2020年8月9日、渋谷でクラスターフェスなるものが開催され、大きな話題と大批判を呼びました。
マスク無着用で渋谷ハチ公前に集まり、挙げ句の果てにはマスク無着用で山手線に乗り込む、迷惑を超えてテロとも思えるような蛮行に批判が殺到しています。
しかし、これは「コロナは風邪」との主張とは別に、以前から当メディアでお伝えしている「新型コロナウイルスは5Gが広げている」との信仰も関係しているようです。
非常識の極みのクラスターフェスの概要と、クラスターフェスと5Gとコロナの関係について解説します。
目次
批判殺到のクラスターフェスとは?
クラスターフェスとは「コロナはただの風邪」と主張する政治団体主催の渋谷で行われた集会です。
集会だけならまだしも、ノーマスクで山手線に乗車するという蛮行を働き大きな批判の的となっています。
クラスターフェスの内容についてまずは解説していきましょう。
渋谷のハチ公前にて集会
8月9日、渋谷のハチ公前にて、クラスターフェスなる集会が行われました。
「× マスク」
「× ソーシャルディスタンス」 「× 3密を避ける」 「× 自粛」 必要なし |
と掲げたプラカードを掲げ、ノーマスクで人が集まり、マスクをしないことや自粛をしないことを呼びかけました。
このクラスターフェスは過去にも行われており既に数回行われており、自粛要請やマスクに反対した運動で、潰れかけのクラブハウスなどを救おうとしているというのが名目になっているようです。
マスクなしで山手線1週デモ
3密を避けて、ノーマスクの集団であるだけであれば「勝手にやれば?」という話かもしれません。
しかし、このデモに対して批判が殺到したのは50人くらいの集団でマスクなしで山手線一周デモを敢行する計画と立てたことです。
実際にはこのデモは中止されましたが、参加者の一部と思われる人がノーマスクで電車に乗る様子がいくつもSNS上にアップされています。
参加者の中に感染者が存在したら他の乗客にも感染るわけであり、この行為はバイオテロと言っても過言ではありません。
この行為にはネットで炎上し、地上波でも大きく取り上げられる事態になり、主催者である「国民主権党」やその代表者の「平塚正幸」という名前は一気に有名になりました。
主催者は都知事選出馬の平塚正幸氏
このデモという名のバイオテロを主催しているのは、2020年7月の東京都知事選に「コロナはただの風邪」というポスターでそれなりに注目された国民主権党とその代表の平塚正幸氏です。
平塚氏は以前から「新型コロナウイルスというのはメディアが作り出したもの」などと陰謀論を展開し、都知事選の政見放送の収録でMXテレビにノーマスクで訪問した際に、受付で「マスクを着用しないと中には入れません」と断られるとMXテレビの前で抗議の選挙運動を展開したり、マスクを着用しないと入店できないユニクロへノーマスクで入店し、追い出される様子をYouTubeで公開するなどしています。
平塚氏は元々はNHKから国民を守る党から2019年の参議院選挙神奈川選挙区の候補者として出馬し、その後党内部でもめたことから離党。
N国離党後に国民主権党を立ち上げ党首となっているため、手法もN国の立花氏と酷似しています。
「ノーマスク・山手線」動画は6,500件もの低評価
そして、8月9日のデモ終了後、マスク無着用で仲間たちと車内に乗り込む様子をYouTubeで公開した「ノーマスク・山手線」と題した動画はたった1日で6,500件もの低評価を記録し、ネット上は炎上。
地上波でもTBS系の『あさチャン!』でクラスターデモが特集され、日本国中から非難されることとなっています。
クラスターフェスに集まるのは5G反対論者?
実はクラスターフェスに参加した人の中には5Gに反対したり、5Gと新型コロナウイルスの関係性を訴えるTシャツを着た人が多数存在します。
つまり、「新型コロナウイルスは5Gが原因」と主張する世界的に広がっている一部の誤った陰謀論の賛同者がクラスターフェスに参加していたことは事実のようです。
クラスターフェスと5G陰謀論を主張する人間の関係性はいかなるものなのでしょうか?
5G反対のTシャツを着た人が
クラスターフェスで当メディアが注目したのは下記の写真です。
Tシャツの背中には「目を覚ませ。コロナはフェイク。ニュースもフェイク。コロナの正体5G」と記載されています。
そうです。クラスターフェスの参加者には世界中で跋扈して、海外では電波塔を放火する事件にまで発展している、5Gの危険性を唱え「新型コロナウイルスは5Gが感染を広げている」という陰謀論を信じている人が参加しているのです。
代表者はコロナと5Gの関連性を否定
なお、クラスターフェスの主催者である平塚氏は自身のYouTube内で、コロナと5Gの関係を否定しています。
なぜなら、彼の持論では新型コロナウイルス自体がフェイクなのだから5Gとの直接的な関連性はあるはずもない。という論理だからです。
しかし、平塚氏も「5Gのような高周波の電波が人体へ悪影響を及ぼし、免疫力を低下させる」と一般の5Gの危険性論者が唱える理屈は主張しています。
ちなみに、いずれも科学的根拠のない話だということは頭に入れておきましょう。
5G反対論者の主張
5Gがコロナの原因と主張する人たちにとって見れば、クラスターフェスへの参加はある意味合理性があるといえます。
科学的な根拠がないことは明白ですが、5G反対論者がクラスターフェスに参加する理由はどのようなものなのか考えていきましょう。
コロナは5Gが原因
5G反対論者は新型コロナウイルスの感染拡大は5Gの開始が原因だというものです。
理由を単純に言えば、5Gの開始エリアと新型コロナウイルスの感染拡大エリアが酷似しているためだというものです。
単純に人が多いところから5Gがスタートし、人が多いところから感染が拡大したというだけの関連性だと考えるのが自然ですが、彼らの主な論拠はそのようになっています。
ちなみに新型コロナウイルスの感染が比較的早期に始まったイランでは、5Gはスタートしていません。。
他にも都市伝説としか思えないような論拠も多数です。
なお、これらの主張は以下の記事に詳しくまとめてあるのでぜひご覧ください。
5Gを放置してコロナ対策をしても無意味
彼らは5Gを放置して、コロナ対策だけしても無意味。
だからマスクを外そう。という理屈なのでしょう。
マスクをさせ、自粛をさせるのであれば5Gもストップしろというもので、以前から日本においても5Gの健康被害を主張する人はネット上に多数いましたが、いよいよクラスターフェスに乗っかって表に出てきたという実感です。
今後、イギリスのように刑事事件に発展しないことを祈るばかりです・
いずれも根拠のない陰謀論
今回のクラスターフェスは
- コロナはただの風邪
- コロナは5Gが拡散させている
という2つの矛盾した主張が根拠となって人が集まったことが分かります。
コロナはただの風邪というのであれば、「5Gがコロナを広げている」という陰謀論と完全に矛盾します。
つまり、クラスターフェスに集まっている人の論理的な根拠は最初から矛盾しており、デマや妄想を信じる団体よりも精神的な主柱は弱いことになります。
確かに「自粛はやりすぎ」「社会が敏感になりすぎ」というのは分かりますが、「コロナは風邪」という主張も「コロナは5Gが原因」という主張も科学的には根拠のない陰謀論としか世間は思っていません。
少数派の主張を通すためにノーマスクで山手線に乗るなどの実力行使を行うことはテロ行為以外の何者でもありません。
私たちは彼らへの非難を決してやめるべきではないでしょう。