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5Gの経済効果は1300兆円以上?5Gで成長が見込まれる企業も紹介

5Gに関しては、高速大容量になり私たちの生活がいかに便利になるかばかりフォーカスさらている側面があります。

たしかに2023年くらいから、5Gは私たちの生活を本格的に変えるようになるでしょう。

生活を変えるほどの大きな変革があるということは、そこには新たな市場が生まれたり、なにかの産業が大きく成長するということでもあります。

そこで今回は5Gの経済効果について調べてみました。

5Gはどの程度の経済効果を生み出し、その中で恩恵を受けるのはどんな企業なのかも解説します。

5G関連銘柄に注目している投資家の方もぜひご覧ください。

5Gに接続されるスマホの台数予測

5Gに接続されるスマホの台数予測

5Gの多接続性は4Gの100倍になると言われています。

5Gの通信網の拡大に伴い、今よりも数倍のスマホが5Gに接続することができるようになることが見込まれています。

5G開始に伴い、どの程度のスマホが5Gに接続することができるようになるのでしょうか?

5Gへ接続する端末は5年で370倍に増える?

ドイツの統計オンラインポータルのStatistaによると、5Gに接続するスマホの台数は2019年から2024年までの5年間で約370倍に増加するとしています。

下記は2019年の接続台数から2024年まで接続台数の予測です。

2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
400万台 5,400万台 1億9,100万台 5億5,100万台 10億3,100万台 14億7,900万台

2019年の段階では、アメリカや韓国でしか5Gはスタートしていませんが、2020年から日本をはじめとした世界各国で5Gはスタートします。

そこから基地局の拡大共に、5Gへ接続する端末は劇的に増加していくことが予想されます。

これは単に接続できる端末が増えるだけではありません。

5Gに接続するためにはスマホ買い換えなければならないので、今後スマホを中心とした5Gへ接続できる端末が14億台以上販売される見込みということです。

つまり、5Gには最低でもスマホ14億台に相当する経済効果があるということが言えます。

5Gが生み出す経済効果は最大1,336兆円

5Gが生み出す経済効果は最大1,336兆円

総務省が発表した「IoT時代に向けた移動通信政策の動向」によると、5Gが生み出す経済効果は最大で1,336兆円と見込まれています。

これは、日本のGDPの2.5倍もの数字になり、5Gがもたらす経済的なインパクトの大きさが分かります。

もちろん、5G拡大に伴い便利になった分、淘汰される業界も出てくる見込みであるため、5Gがもたらす経済効果の分だけ経済成長するわけではありません。

むしろ5Gによって発展する業界が衰退する業界を飲み込んでしまうと言ったほうがいいでしょう。

では、どのような業界が5Gによって成長していくと見込まれるのでしょうか?

成長が期待される業界

5Gによって成長が期待される業界としては以下のような業界が挙げられます。

  • 工場(製造業)
  • 都市
  • ウェアラブル
  • 小売
  • 作業現場
  • 交通

などの業界です。

5G導入によって、オペレーションや在庫管理の最適化ができるようになれば、工場経営は非常に効率的になります。

また、交通コントロール、エネルギーマネージメントなどによるスマートシティ化の実現などによって都市開発の分野も成長が期待されています。

自動会計、配置最適化などが実現できるので小売業は効率的になり、自動運転などによって交通業界もより効率的になるでしょう。

5Gによって成長が期待されるのはこれだけでなく、医療や介護の現場でも5Gによる革新が期待されています。

実際に5Gが本格化すれば、私たちが今考えることもできないような産業でも大きな変革が起きるかもしれません。

5Gで成長が見込まれる企業

5Gで成長が見込まれる企業

最後に5Gで成長が見込まれる企業と、その会社がどのように5Gと関わり、5G拡大によって具体的にどのような成長を遂げる可能性があるのかについて紹介していきます。

今回紹介する企業は

  • キーサイトテクノロジーズ
  • ノキア
  • コーニング
  • ザイリンクス
  • ウォルトディズニー

の5社になります。

それぞれの企業の5Gとの関連性や成長性について詳しく見ていきましょう。

キーサイトテクノロジーズ

キーサイトテクノロジーズは電子計測器で世界最大手の企業です。

キーサイトの計測機器は、5Gに対応した製品が本当に5Gに対応しているのかなどということを確認するために使用されます。

今後IOT化に伴い、様々な機器が5Gへ接続できるように開発されます。

その開発現場での品質検査のためにキーサイトの機器は欠かすことができないので、5Gの発展に伴い伸びていくことが期待されています。

ノキア

ノキアは通信基地局の世界4大企業のうちの1社で、世界シェアは20%を誇っています。

今は日本をはじめとして世界中で5Gの基地局を設置しており、国内ではこの需要は2023年までに爆発的に増えていくことが予想されています。

5Gの需要が増えれば基地局設置の需要が高まることから、ノキアは5Gの拡大とともに大きな恩恵を受けることが期待されています。

コーニング

コーニングは光ファイバーで世界最大級のシェアを誇っている会社です。

5Gが普及すれば基地局同士をつなぐ光ファイバーの需要は大きく高まり、2017年から2027年にかけて光ファイバーの市場は3倍に拡大すると言われています。

この恩恵を受けることができるのが、光ファイバー世界最大級のコーニングです。

ザイリンクス

ザイリンクスは5G端末に使われる半導体FPGAを開発した会社です。

FPGAは計算速度がCPUやGPUよりも早く、回路を自在に規定・修正することができる半導体です。

ザイリンクスによると、「5Gのプレ端末の9割にザイリンクス社のFPGAが使われる」とされています。

今後5G普及に伴い、様々な次世代機器が開発されますが、そこにザイリンクスのFPGAが使用される可能性が高く、次世代機器の普及とともに、ザイリンクスのFPGAの需要は大きく高まっていくことが期待されています。

ウォルトディズニー

高速・大容量通信ができる5Gの普及に伴い、コンテンツのストリーミングサービス市場が大きく拡大することが予想されます。

Statistaの予測によると、世界のストリーミングサービス市場は2016年の約150億ドルから2022年には250億ドルへと100億ドル以上成長するとされています。

すでに強力なコンテンツをいくつも持っているウォルトディズニーはストリーミング市場の増加とともにさらなる成長が期待されています。

今後のディズニーは映画やテーマパーク以外にもストリーミングという収益の柱が生まれることが予想されているのです。

まとめ

5Gによって変化するのは私たちの生活だけではありません。

5Gの普及によって、経済構造が大きく変わることが予想されます。

国内の5Gの経済効果は最大1300兆円以上と言われていますが、日本全体の経済はそれほど大きく成長することはあり得ません。

つまり、産業構造が大きく変化し、大きく伸びる業界と淘汰される業界がはっきりと分かれるでしょう。

今後は5Gによる産業構造の変化も考慮してどの業界に恩恵があり、どの業界が厳しくなるのかをしっかりと見極めた上で投資先や就職先も決める必要があるでしょう。