「この世はすでに仮想現実になっている」
「人類は仮想現実になって滅びる。実はすでに滅びている」
「人類は仮想現実の世界で永久に生き続ける」
など、都市伝説に近いような仮想現実の話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
仮想現実世界になって、人類が将来的にどうなるのかは分かりません。
しかし、1つだけ分かっていることがあります。
それは、5Gが本格的に普及すると仮想現実の世界は実現するということです。
5Gはどのようにして仮想現実の世界を実現するのでしょうか?
また、仮想現実空間で私たちは何ができるのでしょうか?
5Gと仮想現実について詳しく考えていきます。
目次
この世はすでに仮想現実?
アメリカを中心として、この世はすでに仮想現実空間になっているという意見がかなり強く主張されています。
カルトのようなマイナーな意見だと思った方も多いと思いますが、この説はアメリカの大富豪が唱えており、アメリカではそれなりに市民権を持った意見です。
世界はすでに仮想現実化しているという意見について少し詳しく解説していきます。
アメリカでは多くの大富豪が主張
アメリカではイーロン・マスクなどの大富豪が、この世で現実として経験するのはすべてコンピューターによるねつ造であると主張しています。
実際に、バンク・オブ・アメリカのアナリストまでもが「人類がマトリックス的な仮想空間を生きている確率は実に50%に上る」と発表しているほどです。
シリコンバレーでは、多くの富豪が仮想現実から抜け出す方法を探るために私財を投じて科学者を雇っており、アメリカでは「この世はすでに仮想現実である」という意見はそれほどマイノリティな意見ではありません。
どこかの時点で現実と仮想現実との区別はつかなくなる
AIもテクノロジーも大きく進歩した今、どこかのタイミングで人類の肉体と仮想現実が融合すれば、未来のどこかの時点で現実と仮想現実の区別はつかなくなると言われています。
すでに仮想現実の世界が始まっているかどうかは分かりませんが、5Gが本格的になると、技術的には「どこかの時点」の入り口に人類が立つことだけは間違いなさそうです。
5G時代が本格的に到来すると、スマホやコンピューターと人が融合してニューロリンク(NeuraLink)によって人間の脳と端末が繋がり、人間は仮想空間の中で生きることができる時代が本当に到来するかもしれません。
もしかしたらすでに今が仮想空間なのかもしれませんが、少なくとも5Gが本格化すればその時代の到来が大きく近づくことは確かでしょう。
5Gで実現可能な仮想現実に必要不可欠な2つの要素とは
アメリカで言われている意見が本当かどうかは分かりません。
そして、すでにこの世が仮想現実だった場合には、それを証明する術はありません。
しかし、5Gの世界では仮想現実を実現することができるので、将来的には「どこかの時点で現実と仮想現実との区別はつかなくなる」かもしれません。
5Gでは仮想現実に必要不可欠以下の2つの要素を実現することができます。
- 多くの人の仮想空間への接続
- 仮想空間で起こったことへの肉感的な体験
5Gが実現する2つの要素について詳しく解説します。
仮想空間へ多くの人が接続できる
5Gになると仮想空間に多くの人が接続することができるようになります。
これまでもVRゴーグルをつければ、あたかもVR空間の中に存在するような気持ちになります。
つまり、これまでもすでにVR空間は用意されていました。
5Gの時代になると、この仮想空間に多くの人が接続することができ、1つの仮想空間で他人で出会うことができるようになるのです。
仮想空間で起こったことを肉感的に体験できる
さらに5G時代が本格的に到来すると、仮想空間で行なったことを肌感覚で感じることができるようになります。
今は、VRのゴーグルをつけてもそこにいるように「見える」だけで、起こったことの痛みや柔らかさ、暑さ、寒さなどを感じることはできません。
ここに5Gの技術が加わると、仮想現実空間の中で起こったことが実際に肌感覚として伝わるようになります。
空間の中で存在することができ、そしてそこで起こった感触まで伝わるようになるのであれば、まさに仮想空間の中に存在していると言っても過言ではない世界が現実のものになる可能性が高いのです。
では、5Gはどのようにして、このような仮想現実を作ることができるのでしょうか?
5Gで実現できる仮想現実空間
5Gで実現できる仮想現実空間とはどのようなものなのでしょうか?
