【2026年10月 追記】
本記事は2020年当時の噂の検証です。5G基地局は30万2,118局(2025年3月末)、人口カバー率は98.6%(2025年度末)に拡大(目標は2030年度末に全国99%)。政策の焦点は5G SAと6G(Beyond 5G)に移っています。
2020年に拡散した「インターネット税(1人1,000円)」はデマです。実際の負担はユニバーサルサービス料の2.2円という数円単位にとどまりました。
目次
結論:噂と実態
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 噂 | ネット利用者から1人1,000円を徴収 |
| 総務省 | 「検討すらしていない」と否定 |
| 本当の発端 | 2019年11月のユニバーサルサービス料の政策提言 |
| 2026年の実態 | 電話版 月2.2円/ブロードバンド版 2026年分は年2.2円 |
| 5G利用料 | 大手4社とも追加料金なし |
噂が広がった経緯
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2020年1月20日 | 「総務省が光回線維持で負担金制度検討」と新聞報道(「インターネット税」の語はなし) |
| 同日〜1月22日 | SNSで「1人1,000円徴収」等の憶測が拡散、トレンド入り |
| 拡散後 | ワイドショーも「インターネット税」の語で報道し炎上拡大 |
発端の産経新聞記事の要旨は「2020年代半ばにもネット利用者から広く薄く徴収し、不採算地域の光回線事業者に交付金」。「税金」の文言はありません。
本当の発端:ユニバーサルサービス料
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 仕組み | 地方でも加入電話を維持する負担金。電話代に上乗せ |
| 2019年11月の提言 | 光回線等のブロードバンドも対象に含める案(当時は前進なし) |
| 当時の想定額 | 1人あたり月2円程度 |
お金の流れを図で整理
| 項目 | 電波利用料 | ユニバーサルサービス料 |
|---|---|---|
| 納付者 | 無線局免許人(携帯会社・放送局など) | 通信事業者(料金に上乗せ) |
| 使いみち | 電波監視、基地局整備補助、研究開発 | 不採算地域の電話・ブロードバンド網維持 |
| 利用者の直接負担 | なし(料金に間接反映) | 数円が料金に上乗せ |
2026年1月、実際に始まった負担金
| 項目 | 電話ユニバーサルサービス料 | ブロードバンドユニバーサルサービス料 |
|---|---|---|
| 対象 | 固定電話・公衆電話など | 光回線、5G/4Gの携帯回線も含む |
| 開始 | 既存の制度 | 2026年1月1日(改正電気通信事業法) |
| 〜2025年12月利用分 | 3.3円(税込)/月 | 制度未施行 |
| 2026年1月利用分〜 | 2.2円(税込)/月 | 2.2円(税込)/年(2026年分) |
| 請求 | 毎月の利用料金に加算 | 2026年は年1回。ドコモ・NTT東西は3月利用分(4月請求)、ソフトバンクは締め日により3月または4月利用分 |
| 2027年以降 | 2027年1月以降の番号単価は2円で前年と同額(電気通信事業者協会が2026年9月24日に算定・総務大臣へ認可申請)。利用者への請求額は各社の告知待ち | 額・請求時期とも未定(支援機関=電気通信事業者協会が公表予定) |
ポイント:どちらも国が「税」として直接徴収する仕組みではありません。事業者が料金に上乗せし、離島・山間地の通信網維持に充てます。
5G整備費用は誰が負担?
