いよいよ、NTTドコモの5G商用サービス開始が発表されました。
サービス開始は2020年3月25日です。
NTTドコモの5Gサービスはソフトバンクよりはかなり実用的なものとなっており、エリアも機種も具体的なプランが発表されています。
さらに、5Gになって料金も上乗せになり、この点も実質無料で5Gサービスを提供するソフトバンクよりもより実用的になっています。
5G通信網に最も力を入れていたNTTドコモが5G商用サービスを発表したことによって、今後の5Gの普及の速度なども具体的に見えてきました。
NTTドコモユーザーではない方もドコモの5Gを知ることで、他のキャリアの今後も見えてくるでしょう。
発表されたNTTドコモの5G商用サービスやドコモが発表している5Gサービスの今後の動向について徹底的に解説していきます。
目次
ドコモ5Gは3月25日開始
ドコモ5Gは3月25日に開始されます。
5Gの料金形態は
- 5Gギガホ
- 5Gギガホライト
の2つの料金プランになっています。
本格的に高速大容量通信を楽しみたいという人のために、5Gギガホに関しては料金が上がり通信制限も多くなっています。
まずはドコモの5G料金体系について詳しく見ていきましょう。
5Gギガホの料金は7,650円/月
ドコモの5Gの主力料金プランである5Gギガホは月額7,560円です。
ギガホの特徴や通信容量などについて詳しく見ていきましょう。
ドコモの5Gギガホとは
ドコモ5Gギガホの特徴は以下の通りです。
- 通信容量:100GB
- 月額基本使用量:7,650円
- 通話:家族間通話無料(家族以外への通話30秒あたり20円)
4G LTE通信の料金プランであるギガホが5,980円で30GBが容量だったことと比較すると、5Gギガホは通信容量も料金もアップしていることが分かります。
なお、5Gギガホは当面の間は100GBという上限は撤廃され、国内通信無制限で利用することができます。
この点はソフトバンクなどと同じくお試し期間と言えるでしょう。
3つの割引適用で4,480円/月から利用可能
5Gギガホは通信料金だけで7,650円とかなりの高額です。
しかし、割引適用を受けることで、最大4,480円で利用することもできます。
割引内容と割引後の価格は以下の通りです。
5Gギガホ | 7,650円/月 |
---|---|
みんなドコモ割(3回線以上) | -1,000円/月 |
ドコモ光セット割 | -1,000円/月 |
5Gギガホ割 | -1,000円/月(最大6か月間) |
dカード支払い割 | -170円/月 |
支払い料金 | 4,480円/月 |
この中で、5Gギガホ割はドコモで5Gギガホに契約すれば誰でも適用になりますが、割引期間はたったの6ヶ月だけです。
その他の割引は適用条件が厳しいので、やはり5Gギガホの料金は通信網が整っていない現段階では高いと言わざるを得ない部分があります。
5Gギガホライトの料金は1,980円/月
5Gギガホが高いという人には5Gギガホライトというプランもあります。
5Gギガホライトは通信量に比例して料金が上がっていくというプランです。
通信料に応じた月額料金は以下のようになっています。
通信量 | 料金 |
---|---|
〜1GB | 1,980円 |
〜3GB | 2,480円 |
〜5GB | 2,980円 |
〜7GB | 3,980円 |
こちらは従来の4G LTEの料金プランの「ギガホライト」と変わらない料金、変わらない通信量となっています。
大容量通信の5Gでこの程度の通信料であれば、ほとんど実効性が薄いプランと言えますが、「とりあえず自分のスマホで5Gを体験してみたい」という人は、このプランでも現段階では十分かもしれません。
ドコモの5G通信速度は2段階で進化する
NTTドコモの通信速度は2段階で進化することも発表されています。
- サービス開始初期は下り最大3.4Gbps
- 6月以降は下り最大4.1Gbps
それぞれの速度がどの程度のものになるのか詳しく解説していきます。
サービス開始初期は下り最大3.4Gbps
ドコモはサービス開始初期は下り最大3.4Gbpsと発表しています。
4G LTEの最大速度が1.0Gbps程度ですので、ドコモの5Gは最初から4Gの3倍以上の速度を実現することができます。
実機の試験では1.2Gbps以上の速度が出たという話もあり、ドコモの5Gは最初からかなりの高速通信を体験することができそうです。
6月以降は下り最大4.1Gbps
また、ドコモは2020年6月以降の速度も発表しています。
2020年6月以降には下り最大4.1Gbpsとリリースしており、サービス開始からたったの3ヶ月でさらに速度はアップします。
5Gの理論値最大速度は下り20Gbpsと言われており、ドコモは超高速通信実現に向けて、着々を歩みを進めていると言えそうです。
ドコモの5G対応エリアは段階的に広がっていく
5Gに関して、多くの人が危惧していることが「自分の生活圏ではいつ5Gが利用できるようになるか」ということではないでしょうか?
