2020年3月末、大手キャリアのNTTドコモ、au、ソフトバンクは 5Gの商用サービスをスタートさせました。
楽天モバイルは2020年4月にようやく4G LTEのMNOサービスをスタートさせたばかりです。
4G LTEすら限られたエリアでスタートする楽天モバイルですが、5Gに対しての具体的な動きがほとんど見えていないのが実情です。
楽天モバイルの5Gはどのような進捗を見せ、今後どのように発展していくのでしょう?
楽天モバイルの5Gに関する動きについて詳しく解説していきます。
目次
楽天モバイルとNEC|オープンRAN対応5G無線機の量産を開始
楽天モバイルは5Gに対して何も進めていないわけではありません。
2020年3月にNTTと提携して5G無線機を開発し出荷しており、すでに量産体制に入っています。
楽天モバイルは5Gサービス商用化に向けて着々と歩みを進めていることは間違いありません。
楽天モバイルとNTTが開発した無線機や楽天モバイルの5G投資計画について詳しく見ていきましょう。
楽天モバイルは基地局設置を加速
楽天モバイルはNTTと行動で開発した無線機を量産して、5G基地局設置を加速させるとの見込みです。
今回、量産を開始したアンテナは小型・軽量・低消費電力などの特徴を持っており、このアンテナで楽天モバイルは 5G基地局設置を東京からスタートさせ、エリア拡大を加速させる予定です。
2022年には5G投資が4G LTE投資を上回る
楽天モバイルは5Gへ積極的な投資を行なっていく計画です。
2019年は4Gへの投資だけで650億円と規模の小さなものでしたが、2021年くらいから5Gへの投資を拡大させていく予定で2022年の投資額の合計は1,450億円を上回る見込みです。
この時点で4G LTEへの投資額を5Gへの投資額が上回る予定になります。
今は全ての面で出遅れている楽天モバイルですが、2022年くらいからは私たちの生活圏でも少しずつ5Gが使えるようになるかもしれません。
楽天モバイルは宇宙からの5Gエリアカバーも視野
楽天モバイルは宇宙から5Gエリアカバーを行なっていくことも視野に入れています。
5Gは通信範囲が狭いので地上に基地局を設置していくことには膨大な手間と時間とお金がかかります。
1つの基地局が通信できる範囲は200mと言われているので、日本全国をカバーするためには膨大な時間とコストが必要になります。
そこで、楽天モバイルは宇宙から5Gのエリアを構築することを視野に入れています。
楽天モバイルは2020年3月3日に低軌道人工衛星の開発に取り組むアメリカのAST & Science(以下「AST」)と提携し、同社の筆頭株主となっています。
AST社が開発する人工衛星「SpaceMobile」は宇宙空間からLTEや5Gエリアを構築できるという特徴があります。
人工衛星「SpaceMobile」が理論通りに宇宙からLTEや5Gエリアを構築することができれば、楽天モバイルは地上に基地局を設置しなくても宇宙から日本全国を通信エリアとすることができます。
実際のところはどうなるのかは不透明ですが、楽天モバイルは2021年3月末までには日本全国を4Gのエリアカバー化を図るとしており、楽天モバイルの5Gもやがては日本全国で通信できるようになるでしょう。
楽天モバイルの5Gプロジェクトとは?
楽天モバイルは「楽天モバイルパートナープログラム」という名称で、楽天モバイルと共にさまざまなサービスを展開し、業種・業態を超えたパートナーとの共創で新たな挑戦・革新的サービス創造をすることを掲げています。
楽天モバイルパートナープログラムには「超高速・大容量」「超低遅延」「多数同時接続」を実現する「5Gプロジェクト」と、エンドツーエンドのテクノロジーソリューション創出を目指す「IoTプロジェクト」という2つのプロジェクトがあります。
今回は5Gプロジェクトで楽天モバイルがどのような取り組みを行なっているのかについて解説していきます。
楽天モバイルが募集するプロジェクトから見えるもの
楽天モバイルは「5Gプロジェクト」において以下の2つのプロジェクトを募集しています。
プロジェクト | スポーツプロジェクト | 配送プロジェクト |
---|---|---|
内容 | 大容量データ通信を活用した、スポーツビジネスの支援 | 大容量データ通信、および、低遅延機能を活用したモノの移動手段の拡充 |
例 | スポーツの観戦・応援体験サービス ファン×チーム間のコミュニケーション 等 |
ドローン・地上無人配送サービス 遠隔監視制御システム 等 |
楽天モバイルはスポーツの分野と配送の分野で一緒のビジネスを構築できるパートナーを探しているということです。
大手キャリアの5Gと言えば、スマホの通信がメインでしたが楽天モバイルは5Gを利用した地域貢献や社会インフラのイノベーションなどの分野の開拓を描いているものと考えられます。
では、楽天モバイルのパートナーになって企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
楽天モバイルパートナープログラム加入パートナーに提供されるサービス
楽天モバイルパートナープログラム加入パートナーに提供されるサービスとして、楽天モバイルは以下の4点を公表しています。
新技術導入支援 | 5G導入による新たなビジネス機会の創出を楽天モバイルが支援 |
---|---|
ネットワークアセスメント | 楽天クラウドイノベーションラボ」でのPoC、商用活用の実証実験を支援。5Gの技術検証、トライアル環境を楽天モバイルが提供 |
楽天アセットの活用支援 | 70を超える楽天グループのサービスとビジネス連携を楽天モバイルが支援 |
Co-working環境の提供 | パートナー間の強固なリレーションシップの形成により、早期マネタイズを目指すイノベーションの機会を楽天モバイルが提供 |
技術面から製品プロモーションの支援を受けることができる上に、5Gの実証実験や技術検証を行うことができます。
このように、楽天モバイルは個人よりも事業に対して5Gの展開ビジョンをより具体的に描いていると言えます。
では、楽天モバイルが私たち個人に5Gを提供できるようになるのはいつなのでしょうか?
