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日本のファーウェイ排除施策まとめ|TikTok排除の動きも

日本のファーウェイ排除政策おさらい|TikTok排除の動きも

日本のファーウェイ排除は、2018年の「申し合わせ」から始まり、2024年に法律の事前審査へ移りました。一方でTikTokの一般利用は禁止されていません。

結論:2020年の見立てと2026年の実際

項目 2020年当時 2026年10月
5G基地局 ドコモ・KDDIは排除済み、ソフトバンクは一部残存 大手4社ともファーウェイ製の主要設備なし
スマホ 販売中(Googleアプリ使えず) 主要チャネルから事実上撤退
政府・インフラ 個別の申し合わせ 経済安全保障推進法の事前審査(2024年5月〜)
5G投資税制 ファーウェイ不使用が条件の減税 2025年3月末で終了
TikTok 禁止の可能性が報道 一般向け禁止なし。公務端末のみ制限
自治体のIT機器 対象外 調達時のリスク対策を省令で義務化(2027年7月1日施行)
日本の「脱ファーウェイ/TikTok規制」年表 2018-19 政府調達で 排除方針 2020 税制優遇・ アプリ規制提言 2022 経済安全保障 推進法 成立 2023 公務端末で TikTok制限 2024 基幹インフラ 事前審査 開始 2026 5Gカバー率 98.6% ※各時点の主な出来事を簡略化して表示(年は西暦)

キャリアごとの対応

キャリア 5G基地局
ドコモ・KDDI 構築当初からファーウェイ製なし
ソフトバンク 既存のファーウェイ製をエリクソン・ノキアへ段階的に置き換え(完了時期の公式発表は確認できず)
楽天モバイル Open RAN。富士通製無線装置や1FINITYのO-RAN機器などを組み合わせ

国の仕組みの変化

時期 内容
2018〜19年 政府調達から排除。独法など96法人にも拡大を調整
2020年 5G投資促進税制:投資額の15%を税額控除 or 30%を特別償却(ファーウェイ不使用が条件)
2022年 経済安全保障推進法が成立
2024/5/17 基幹インフラ(電気通信など15分野)の事前審査が開始
2025/3/31 5G投資促進税制の新規適用が終了
2026/6/17 改正法公布。医療分野を追加
2026/6/26 自治体向けの改正省令(令和8年総務省令第80号)を公布。2027/7/1施行

事前審査は国名や企業名を名指ししない。委託先への外部支配やサイバー対策などを確認する仕組み。

自治体のIT機器調達(2026年の新しい動き)

項目 内容
報道(2026/4/17) JC-STAR・ISMAPの認定製品に限定する方針。「中国製の事実上排除」と受け止め
根拠 改正地方自治法施行規則(令和8年総務省令第80号)。2026年6月26日公布・2027年7月1日施行
調達の原則 JC-STAR・ISMAP(ISMAP-LIU)・デジタルマーケットプレイスに登録された製品を原則調達。未登録品は自治体が対策を確認できれば可
対象の例 ルータ等の通信機器、サーバ、パソコン、複合機、ドローン、ネットワークカメラ、クラウドサービスなど
総務省の説明 「製造国や認証制度で機器を制約することはない」(日経クロステック 2026/5/7)。調達時の安全性確認を義務づけるもの
既存機器 施行時に使用中のシステム・委託は従前の例。更新時に順次入れ替え(一斉撤去ではない)

注意:報道の見出しと制度の中身にはずれがあります。国名での禁止ではありません。総務省の通知は、供給元の本社所在地の法的環境などで「懸念が払拭できない」機器や企業からの調達を避けるよう求めています。

TikTokはどうなったか

時期 日本 米国(参考)
2020年7月 自民党議連が中国発アプリの制限を提言する方針と報道 —
2023年2月 機密を扱う政府端末で利用不可と官房長官が説明。東京都・福岡市なども公用端末から削除 —
2024年 — 米国事業の売却を求める法律が成立
2026年1月 一般向けの禁止なし 米国事業の移管完了と報道(ByteDanceの持ち分2割未満)

ファーウェイの現在(2026年)

市場 状況
日本 通信網・政府調達で排除が定着。スマホも撤退
米・英・仏など 期限付きの排除(英国は2027年末に完全排除)。米国は2026年7月、FCCが規制の対象を機器から「部品」まで拡大(下記)
EU全体 2026年1月提案のデジタル・ネットワーク法で、高リスク指定から36か月以内の撤去を義務づける案。未成立。2026年9月15日に欧州通信17社のCEOが、置き換え費用を最大400億ユーロと試算して反対の公開書簡(Connect Europe経由)。英シンクタンクRUSIは2026年10月1日の報告書で「EUには足並みがない」と指摘(下記)
新興国 新製品攻勢。海外売上高はピーク時の7割程度まで回復(日経 2026/5/8)
業績 2026年1〜6月の売上高は4,678億元(前年同期比+9.5%)。研究開発費は過去最高(36Kr Japan 2026/9/8)

EUはなぜ足並みが揃わないのか(RUSI報告書・2026年10月1日)

英シンクタンクRUSIは、ドイツ・スペイン・英国の対応を比べた報告書「High-Risk ICT Vendors and Critical Infrastructure」で、EUの自主的な枠組みが機能していないと結論づけました。日本の事前審査との違いが分かる論点です。