5Gは電波が届く範囲が200mと狭いので、通信網の構築には相当の時間がかかると言われています。
ソフトバンクなどは、具体的な計画がほとんど出ないまま商用サービスを開始しましたが、NTTドコモは商用サービス開始発表の段階で、すでに5Gの通信エリアの計画を以下のように発表しています。
- 2020年3月末は全国150か所|生活圏では利用できない
- 2020年6月末に全都道府県に導入|生活圏の利用は難しい
- 2021年3月末に全政令指定都市に導入|都会では生活エリアにも5Gが
- 2021年3月末に500都市以上に導入|生活エリアでも普及が始まる
結論的に言えば、5Gが普通に生活の中で使えるようになるまでには最低でも1年以上の時間が必要になるでしょう。
それぞれの段階で、どの程度5Gが利用できるようになるのか詳しく解説していきます。
2020年3月末は全国150か所|生活圏では利用できない
サービス開始当初の2020年3月末時点でドコモ5Gが通信できるのは全国で150箇所です。
しかし、これは生活圏ではなく、一部の施設だけというイメージです。
首都圏で繋がるところは以下のような施設になります。
- オリンピックアクアティクスセンター 観客席
- 東京スタジアム 観客席、入場ゲート周辺
- 横浜国際総合競技場
- 羽田国際空港
- 東京スカイツリー
- 渋谷STREAM
- 渋谷スクランブルスクエア
- 山王パークタワー
この他、ドコモショップなどです。
このように、サービス開始当初に接続することができるのは、一部の人が集まる施設のみで生活圏では全く接続することができないと考えた方がよいでしょう。
この状況下で8,000円近くも支払って5Gギガホに加入するのは時期尚早のように感じます。
接続エリアについてはNTTドコモ5G通信利用可能施設・スポット一覧を参照してください。
2020年6月末に全都道府県に導入|生活圏の利用は難しい
ドコモは2020年6月末に全都道府県に導入することも発表しています。
しかし、この段階でも生活圏の利用は難しいと考えた方がよいでしょう。
おそらく、2020年6月末の段階では、全都道府県の駅や空港など人が集まるいずれかの場所に5Gが繋がるというだけです。
2020年3月時点で接続できるようなスポットが47都道府県に広がるだけになることが予想されます。
この段階では「47都道府県全ての人が5Gを体験できるようになる」というレベルに留まることを理解しておきましょう。
2021年3月末に全政令指定都市に導入|都会では生活エリアにも5Gが
2021年3月末に全政令指定都市に5Gが導入されると発表しています。
この段階でようやく、政令指定都市の中心部くらいでは5Gが普通に通信できるようになるでしょう。
政令指定都市の中心部で仕事や生活をしている人は日常生活の中で5Gが使えるようになる可能性が高いと考えられます。
2021年3月末に500都市以上に導入|生活エリアでも普及が始まる
そして、2021年3月末に500都市以上に導入としています。
日本の中には市が792ありますので、約60%の市に5Gが導入される見込みです。
ただし、この時点でも通信できるのは市の中心部のみで、市郊外などでは通信することは難しいでしょう。
ドコモ5Gを生活で利用できるのは2021年以降|高額プランは要検討
NTTドコモは2024年までに5Gの人口カバー率97%という目標を掲げており、この計画を2年前倒しにできたとしても、日本の中で人が居住している区域の大部分までカバーできるのは2022年ということになります。
都会に居住している人でも中心部でない限りは2021年いっぱいくらいまでは生活圏で利用することは難しく、地方在住者は2022年いっぱいくらいまでは生活圏で5Gを利用することは難しいかもしれません。
やはりこの段階で、8,000円近くの高額プランを契約するのは時期尚早と言えるのではないでしょうか?
気になるドコモの5G対応機種は?
ドコモの5G対応スマホはサービス開始時にはAQUOSとGalaxyの2機種のみです。
しかし、2月以降に順次5G対応機種を増やしていく予定で、6月までには8機種が出揃う見込みとなっています。
ドコモの5G対応機種について少し詳しく解説していきます。
サービス開始時はAQUOSとGalaxyの2機種のみ
ドコモの5G対応機種は、サービス開始時にはAQUOSとGalaxyの2機種のみです。
AQUOS R5G SH-51Aは日本で最初に発表された5G対応スマホで、8K動画再生に適した画面や、4800万画素のスーパーカメラなど、とにかく動画や写真に徹底的にこだわっています。
また、Galaxyは4眼カメラと超高精細の8K動画撮影が可能です。
4月以降6機種を投入予定
さらにドコモは4月から6月までに6機種の投入を発表しています。
- 4月下旬以降:LG V60 ThinQ 5G L-51A
- 4月下旬以降:Xperia 1 II SO-51A
- 5月下旬以降:Galaxy S20+ 5G SC-52A
- 6月下旬以降:arrows 5G F-51A
- 5月下旬以降:Wi-Fi STATION SH-52A
- 6月以降:Galaxy S20+ 5G Olympic Games Edition SC-52A
LGのようなリーズナブルな機種から、Galaxyのオリンピック限定モデル、さらには5G対応のWi-Fiルーターなども投入予定です。
まとめ
3月25日開始のドコモ5G。
対応エリアや速度など、今後の進捗も含めて、すでに発表されているソフトバンクよりもかなり具体的な5Gのサービス内容となっています。
ドコモに限ったことではありませんが、商用サービス開始当初の5Gは通信エリアが狭いことは否定できず、生活圏まで広がるまでにはまだだいぶ時間がかかりそうです。
この段階から8,000円近くの高額プランに加入することが適しているかどうかは判断が分かれるところでしょう。
体験してみたいという人はギガホライトでも十分な気がします。
いずれにせよ、日本最大のキャリアであるNTTドコモの5Gは3月25日にスタートします。
今後の動向も含めて他キャリアユーザーからも注目されることは間違いないでしょう。