「5Gなのに速くない」の多くは、4Gの設備を借りたNSAが原因です。本来の5Gが5G SA(スタンドアローン)で、下りはNSAの約1.7倍。大手3社は提供中、楽天モバイルは未提供です。
目次
結論:SAとNSAの違い
| 項目 | NSA | SA |
|---|---|---|
| コアネットワーク | 4Gを流用 | 5G専用(5GC) |
| 下り速度 | 基準 | 約1.7倍 |
| 上り速度 | 基準 | 約1.5倍 |
| 遅延 | 4G並み | 大幅に低減 |
| 4G混雑の影響 | 受ける | 受けない |
| ネットワークスライシング | × | ○ |
| エリア | 全国 | 拡大中 |
| 端末 | 5G対応機すべて | SA対応機のみ |
速度の倍率はOpensignalの国内実測分析。
キャリア別の提供状況(2026年9月)
| キャリア | 状況 | 使い始め方 | 料金 |
|---|---|---|---|
| ドコモ | 提供中。駅・スタジアムなど人の多い場所から拡大 | 「5G SA」の申し込みが必要 | 無料(2026/5/27〜。以前は月550円) |
| au | 提供中。全国のSub6エリアで利用可。8/25からpovo2.0も対応し全ブランドで利用可 | 対応端末・プランなら不要 | 無料 |
| ソフトバンク | 提供中。クラウドネイティブな5GC | 対応端末・プランなら不要 | 無料 |
| 楽天モバイル | 未提供 | — | — |
楽天モバイルは「2026年内に運用できる状態、ユーザー提供は2027年ごろ」(2026年3月・同社CEO)。2026年9月30日時点で開始日の発表はありません。
よくある落とし穴:ドコモでSA対応スマホなのにSAにならない → オプション未申し込みのことがあります。
SA基地局の数(2025年3月末・総務省)
| キャリア | SA対応 | 5G基地局 | SA化率 |
|---|---|---|---|
| ソフトバンク | 99,871局(+19,300) | 104,441局 | 95.6% |
| au(KDDI) | 40,627局(+26,823) | 110,037局 | 36.9% |
| ドコモ | 14,248局(+4,007) | 52,532局 | 27.1% |
| 楽天モバイル | 0局 | 35,108局 | 0% |
| 全国(他事業者含む) | 155,721局(+50,687) | 307,263局 | 50.7% |
局数が多い=速い、ではない
| キャリア | 転用周波数のSA | Sub6・ミリ波のSA | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ソフトバンク | 約42,700局 | 約57,100局 | SAにつながる範囲は広い。転用帯では速度が伸びにくい |
| au | 約7,300局 | 約33,000局 | SAエリア≒Sub6エリア |
| ドコモ | 約120局 | 約14,100局 | 範囲は狭いが、つながれば速度メリットが出やすい |
出典:総務省「令和7年度 電波の利用状況調査(概要版)」(令和8年1月)
SAで何ができるか
| 5Gの性能 | NSA | SA |
|---|---|---|
| 高速大容量(eMBB) | ○ 部分的 | ◎ |
| 超低遅延(URLLC・1ミリ秒級) | × 4Gコアが制約 | ◎ |
| 多数同時接続(mMTC・100万台/km²) | △ | ◎ |
| ネットワークスライシングの例 | 用途 |
|---|---|
| 低遅延レーン | 遠隔操作・自動運転・クラウドゲーム |
| 大容量レーン | 4K/8K配信・イベント会場 |
| 安定性レーン | 工場の制御・医療機器 |
1本の回線を用途別の専用レーンに分け、混雑時も品質を保つ技術です。
自分のスマホでSAを使う条件
| 条件 | ポイント |
|---|---|
| ① 端末 | SA対応機。2020〜2021年頃の初期5G機は非対応が多い |
| ② 契約 | ドコモは申し込みが必要。povoはSA対応SIMへの変更が必要な場合あり |
| ③ エリア | 都市部のSub6中心 |
体感差が出やすいのは大容量ダウンロード・アップロード・クラウドゲーム・混雑した場所。SNSやWeb閲覧では分かりにくいです。
ステータスバーの表示で見分けられるか(2026年10月)