正確に言えば、空間自体は5Gとは無関係ですでに実現することができる技術です。
5Gになると、この空間に多くの人が接続することができるようになります。
仮想空間とはどのようなもので、なぜ5Gになると仮想空間に多くの人が接続できるのか、詳しく見ていきましょう。
VRで仮想空間を体感
まずは、サーバー上に作成された仮想空間に、VRゴーグルをつけて入ります。
VRゴーグルをつけたことがある人はお分かりだと思いますが、VRをつけて仮想空間に入ることによって視点は360度仮想空間になり、我々はあたかも仮想空間の中に存在するように感じることができます。
5Gの多接続性で多くの人が仮想空間に接続できる
5Gは4Gの100倍の多接続性を持っています。
そのため、今の100倍の数の端末が同時に接続することができます。
これによって多くの人が仮想空間に接続することができ、人は仮想空間の中で出会うことができます。
仮想空間の中では、アバターになることもできるでしょうし、実際の人物を投影した姿になることもできるでしょう。
5G時代になると、作られた仮想空間の中で人と人が出会い話すことができるようになるのです。
新型コロナウイルス感染防止のためにZOOM飲みやWEB飲みなどという言葉が登場し、人はオンライン上のカメラ越しに顔を合わせてお酒を飲んだり話したりしました。
しかし、今後は人々は物理的に直接合わなくても仮想空間上で直接会うことができるようになるでしょう。
視覚と肉体が別の場所に
仮想現実空間に入った人は、視覚的な意識は仮想現実空間の中にあります。
しかし肉体は別の場所にあります。
5Gの多接続性によって、まさに仮想現実空間の中で生きていると言っても過言ではないような状況は現実のものとなるでしょう。
しかし、これだけでは仮想現実とまではいきません。
5Gが仮想現実を作り出すにはもう1つ大切なピースがあります。
それが感覚です。
5Gでは感覚までも伝達できる
同じ空間に多くの人が接続して、空間の中で他人を体験を共有できるのであれば、これまでのオンラインゲームとそれほど多くは変わりません。
しかし、5Gでは感覚までもを伝達することができます。
具体的にはハプティクスという遠隔医療などで使われる技術を仮想現実に応用することでよりリアルな仮想現実を実現することができます。
仮想現実をよりリアルなものにする感覚の伝達について詳しく解説していきます。
ハプティクスで触感を伝達可能
5Gにはハプティクスという技術があります。
ハプティクスとは、離れた所の感覚を伝える技術です。
例えば、遠くのロボットアームで触った感覚を、遠隔地でグローブをはめている人に伝えることができます。
反対に、グローブの感覚通りにタイムラグなくロボットアームを動かすことも可能です。
この技術をハプティクスと言います。
ハプティクスを利用すれば、遠隔地にいる医師がロボットアームで遠隔地の患者を手術することも可能です。
これは5Gによって以下の2つを実現できるため開発できた技術です。
- 高速大容量で感覚のデータを送受信することができる
- 遅延が圧倒的に少ないので、時間的に遅れなく今触っているものを自分が触っているように伝えることができる
この技術は仮想現実空間でも必ず応用できます。
仮想現実で起きた感覚をハプティクスによって肉体に伝えることによって、仮想空間で起きたことが肉体的な感覚で感じることができるのです。
仮想空間で殴られれば痛みを感じることもできるでしょうし、仮想空間が寒いなら寒さを感じることもできるでしょう。
このようにハプティクスの技術を応用すれば人は仮想空間で起きたことを感覚として感じることができるようになるのです。
肉体的に離れた場所の人とも触れることができる
仮想空間によって作られた世界で人に会い、そして会っている人と触れてその感覚を感じることができるのであれば、それはもはや現実と変わりありません。
仮想空間の中で恋愛をして、仮想空間の中で肉体的なセックスができるということです。
仮想空間の中で殺し合いや戦争ができてしまう可能性も否定できません。
ここがイーロン・マスク達が主張するような「未来のどこかの時点で現実と仮想現実の区別はつかなくなる」というポイントでしょう。
嘘のような話ですが、5G時代が本格的に到来すると、人は食べることと排泄すること以外のほとんどのこと、特に他人とのコミュニケーションに関しては現実と変わりなく仮想空間の中で行うことができるようになるでしょう。
5Gによってやがて仮想現実は現実のものになる
5Gの時代が本格的に到来すると、仮想空間に多くの人が接続できるようになり、仮想空間の中で起こったことが現実のように感じることができるようになります。
仮想空間の中で人に出会い、その人との触れ合いも肉感的に感じることができるようになります。
まさに現実と仮想空間の区別が曖昧になる時代が5Gの普及とともに本格的に実現することになるでしょう。
その先にあるのが人類の永続なのか破滅なのかは分かりませんが、5Gによって私たち人類はまた新たな領域へと足を踏み入れるであろうことは間違いないと言えそうです。