論点 RUSIの指摘
5Gセキュリティ・ツールボックス 2020年1月に始まったが任意。27か国のうち完全実施は10か国だけ
「高リスク供給者」の定義 EU共通の公式な定義も法的区分もない(ファーウェイ論争から5年経っても)
審議中の案 サイバーセキュリティ法の改正で18の重要分野を対象に、指定から36か月以内の撤去。欧州委はファーウェイとZTEを指定候補に挙げる考え
実際の中国製比率(5G RAN・2024年) ドイツ約59%/スペイン約32%/英国約20%(RUSI推計。公式統計ではない)。英国は2027年末までに排除の方向
提言 全加盟国に適用されるリスク評価の共通枠組みをつくる。米国系の供給者も審査対象になり得る

日本は2024年5月から基幹インフラの事前審査が動いており、「国名ではなく供給元のリスクを個別に審査する」という点ではRUSIの提言に近い形です。

EUの法律より先に、ドイツの期限が来る

日本は法律で名指しせず、調達の仕組みで絞る形を選びました。EUも同じく「法律は未成立」ですが、加盟国が個別に決めた期限はすでに動いています。

対象 期限 残り(2026年11月1日時点)
ドイツの5Gコア網のファーウェイ・ZTE製の重要部品 2026年末 約2か月
ドイツのアクセス網・伝送網の「重要な管理システム」 2029年末 約3年
英国の5G網からの排除 2027年末 約1年2か月

ドイツの期限は2024年7月に内務省がドイツテレコム・ボーダフォン・テレフォニカとの交渉を経て決めたものです。日本のように初期から避けてきた国と、依存度が高いまま期限を切った国では、同じ「排除」でも難しさがまるで違います(ドイツの5G RANの中国製比率は約59%、英国は約20%=いずれもRUSI推計)。

出典:ドイツ内務省の決定を伝えた2024年7月の各報道(ロイター/SCMP/CNN.co.jp ほか)。英国の期限とRANの比率はRUSI報告書(2026年10月1日)。2026年11月1日時点で、ドイツの期限に対する進捗の公式発表は確認できていません。

米国は「どの会社か」から「どの部品か」へ(2026年7月)

日本の事前審査が企業名を名指ししない仕組みであることは上で見たとおりですが、米国は逆方向に細かくなりました。FCCが2026年7月の会合で第3次報告・命令(ET Docket 21-232)を採択し、規制対象リスト(Covered List)の及ぶ範囲を広げています。

変わること 内容
部品まで対象に Covered List企業が作ったロジックを持つハードウェア部品の認証を禁止。その部品を含む機器も認証されない
対象になりうる部品 マイクロプロセッサ、セルラー/Wi-Fiチップセット、IoTモジュール、ベースバンドプロセッサ、TPM、光トランシーバなど
対象外 純粋に機械的な部品、デジタルのタイミング信号を扱わない受動部品
通販サイト 販売ページにFCC IDの表示が必要(一部例外あり)
検討中 Covered Listを「作った企業で分ける区分」と「どこで生産されたかで分ける区分」に二分する案(意見募集中)

日本との違い:日本の基幹インフラ事前審査と自治体向けの省令は、国名や企業名を名指ししません。総務省も「製造国や認証制度で機器を制約することはない」と説明しています。対して米国は、企業名のリストを基点に部品のレベルまで線を引き直し、さらに生産地での区分まで検討しています。同じ「排除」でも、根拠の置き方が日米で分かれているのが2026年の状況です。日本の制度は「調達時に安全性を確認させる」方向で、部品の由来を遡って禁じる仕組みにはなっていません。

出典:FCC「Third Report and Order and Third Further Notice of Proposed Rulemaking」(ET Docket 21-232・FCC-26-50)、Wiley・Akin Gump・Pillsbury 各法律事務所の解説(2026年7月)。

よくある質問

質問 回答
日本でTikTokは使える? 使えます。制限は政府・自治体の公務端末だけです。
ファーウェイのスマホは買える? 主要な販売チャネルでは扱いが終わっています。
自治体の新ルールは中国製品の禁止? 国名での禁止ではありません。2027年7月から、認定・登録製品を原則とする調達に変わります。

まとめ

  • 日本の5G網は大手4社とも脱ファーウェイ
  • 排除は税制から法律の事前審査へ
  • TikTokの一般利用は禁止されていない
  • 自治体のIT調達は2027年7月1日から認定・登録製品が原則に
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※出典:総務省自治行政局長通知「地方自治法施行規則の一部を改正する省令の公布等について」(総行サ第42号・2026年6月26日/soumu.go.jp/main_content/001080538.pdf)、日経クロステック(2026年5月7日)、日本経済新聞(2026年5月8日)、内閣府の経済安全保障推進法資料、36Kr Japan(2026年9月8日)ほか。本記事は2020年公開の内容を、2026年9月13日に図表中心の構成へ再編集し、9月15日にファーウェイの上半期業績を追記したものです。2026年9月29日に、自治体向け省令が6月26日に公布済みであること(2027年7月1日施行)を総務省の通知で確認して反映しました。9月21日にEuronews(2026年9月15日)をもとにEUのデジタル・ネットワーク法の審議状況を追記しました。2026年10月6日に、RUSIの報告書「High-Risk ICT Vendors and Critical Infrastructure」(2026年10月1日公表。The Register 2026年10月1日、Computer Weekly、SC Mediaの報道で確認)をもとに、EUの足並みが揃わない理由の節を追加しました。2026年10月20日に、米FCCの第3次報告・命令(2026年7月・部品まで規制対象を拡大)を追記し、企業名を名指ししない日本の制度との違いを整理しました。

※2026年11月1日に、ドイツ(5Gコア網は2026年末・残り約2か月/アクセス網・伝送網は2029年末)と英国(2027年末)の排除期限を節として追加し、日本の「調達の仕組みで絞る」方式との違いを整理しました。


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