電波利用料:年およそ728億円
総務省所管。電波の共通経費を無線局の免許人(携帯会社・放送局・アマチュア無線局など)が負担します。
| 使途の例(令和8年度当初予算) | 内容 |
|---|---|
| 電波監視業務 | 不法電波の監視など |
| 研究開発 | 周波数ひっ迫対策、Beyond 5G/6G基金事業など |
| 無線システム普及支援 | デジタルインフラ整備推進、携帯電話基地局強靱化対策など |
| 電波の安全性 | 生体影響の調査・評価 |
| 電波伝搬の観測・分析 | ひまわり10号搭載機器の開発を含む |
出典:総務省 電波利用ポータル「電波利用料制度の目的等」
| 年度 | 歳入決算 | 歳出決算 |
|---|---|---|
| 令和2年度(2020年度) | 720.5億円 | 719.8億円 |
| 令和3年度(2021年度) | 748.1億円 | 996.0億円 |
| 令和4年度(2022年度) | 740.4億円 | 857.4億円 |
| 令和5年度(2023年度) | 718.2億円 | 795.4億円 |
| 令和6年度(2024年度) | 727.9億円 | 709.4億円 |
出典:総務省 電波利用ポータル「電波利用料の歳入・歳出状況」(2026年9月12日確認)。歳出に翌年度繰越額は含まず。料額は改正電波法(令和7年法律第27号、2025年4月18日成立)により同年10月から見直し(事業者の納付額の変更で、利用者への課税ではない)。
整備費用の本体は各社の設備投資
| 事業者(移動通信) | 2024年度の設備投資額 |
|---|---|
| NTTドコモ | 5,552億円 |
| KDDI(モバイル) | 3,834億円 |
| ソフトバンク(移動通信) | 2,618億円 |
| 楽天モバイル | 930億円 |
出典:MCA「主要キャリアのネットワーク投資戦略と通信インフラ市場 2025年版」。通信インフラ全体では2025年度に前年度比13.2%増の2兆6,211億円が計画。
規模の比較:「1人1,000円」×1億2,000万人=年1,200億円。電波利用料全体(約728億円)の1.6倍だが、ドコモ1社の投資額にも届かない。
- 設備投資は各社の通信料金を通じて回収
- 2025年以降の大手3社の値上げは、その回収圧力とも読める。2026年12月1日にもドコモがeximo・irumoなどを110〜550円改定し、ahamoは40GB・3,135円の3段階制に移る(ドコモ 2026年9月25日発表)。いずれも税ではなく各社の料金改定
- 税ではないので、プラン・ブランドの選び替えで負担を減らせる
5Gに追加料金はかからない
| プラン | 月額(税込) | 5G利用料 |
|---|---|---|
| ahamo | 2,970円/30GB(11/30まで増量で40GB。12/1から40GB・3,135円) | なし |
| povo2.0 | 基本料0円+トッピング(30GB/30日で2,780円) | なし |
| LINEMO | 990円〜 | なし |
| 楽天モバイル | 1,078円〜3,278円(段階制・上限で無制限) | なし |
楽天モバイル
5Gの追加料金は0円。無制限で3,278円
データ無制限で月額3,278円(税込)。使わない月は1,078円まで自動で下がる段階制で、5G通信に追加料金はかかりません。
よくある質問
Q. 「インターネット税」は導入された?
されていません。2026年10月時点でも、ネット利用そのものへの課税制度はありません。
Q. 請求書の「ユニバーサルサービス料」がそれでは?
別物です。不採算地域の通信網維持の分担金で、電話版は月2.2円、ブロードバンド版は2026年分が年1回2.2円です。
Q. 5Gだと4Gより料金が上がる?
上がりません。対応端末とエリアがそろえば自動で5Gにつながります。
Q. 電波利用料は自分も払っている?
納めるのは携帯会社などの免許人。料金に間接的に含まれますが、請求書の項目にはなりません。
まとめ
- 「インターネット税(1人1,000円)」はデマ。総務省も否定
- 発端は2019年のユニバーサルサービス料の政策提言
- 2026年1月〜:電話版月2.2円、ブロードバンド版2026年分は年2.2円
- 5G整備の本体は各社の設備投資。5G利用に追加料金なし
※本記事は2020年1月公開の記事を2026年9月25日時点の情報に更新したものです。出典:総務省 電波利用ポータル(歳入・歳出状況、使途)、電気通信事業者協会「令和9年1月以降の番号単価の算定について」(2026年9月24日)、NTTドコモ「ブロードバンドユニバーサルサービス料のご負担について」(2025年12月17日)、ソフトバンク公式、総務省「5Gの整備状況(令和7年度末)」(2026年7月27日公表)、「新たな目標に基づく5Gインフラの整備状況(令和6年度末)」。2026年9月13日に図表中心の構成へ再編集し、9月18日にユニバーサルサービス料(電話 月2.2円/ブロードバンド 2026年分 年2.2円)に変更がないことを再確認し、9月25日に2027年1月以降の番号単価(2円・据え置き)を追記しました。2026年10月6日に、電話版 月2.2円/ブロードバンド版 2026年分 年2.2円に変更がないこと(電気通信事業者協会・NTT東日本の公表を確認。2027年1月以降の番号単価は認可申請中で、利用者への請求額は各社の告知待ち)を再確認し、12月1日のドコモの料金改定を追記しました。