5Gは2020年3月に日本で商用サービスが始まり、2026年現在は契約数1億2,632万件・人口カバー率98.6%と、完全に「当たり前のインフラ」になりました。この記事では、5Gの仕組みから料金、エリア、産業応用、そして次の6Gまでを一気に解説します。
目次
5Gとは何か
5Gは「第5世代移動通信システム」の略で、4G(LTE)の次にあたる通信規格です。次の3つの性能を同時に実現することを目標に設計されました。
| 性能 | 内容 | 実現度(2026年) |
|---|---|---|
| 高速大容量(eMBB) | 4Gの数十倍の通信速度 | Sub6エリアで実現済み |
| 超低遅延(URLLC) | 1ミリ秒級の応答速度 | 5G SAの普及待ち |
| 多数同時接続(mMTC) | 1平方kmに100万台規模 | 5G SAの普及待ち |
3G・4G・5Gの違い
| 世代 | 最大速度(理論値) | 主な用途 | 2026年の状況 |
|---|---|---|---|
| 3G | 数Mbps〜14Mbps | 通話・メール・簡易Web | 全社終了(ドコモFOMAも2026年3月31日に終了) |
| 4G LTE | 1Gbps前後 | 動画・SNS・アプリ全般 | 現役。全国をカバーする基盤 |
| 5G | 20Gbps | 高精細動画・クラウドゲーム・IoT・産業応用 | 契約数1億2,632万件 |
5Gで使う3つの周波数帯
「5G」と一口に言っても、使っている電波によって速度はまったく違います。ここを知らないと「5Gなのに遅い」の理由が分かりません。
| 周波数帯 | 特徴 | 実効速度 | エリア |
|---|---|---|---|
| 転用周波数 (700MHz〜1.7GHz) |
4G用の帯域を5Gに転用。届きやすい | 4G並み | 広い |
| Sub6 (3.7GHz / 4.5GHz) |
5G本来の帯域 | 数百Mbps〜1Gbps超 | 展開率75.5% |
| ミリ波 (28GHz) |
超高速だが障害物に弱い | 数Gbps | 駅・スタジアム等の一部 |
アンテナに5Gと表示されていても、そこが転用周波数のエリアなら体感は4Gとほとんど変わりません。本来の速度が出るのはSub6以上のエリアです。
5Gのエリアはどこまで広がったか
- 人口カバー率98.6%(2025年度末・総務省)
- 都道府県別では神奈川・大阪・沖縄が99.9%、最も低い島根でも89.2%
- 基地局数30万2,118局(2024年度末・前年度比4万1,762局増)
数字の上ではほぼ全国をカバーしていますが、その多くは4G転用のエリアです。「速い5G」がどこまで来ているかを測る指標はSub6の展開率(75.5%)のほうです。
5Gの料金:追加料金なしが標準
2026年現在、5Gを使うのに専用プランや追加料金は必要ありません。5G対応端末を持っていれば、自動的に5Gにつながります。
| プラン | 月額(税込) | データ |
|---|---|---|
| 楽天モバイル Rakuten最強プラン | 1,078〜3,278円 | 段階制・無制限 |
| ahamo(ドコモ) | 2,970円 | 30GB+5分通話 |
| LINEMO(ソフトバンク) | 990円〜 | ベストプラン |
| povo2.0(au) | 0円+トッピング | 30GBなら2,780円 |
| ドコモMAX | 5,698〜8,448円 | 無制限 |
NSAとSA:5Gには2つの方式がある
現在広く使われている5GはNSA(ノンスタンドアローン)という方式で、電波は5Gですが通信の中枢設備は4Gのものを流用しています。そのため速度は上がっても、遅延の少なさという5Gの目玉は活かせません。
これを解消したのがSA(スタンドアローン)で、端末からコアネットワークまですべて5G専用です。Opensignal調べでは実測下り速度がNSAの約1.7倍。大手3社(ドコモ・au・ソフトバンク)が商用提供中で、エリアは都市部のSub6帯を中心に拡大の途上です。楽天モバイルはNSA中心で、SA導入に向けた整備段階にあります。なおSAを使うには、対応エリアだけでなく対応端末とプラン(またはSIM設定)が揃う必要があります。
5Gの産業応用
ローカル5G(工場・病院・農場・自治体が限定エリアで自営運用する5G網)を軸に、実導入が進んでいます。
| 用途 | 5Gが効く理由 |
|---|---|
| スマート工場 | SA+ネットワークスライシングで、無線でも有線並みの低遅延・安定性を確保 |
| 遠隔医療 | 診断・手術支援は映像遅延が致命的。SAの低遅延が前提条件 |
| 自動運転 | 車両・路側機間通信(V2X)はミリ秒単位の応答が必須。SA普及が鍵 |
5Gの安全性について
5Gの電波が健康に影響するという説が一時期広まりましたが、国際的な電波防護のガイドライン(ICNIRP)に基づく安全基準が設けられており、基準内の電波による健康影響は確認されていません。新型コロナウイルスと5Gを結びつける説も、WHOや各国当局によって明確に否定されています。
5Gの次:6Gへ
2030年ごろの実用化を目指し、6G(Beyond 5G)の研究開発が進んでいます。5Gの10倍以上の速度、さらに低い遅延、そして衛星まで含めた地上・非地上統合ネットワークが目標です。auのStarlink Directのような衛星直接通信は、その前哨戦とも言えます。
よくある質問
Q. 5Gを使うのに手続きは必要ですか?
不要です。5G対応端末と対応プランがあれば自動的につながります。追加料金もかかりません。
Q. 5Gにしたのに速くないのはなぜ?
4G周波数を転用したエリアの可能性が高いです。5G表示でも実効速度が4G並みになります。Sub6エリアなら数百Mbps以上が期待できます。
Q. 4Gのスマホは使えなくなりますか?
使えます。4Gのサービス終了は当面予定されていません。終了したのは3Gです。
Q. 5Gでバッテリーの減りが早くなりますか?
5G通信は電力を使うため、4Gより消費が増える傾向はあります。気になる場合は設定で5Gをオフにすることもできます。
まとめ
- 5Gは契約数1億2,632万件・人口カバー率98.6%まで普及した
- 「5Gなのに遅い」の原因は4G転用周波数のエリアであること
- 料金は全社で追加料金なしが標準
- 5G本来の低遅延を活かすにはSA方式の普及が必要
- 産業応用はローカル5Gを軸に実導入フェーズへ
※本記事は2026年8月時点の最新情報に更新したものです。料金・仕様・エリアは変更される場合があるため、最新情報は各社公式サイトをご確認ください。