楽天モバイルの5Gが一般化されるのはいつ?
楽天モバイルは順調に基地局を増やし、5Gプロジェクトによって企業との新たな付加価値のあるサービスを生み出して行こうとの試みをしてます。
しかし、私たち一般ユーザーにとって最も木になることは楽天モバイルの5Gが一般化されるのはいつなのか?ということではないでしょうか?
楽天モバイルの回線で5Gが使えるようになるまでには長い目で見た方がよさそうです。
楽天モバイルの5Gサービス開始は2020年6月予定
楽天モバイルの5Gサービス開始は2020年6月と発表しています。
ただし「2020年6月には何らかの形で開始する」と発表されているにすぎないので、おそらく一部の地域や施設だけで利用できるものに留まる可能性が高いと考えた方がよいでしょう。
「日本のどこかで2020年6月には楽天モバイル5Gが繋がるようになる」程度に理解しておけばよいでしょう。
楽天モバイル5Gの一般化には時間がかかる
楽天モバイルが5G投資を加速させるのは2021年からです。
そして、2022年に4Gへの投資額を抜く予定です。
楽天モバイルは4G LTEですら関東の一部地域のみしか自前の回線が繋がっていません。
この状況で2022年に4Gへの投資を追い抜いたとしても2022年にはほんの一部しか5Gは繋がらないと考えた方がよいでしょう。
生活の中で楽天モバイルに5Gが繋がるようになるのは2023年以降などになるのではないでしょうか?
楽天モバイルは4Gでも十分早い|安さと速さを求めるなら今がチャンス
楽天モバイルは4Gでも十分に速いと言われています。
他の大手キャリアと比較してダントツにユーザーが少ない楽天モバイルの回線は全く混み合っていないので、4Gでも十分に速い通信を実現することができるのです。
5Gの別料金プランを設定する可能性は低い
2020年6月に5Gサービスがスタートしたとしても、楽天モバイル5Gの通信エリアはごく一部ですので、ソフトバンクと同じように5Gの別料金プランを設定する可能性はないと思われます。
つまり、4G LTEの料金と同じプランで「繋がるところでは5Gを体験できる」のです。
5Gを体験したいだけなら楽天モバイルはメリットあり
5Gを体験したいだけなら楽天モバイルは非常にメリットがあります。
なぜなら、1年間は無料で利用できるからです。
つまり楽天モバイルは1年間は以下の3つのメリットを無料で享受することができます。
- 来店エリア内は無料
- エリア外はKDDIの回線が5GBまで無料
- 2020年6月以降は(おそらく)5Gも無料で体験できる
ドコモやKDDIやソフトバンクの5G通信エリアも非常に限られており、一部のエリアに行けば体感できるという程度のレベルです。
だとすれば1年間は無料で利用することができる楽天モバイルの方が料金的には明らかにメリットがあります。
無料会員は先着300万回線無料となっており、申し込みは早い者勝ちです。
大手キャリアの5Gが遅れている今だからこと楽天モバイルの1年間無料のプランはメリットがあります。
まとめ
あまり報道されませんが、楽天モバイルもNECと無線機を開発するなど、着々と5Gの開始に向けて準備を進めています。
楽天モバイルの5Gサービス開始は2020年6月の予定ですが、おそらく開始当初は「エリアに行けば体感できる」程度のもので、楽天モバイルの5Gが日常生活で繋がるまでには相当の時間がかかることが予想されます。
楽天モバイルは個人向けよりも法人向けの技術開発に力を入れているようです。
いすれにせよ、楽天モバイルは1年間は300万回線限定で無料となっています。
エリア内無制限、エリア外5GBまで使い放題で、さらに5Gがスタートすれば5Gも無料利用できるでしょう。
どうせ大手キャリアの5G通信エリアも日常では使えない程度の狭さです。
少なくとも1年間は無料でここまでできる楽天モバイルに圧倒的なメリットがあると言えるのではないでしょうか?