活で5Gが使えるとは言い難い状態です。
それでもキャリアによって通信エリアには大きな違いがあります。
5Gキャリア3社の通信エリアを比較していきます。
NTTドコモは施設やドコモショップのみ
NTTドコモの5Gが通信できるのは、サービス開始当初は公共施設やスタジアム、また全国のドコモショップの一部のみとなっています。
- オリンピックアクアティクスセンター 観客席
- 東京スタジアム 観客席、入場ゲート周辺
- 横浜国際総合競技場
- 羽田国際空港
- 東京スカイツリー
- 渋谷STREAM
- 渋谷スクランブルスクエア
- 山王パークタワー
東京近郊ではドコモショップ以外で利用できるのはこれらの場所だけですので、NTTドコモの5Gは日常生活で利用することは不可能です。
「5Gを試してみたい」という人はギガホライトに契約するだけでも今のところは十分かもしれません。
auは地方にまで通信網を広げている
一方、auはNTTドコモと比較して地方まで通信網を広げています。
auの5Gが通信できる都道府県は以下の通りです。
- 北海道
- 埼玉
- 千葉
- 東京
- 富山
- 静岡
- 愛知
- 大阪
- 岡山
- 広島
- 愛媛
- 福岡
- 佐賀
- 大分
- 沖縄
もちろん、これらの都道府県すべての場所で5Gを利用することができるわけではなく、利用することができるのは、上記都道府県のほんの一部分のみです。
それでも他のキャリアと比べて「お試しで利用することができる範囲は広い」ということは間違いありません。
最も広いエリアに対応しているのはauだと言えるでしょう。
ソフトバンクは東京駅周辺のみ
ソフトバンクの5Gは開始当初、東京駅周辺部と名古屋、大阪のほんの一部のみとなっています。
東京区内在住の人ですら簡単に利用できるようにはなっていません。
ソフトバンクは2年間は実質無料で5Gを利用することができますが、その理由は使えるエリアが著しく狭いからです。
「5Gを試してみたい」という人でも、東京駅周辺で勤務している人くらいしかソフトバンクの5Gは今のところ利用できません。
大手キャリアの5G通信速度
5Gキャリア3社には通信速度にも違いがあります。
速度は速い順にNTTドコモ→au→ソフトバンクとなっています。
大手キャリアの通信速度についても比較していきます。
NTTドコモは下り最大3.4Gbps
通信速度で最も優れているのはNTTドコモです。
開始当初の速度は下り最大3.4Gbpsとなっており、大手キャリアの中でも最速となっています。
また、2020年6月には下り最大4.1Gbpsまで速くなると発表しており、今後エリアが拡大すれば、かなり快適に5Gを利用することができるようになるでしょう。
auは下り最大2.8Gbps
auの5G通信速度は下り最大2.8Gbpsとドコモよりは遅くなっています。
2021年頃から5Gのフル機能を実現するスタンドアロンモードをスタートさせると発表していますので、2021年以降、徐々に速度は速くなっていくでしょう。
ソフトバンクは下り最大2.0Gbps
ソフトバンクは3大キャリアの中では最も遅い下り最大2.0Gbpsです。
おそらく実効速度は1.0Gbps程度になるものと思われ、4G LTEの理論値最大速度を体感できる程度でしょう。
だからこそ、ソフトバンクの5G料金プランは2年間実質無料なのですが、エリアにおいても速度においてもソフトバンクの5Gはまだまだお試し段階ということができます。
大手キャリアの5G対応機種比較表
大手キャリアは5G商用サービス開始と同時に5G対応機種も発表しています。
大手キャリアの5G対応機種はどのようなラインナップになっているのか、以下で一覧にしてみました。
機種選びの参考にしてください。
機種 | カメラ | ディプレイ | 価格 | ドコモ | au | ソフトバンク |
---|---|---|---|---|---|---|
Galaxy S20 5G | 約1,200万画素の超広角カメラ約1,200万画素の広角カメラ 約6,400万画素の望遠カメラ |
6.2インチ有機ELディスプレイ | 117,480円 | ○ | ○ | – |
Galaxy S20+ 5G | 約1,200万画素の超広角カメラ 約1,200万画素の広角カメラ 約6,400万画素の望遠カメラ TOFカメラ |
6.7インチ有機ELディスプレイ | 121,164円 | 2020年5月 | 2020年5月 | – |
Xperia 1 II | トリプルカメラ 1200万画素 |
6.5インチ有機ELディスプレイ | 121,455円 | 2020年4月 | 2020年5月 | – |
AQUOS R5G | 1,220万画素の標準カメラ 約4,800万画素の超広角カメラ 約1,220万画素の望遠カメラ |
6.5インチPro IGZO液晶ディスプレイ | 117,405円 | ○ | ○ | ○ |
arrows 5G | 約3,200万画素メインカメラ 約1,600万画素超広角レンズ 約4,800万画素広角レンズ 約800万画素望遠レンズ |
6.7インチ有機ELディスプレイ | 価格未定 | 2020年6月 | – | – |
OPPO Find X2 Pro | 約4,800万画素の標準カメラ 約4,800万画素の超広角カメラ 約1,300万画素の望遠カメラ |
6.7インチ有機ELディスプレイ | 価格未定 | – | 2020年7月 | 2020年7月 |
Mi 10 Lite 5G | 未発表 | 未発表 | 価格未定 | – | 2020年7月 | |
ZTE a1 | 約4,800万画素のメインカメラ 約800万画素の超広角カメラ 約200万画素のマクロカメラ |
6.5インチ液晶ディスプレイ | 価格未定 | – | 2020年7月 | ○ |
LG V60 ThinQ 5G | 約6400万画素メインカメラ 約1300万画素広角カメラ |
6.8インチ有機ELディスプレイ 2画面 |
価格未定 | 2020年4月 | – | 2020年4月 |
Xperia 1 IIと使いたいのであればドコモかau、LGの2画面スマホを使いたいのであればドコモかソフトバンク、OPPOやZTEの安価なスマホで十分という人はauかソフトバンクです。
使いたい端末によってキャリアを選ぶのもありかもしれません。
まとめ
ドコモ・au・ソフトバンクの大手3社の5Gについて比較してきました。
2020年3月末の段階で出揃った大手3社を料金、エリア、速度で比較すると以下のようになります。
ドコモ | au | ソフトバンク | |
---|---|---|---|
料金(割引後) | 4,480円 | 3,460円 | 4,480円 |
通信エリア | 公共施設やスタジアム、一部のドコモショップ | 地方都市の一部まで拡充 | 東京駅周辺部とその他のみ |
通信速度 | 下り最大3.4Gbps | 下り最大2.8Gbps | 下り最大2.0Gbps |
5Gの醍醐味である通信速度を重視するならNTTドコモです。
通信エリアや料金で選ぶならauです(家族割4人適用の場合のみ)。
ソフトバンクは残念ながら他の2社と比較したメリットはありません。
いずれにせよ、まだまだ全てのキャリアが通信エリアは超限定的であることは間違いありません。
そのキャリアにするのかは、今後通信エリアが整ってきた段階で検討しても全く遅くはなさそうです。