6Gは2029年3月に仕様の第1版が完成し、商用化は2030年ごろの見通し。2026年は7GHz帯の屋外実証が始まった段階です。
目次
結論:6Gの現在地
| 項目 | 2026年9月時点 |
|---|---|
| 商用開始 | 2030年ごろが目標 |
| 仕様の完成 | 2029年3月(3GPP Release 21) |
| 主力周波数の候補 | 7.125〜8.4GHz(WRC-27で議論) |
| 最新の実証 | KDDIが7GHz帯で下り3.6Gbps |
| 今の体感を変えるもの | 6Gより5G SA |
5Gと6G、何が変わる?
| 項目 | 5G(現在) | 6G(2030年目標) |
|---|---|---|
| 通信速度 | 最大数Gbps級 | 100Gbps級(10倍以上) |
| 遅延 | 1ms前後(SA時) | さらに10分の1 |
| カバレッジ | 地上網が中心 | 空・海・宇宙(NTN)と統合 |
| 省電力 | 4Gからの改善途上 | 端末・基地局とも大幅改善 |
| AI | 運用の補助 | 無線自体に組み込む「AIネイティブ」 |
実証は「7GHz帯」で始まった
| 項目 | KDDI・KDDI総合研究所の実証 |
|---|---|
| 発表 | 2026年9月2日 |
| 実施 | 2026年8月18〜20日/ソウルのSamsung Electronics R&Dキャンパス(Samsung Research協力) |
| 速度 | 下り3.6Gbps(帯域幅100MHz、100MHz幅では世界最高水準) |
| 技術 | アンテナ素子1,000超のExtreme Massive MIMO+1024QAM(256QAM比では3.0Gbps→3.6Gbpsに向上) |
| エリア | 同じ場所のSub6と同等のカバレッジ |
ポイント:注目は速度よりエリア。ミリ波の「届きにくい」弱点を克服する見通しです。
| 項目 | ソフトバンク・Nokiaの実証 |
|---|---|
| 開始 | 2025年6月(7月8日発表)。国内の通信事業者で初の7GHz帯屋外実証 |
| 場所 | 東京・銀座4〜8丁目(200m×500m) |
| 結果(2025年11月報告) | 3.9GHz帯と同じマクロ基地局方式で十分なエリアを構築できることを確認。試験エリアの99%で受信電力−120dBm以上 |
| 課題 | 見通し外ではSub6より伝搬損失が約9.7dB大きい |
標準化の日程が確定
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2020年 | 総務省「Beyond 5G推進戦略」(研究開発・社会実装・知財標準化・海外展開) |
| 2023年 | ITU-R勧告「M.2160」でIMT-2030(6G)の全体像を採択 |
| 2027年 | WRC-27で6G周波数を議論 |
| 2030年 | 各国で商用開始を目標 |
ポイント:6Gスマホが店頭に並ぶのは早くても2030年前後。「2027年に6G開始」は根拠がありません。
出典:総務省「Beyond 5G推進戦略-6Gへのロードマップ-」、ITU-R勧告 M.2160、3GPP Release 21 タイムライン、ソフトバンク「6Gの未来を広げる周波数『7GHz帯』実証実験で新たな通信エリアを構築」(https://www.softbank.jp/corp/technology/research/topics/180/ )
6Gの周波数(WRC-27)
| 候補帯域 | 位置づけ |
|---|---|
| 4.4〜4.8GHz | Sub6の延長。既存設備を活かしやすい |
| 7.125〜8.4GHz | 主力候補。KDDI・ソフトバンクが実証中 |
| 14.8〜15.35GHz | 帯域幅は広いが到達距離は短い |
WRC-23(2023年11月)で6425〜7025MHzと7025〜7125MHzを特定済み。日本では後者の100MHz幅が5G/6Gに使える可能性があります。
すでに始まった「前哨戦」
| 分野 | 事例 |
|---|---|
| 衛星直接通信 | 「au Starlink Direct」で圏外でもメッセージ等が使える |
| AIの取り込み | ドコモ×VIAVI(2026年3月2日):東京駅周辺のデジタルツインでAIがビーム制御、スループット最大約20%改善 |
8つのビーム候補の選択で測定信号を減らしても同等精度。その分データ通信に使える無線リソースが増えます。
6Gが変えると言われる分野:
- XR・デジタルツイン
- 完全自動運転
- 電波センシング
日本の研究開発支援
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基金 | 総務省が2023年3月、NICTに造成(Beyond 5G(6G)基金事業) |
| 要素技術・シーズ創出型 | 1件あたり年間最大7,000万円 |
| 電波有効利用研究開発 | 研究開発期間内の総額上限30億円 |
| 5Gとの違い | 標準化への関与を国が資金で支援 |
「6Gも期待外れ?」への答え
| 5Gで起きたこと | 6Gではどうか |
|---|---|
| ミリ波のエリアが広がらない | 変わる可能性。7GHz帯でSub6並みのエリアを実証 |
| 当初NSAで本来の機能が出ない | 懸念は残る。初期は5G設備との併用の公算大 |
| 個人向けの用途が伝わらない | ほぼ同じ。センシング等は産業用途中心 |
| 料金は上がり速度の実感なし | 未定。6G単独の料金体系は未発表 |
ポイント:6Gは5Gの弱点を埋める延長線上の更新と捉えるのが実態に近いです。
まずは5G SAの成熟が先
| 5G基地局(2025年3月末・総務省) | 局数 |
|---|---|
| 全国の5G基地局 | 30万2,118局 |
| うちSA対応 | 15万5,721局 |
| ソフトバンクのSA対応 | 99,871局(ほぼ全数) |
| 楽天モバイルのSA対応 | 0局 |
よくある質問
Q. 6Gはいつから使える?
目標は2030年ごろ。仕様完成(2029年3月)より前の一般提供は考えにくいです。
Q. 今のスマホは6Gで使えなくなる?
なりません。5Gは6G開始後も長く併用されます。
Q. 6Gで料金は上がる?
6G固有の料金は未発表。4G→5Gでは値上げ理由の一つにされました。
Q. テラヘルツ波は使われない?
到達距離が極端に短く、当面は近距離の超大容量伝送などに限られる見込みです。
まとめ
- 6G仕様は2029年3月に完成、商用は2030年ごろ
- 主力候補は7GHz帯。Sub6並みのエリアを実証
- 当面の体感を変えるのは6Gより自分のキャリアの5G SA対応
※本記事は2020年公開の記事を、2026年9月時点の情報に更新したものです。2026年9月13日に図表中心の構成へ再編集し、9月23日にソフトバンクの7GHz帯実証の開始時期(2025年6月)を訂正して結果を追記しました。料金・仕様は変更される場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。