5G基礎知識

【5Gの次の時代は?】6Gの未来予想図

5G時代がもうすぐそこまで来ている中、早くも世界では5G(第5世代)の次の世代、6Gへの話題が登場しています。

中国が国家を上げて開発し、トランプ大統領も言及し、NTTドコモも実験成功と、すでに次の次の時代の話は始まっています。

かなり話は早いのですが、6Gになるとどんなことが起こるのでしょうか?

予想される6Gの通信速度や通信容量、そして何ができるようになるのか考えてみました。

6Gの登場は2030年?

6Gの登場は2030年くらいになるのではないか?と予測されています。

これまで、移動通信サービスは10年スパンで以下のような歴史を辿っています。

1G 1980年代
2G 1990年代
3G 2000年代
4G 2010年代
5G 2020年代
6G 2030年代?

このように、移動通信サービスは10年スパンで世代交代が起きているので、2020年に5Gがスタートすることを考えると、次は2030年か?などと言われています。

世界では6Gの研究がスタートしている

世界では6Gの研究がスタートしている

すでに世界では6Gの開発がスタートしています。

中国や韓国やフィンランドやアメリカは6Gの研究開発に国家事業として着手を初めています

中国政府は2019年11月に6Gの研究開発を行う2つの機関の立ち上げを発表しています。

また、フィンランドも大学や政府系機関で6Gの研究開発プロジェクトをすでにスタートしています。

さらに、韓国ではサムスン電子とLG電子が2019年にそれぞれ研究センターを設置しています。

そしてアメリカは5Gの競争で中国に破れたことで、6Gでは絶対に中国に勝たなければならないと、かなりの気合いを入れているようです。

そして、トランプ大統領は2019年2月下旬のツイッターで以下のように述べています。

米国で5Gを、いや6Gも、なるべく早く実現したい。米企業は取り組みを強化せねばならない

このような発言もあってか、アメリカではFCC(連邦通信委員会)が将来的に6Gに利用される可能性があるとされる「テラヘルツ波」と呼ばれる周波数帯を、研究向けに開放することを決定した利用規則を発表しています。

これによって、アメリカでは一気に6Gの開発が進んでいくことが予想されています。

そして、日本でもすでに6Gの開発は始まっています。

日本では2020年1月に総務省が高市早苗総務大臣が直轄し、東大の五神真学長を座長とする6Gの官民官民研究会を立ち上げることが決定しました。

この研究会では、NTTや東芝の関係者らも招いて、6Gの性能目標や政策支援などの総合戦略を6月までにまとめるとしています。

育成すべき技術は予算面で政府がサポートしていき、日本も5Gでの遅れを6Gで取り返す気概を見せています。

民間ではNTTが5Gの5倍の通信速度である100bpsの通信実験に2019年に成功させており、5Gでは出遅れた日本ですが、6Gでは世界のトップを走っていると言っても過言ではありません。

6Gの性能

6Gの性能

各国で研究がすでにスタートしている6Gですが、6Gの通信速度や多接続性や低遅延性は5Gと比較してどの程度グレードアップするのでしょうか?

6Gになると通信速度は5Gの10倍以上

6Gの通信速度は最低でも5Gの10倍以上になると言われています。

5Gでも2時間映画のダウンロードがわずか3秒でダウンロードできると言われているので、6Gになるとまさに一瞬です。

そして最大で1Tbpsという通信速度になる見込みですので、最大では5Gの最高通信速度の実に50倍という速さになります。

6Gの遅延は0.001秒未満

遅延性でも6Gになると0.001秒未満になると考えられています。

5Gが最大での遅延が0.001秒を目指すと言われていますので、6Gになると完全に人間の感覚では遅延を感じることができなくなります。

6Gは同時に1,000万台の多接続

6Gになると1k㎡ごとに1,000万台の端末が接続できるようになると言われています。

5Gが最高100万台ですので、軽く5Gの10倍以上の端末を同時に接続することができるようになると言われています。

6Gになった未来予想図

6Gになった未来予想図

ここからはあくまでも推測ですが、6Gが登場する2030年以降は社会はどのような変化を遂げるようになるのでしょうか?

動画は8kを飛び越し16kへ?

現在5G時代に到来によって、各社は8k配信という超高画質放送を配信することができる研究を行なっています。

5Gの通信速度であれば8kの配信は実際に実現可能です。

そして、6Gになれば8kを飛び越し、16kの配信が実現できるようになるかもしれません。

年代 世代 動画・画像の通信
2000年代 3G 写真
2010年代 4G 動画
2020年代 5G 4k、8kなどの高画質動画

これまではこのように、通信できる画像の質が大きく変わってきましたし、3G時代には写真しか送ることができませんでした。

そして、5Gの次の時代には8kよりもさらに高画質な動画の通信ができるようになるかもしれません。

動画は2次元から3Dへ?

とは言っても、日常生活では8kでも十分に綺麗なのに、それ以上の高精細の動画など多くの人は求めているのでしょうか?

実際には8k以上の2次元動画は求められていないし、違いもよくわからない人の方が多いという可能性の方が高いと考えられます。

そこで、6G時代になれば動画は3次元になるのでは?と言われています。

3次元とはホログラム配信と言われています。

様々な角度から撮影した映像をコンピューターが立体化させ、スマホや端末から立体的に飛び出す技術などによって、動画は3次元で見られる時代が来るかもしれません。

遠隔医療はさらに加速する

6Gになれば、人間の感覚まで通信することができるようになると言われています。

人間の感覚まで詳細に通信することができれば、ロボットアームを伝って、アームの感覚が自分の感覚になるので、離れた所のものでも自分が触っているような感覚になります。

そして、通信画像の高精細化と合間って、遠隔医療などの技術はますます進むでしょう。

自分の肉眼で見ている可能ような感覚で映像を見ることができ、自分の手と同じ感覚でロボットアームを動かすことができるようになれば、医者は患者に直接触れて手術をすることもありません。

将来的には手術室にはドクターがいないという時代が来るかもしれませんし、遠く離れた病院にいる名医に執刀してもらうことができるというような時代も来るかもしれません。

内科などは、カメラの前に座るだけである程度の診療を行うことができ、プリンターから処方箋が印刷され、それを薬局に持ち込むだけで自宅で内科の診療を受けることができるようになるかもしれません。

自宅に居ながら人に会える?

6Gになると、大容量のデータを受送信することができるので、完全な仮想空間を作り出し、自分が仮想空間に赴き、多くの人が仮想空間に接続し、仮想空間の中で人に会うことができるようになるかもしれません。

そこに、感覚まで送信できる技術が加われば、仮想空間の中で痛みを感じる格闘技や、恋愛などもできるようになるかもしれません。

逆に言えば、人間は仮想空間の中で生きることができるようになるかもしれません。

もうこうなると、何が何だか分からなくなってしまいますが、私たちが想像することができるあらゆることが6Gの中では実現することができるようになる可能性があるでしょう。

まとめ

5G時代の到来を前に、国レベルでは早くも6Gの覇権を握って研究開発がスタートしています。

6G時代になれば、遅延は全く感じることなく、超ハイスピードで大容量のデータの送信が可能になります。

これによって、あらゆることが自宅に居ながらできるようになります。

スポーツ観戦、医療の受診などは当たり前で、仮想空間の中でスポーツを楽しんだり、セックスができる可能性すらあります。

人間はコンピューターに乗っ取られるということがずいぶん前から危惧されていますが、2030年の6G時代になればまさに人間の肉体が必要ない時代がやってくるかもしれません。