「5G」と出ていてもSAとは限りません。ソフトバンクは2026年10月13日に公式サイトで表示の意味を整理して公開しました。重要なのは、「5G+」は周波数帯の話、「5G SA」はネットワーク方式の話で、まったく別のものを指している点です。
| 表示 | 意味 | 何の話か |
|---|---|---|
| 5G | 5Gで通信できる状態、または通信中 | —(SAかNSAかは分からない) |
| 5G+ | 5G向けの高速・大容量通信に適した周波数帯(Sub6またはミリ波)で通信中 | 周波数帯 |
| SoftBank 5G SA (ネットワークロゴ) |
ソフトバンクの5G SAネットワークに接続中 | ネットワーク方式 |
| アンテナマーク(4本) | 電波の強さ。本数が多いほど強く受信している | 受信強度。速度を保証するものではない |
| 事業者 | SA接続が画面で分かるか |
|---|---|
| ソフトバンク | 分かる。2026年9月29日から順次、5G SA対応のiPhone・iPadでSA接続中に「SoftBank」→「SoftBank 5G SA」に切り替わる。Androidは今後対応予定。同社は国内MNOで初の取り組みとしている |
| ドコモ・au・楽天モバイル | 同種の表示は確認できていない。「5G」表示だけではSAかどうか判別できない |
出典:ソフトバンクニュース「スマホに表示される『5G SA』『5G+』ってどんな意味?」(2026年10月13日)。表示仕様は事業者・機種・OSにより異なります。
周波数とSAの関係
| 周波数帯 | 速度 | エリア |
|---|---|---|
| 転用(700MHz〜1.7GHz) | 4G並み | 広い |
| Sub6(3.7/4.5GHz) | 数百Mbps〜1Gbps超 | 展開率75.5%(2025年3月末) |
| ミリ波(28GHz) | 数Gbps | 駅・スタジアムなど |
ミリ波は4社で設備を融通する方向へ(2026年9月)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表 | 2026年9月16日(覚書は9月11日締結) |
| 参加 | ドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天モバイル |
| 内容 | 各社が展開済みのミリ波基地局・中継器を相互に活用する技術・方式を共同検討 |
| 前提 | 各社が自らエリア展開を進めることは変わらない |
| 時期 | 実施時期・具体策は未公表 |
出典:NTTドコモ報道発表(2026年9月16日)。SAはネットワーク方式、ミリ波は周波数の話なので、この取り組みでSAの提供状況が変わるわけではありません。
よくある質問
Q. 追加料金はかかる?
かかりません。ドコモも2026年5月27日から無料です。
Q. 「5G」表示ならSA?
いいえ。多くはNSAです。ソフトバンクは2026年9月29日から、SA対応のiPhone・iPadでSA接続中に「SoftBank 5G SA」と表示する仕組みを始めました(国内キャリア初。反映まで最大約2週間、Androidは今後)。
Q. SAとミリ波は同じ?
別物。ミリ波は周波数、SAはネットワークの方式です。
Q. 楽天モバイルはいつ?
ユーザー提供は2027年ごろの見通しです。
まとめ
- SAはコアまで5G専用。下り約1.7倍・上り約1.5倍
- 大手3社とpovoは提供中。楽天モバイルは未提供
- 全国の5G基地局の50.7%がSA対応。ただし会社で差が大きい
- 使うには端末・契約・エリアの3つが必要
※出典:総務省「令和7年度 電波の利用状況調査」(2025年3月末時点・2026年1月公表)、Opensignal、NTTドコモ(5G SA無料化 2026年5月27日)、KDDI(povo2.0対応 2026年8月25日)。NTTドコモ(ミリ波の4社共同検討 2026年9月16日)。本記事は2026年9月13日に図表中心の構成へ再編集し、9月22日にミリ波の4社共同検討を追記したものです。2026年9月30日に各社の提供状況を再確認しました(変更なし)。2026年10月1日にソフトバンクの「SoftBank 5G SA」表示(2026年9月29日開始)を追記しました。
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