5Gになるとモバイルルーターが不要になると言われています。
UQコミュニケーションのWiMAXも5Gの普及によって不要になるのではないかと言われていますが、なぜWiMAXは不要になると言われるのでしょうか?
WiMAXが不要になると言われるのは、5Gの方が通信速度が早く、使い放題になるからです。
しかし、WiMAXも高速化の努力をしているのでしばらくは利用価値がありますし、5G完全普及後も5Gの料金によっては生き残りの余地はあります。
WiMAX5GになるとWiMAXが不要になると言われる理由や、今後のWiMAXの行く末なども詳しく考えていきます。
目次
5GになるとWiMAXが不要になると言われる理由
5GになるとWiMAXが不要になると言われる理由としては以下のようなものがあります。
- 5Gの方が通信速度が早くなる
- 5Gの料金プランは使い放題になる
- 5Gになるとモバイルルーターなどの用途がなくなる
実際にこれまでは「通信制限がかかってしまうからポケットルーターが必要」という理由でWiMAXを契約していた人でも、5G時代になるとポケットルーターそのものが不要になる可能性があります。
WiMAXが不要になると言われる理由について詳しく解説します。
WiMAXの通信速度
WiMAXは2018年に新規受付を終了して、現在はより通信速度が早いWiMAX 2+になっています。
WiMAX 2+の通信速度は下り最大440Mbpsとなっているので、WiMAXの最大速度である13.3Mbpよりも大幅に高速化しています。
5Mbps程度で動画を全くストレスなく視聴できる速さと言われているので、WiMAX 2+は相当早い通信速度であることは間違いありません。
5Gの通信速度の方が早い
十分に早い通信速度を誇っているWiMAX 2+ですが、5Gよりは速度は劣っています。
5Gの通信速度は理論値最大で20Gbpsですので、WiMAX 2+の50倍程度の速度を誇ります。
これはあくまでも理論値の速度ですが、5Gは開始間も無くでも1Gbps超の速度だと言われているので、WiMAX 2+よりも圧倒的に早い速度であることは間違いないようです。
とは言え、スマホでYouTubeを視聴する程度であれば、どちらを利用してもそれほど体感速度に違いはないと言えます。
では、なぜ「5GになるとWiMAXは不要になると言われているのでしょうか?
5Gの料金プランは使い放題
WiMAXが不要になると言われる最大の理由は、「5Gの料金プランは使い放題になる」ということです。
高速・大容量通信を前提とした5Gでは、通信制限を設けた料金プランを設定しても、すぐに通信容量に達してしまう可能性があり、5G時代にふさわしくありません。
そのため、5Gの主要な料金プランは「使い放題」になると言われています。
実際に2020年3月からスタートするNTTドコモの5G料金プランは7650円で使い放題です。
5GになるとモバイルルーターやポケットWi-fiは不要になる
5Gになると、これまでモバイルルーターやポケットWi-fiを使っていた大きな2つの理由がなくなってしまいます。
- 通信制限がかかるから
- スマホよりも速いから
5Gになると、通信制限がなくなり、5Gの方が速くなります。
そのため、WiMAXはじめとした、モバイルルーターやポケットWi-fiは不要になるのではないかと言われているのです。
WiMAXの速度は今後早くなる!2つの理由を解説
WiMAXも指を加えて高速時代を待っているわけではありません。
WiMAXは速度が速くなるように様々な試みをしており主な方策としては以下の2つに取り組んでします。
- 2020年に旧WiMAX回線
- Massive MIMOで理論値速度を引き上げ
WiMAX高速化への2つの取り組みについて詳しく見ていきましょう。
2020年に旧WiMAX回線が停波する
前述したように、WiMAXは2018年に新規受付を停止して、WiMAX 2+に切り替わっています。
そして、2020年には旧WiMAXの回線は停波するので、WiMAX 2+回線に割ける周波数帯の割合が増えます。
これによって、WiMAX2+回線は混雑しにくくなり、さらに速度が向上することが予想されています。
Massive MIMOで理論値速度を引き上げ
UQコミュニケーションズもWiMAX2+の速度向上のためにMassive MIMOという技術を開発してすでに導入しています。
Massive MIMOとは複数のアンテナを使ってデータの送受信を行う無線通信技術を発展させた技術です。
Massive MIMOでは送信側のアンテナが大幅に増え、数十から数百のアンテナ素子を使用してデータを送信する。また、一定方向に指向性の高い電波を送るビームフォーミングという技術を組み合わせることで、基地局間の干渉を抑えながら電波強度を上げ、高速通信を可能にする。
従来のWiMAX2+では、人混みなどでは回線が混雑して速度が低下する傾向にありましたが、Massive MIMOでは人混みなどでも速度が低下しにくくなります。
UQコミュニケーションズはすでに横浜スタジアム、東京ドーム、京セラドームにMassive MIMOと導入しています。
このように、5G回線が割り当てられなくても、速度向上の努力はしているので、今後はWiMAX2+の速度が速くなって行くことはほぼ確実視されています。
WiMAXが5Gになるかは不透明
auは5G回線の周波数帯を国から3枠割り当てられています。
そのため、今後はWiMAXに5Gに対応する可能性はありますが、現在のところはそのような発表はありませんし、今のまま4Gが継続する可能性もあります。
しかし、4Gのままでも消費者にとっては速く安ければ何も問題はありませんし、実際にWiMAXは速く安くなる可能性があります。
もしもWiMAXが4Gのままだった場合には、消費者にはどんなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
4Gのままでも速度は速くなる見込み
5G時代になってもWiMAX2+が4Gのままであれば、回線品質が向上し、速度は速くなることが見込まれています。
4G回線は混雑しにくくなることや、WiMAX2+も速度向上を図っていくので、4Gの高速通信が可能になっていくことが予想されます。
4Gのままなら料金は低下していく
そして4Gのままであれば料金が低下していくことが予想されています。
今後5G時代になり、世の中のトレンドが5Gに変わっていけば、4Gは時代遅れになります。
市場原理によって時代遅れのものは料金が下がっていくものですので、WiMAX2+の料金も下がる可能性が高いでしょう。
5Gの料金プラン如何によってはWiMAX生き残れる
5Gになるとキャリアの基本使用料は高くなります。
しかし、WiMAX2+の基本使用量は現在でも2,726円/月という安価ですので、今後「5Gの料金は高いから払いたくない」という人が多くなれば、基本使用量が安いWiMAX2+に対するニーズは残るでしょう。
もしも5Gの料金が下がっていけば、わざわざ別料金を払ってポケットルーターを持つ必要はないので、WiMAX2+は淘汰されてしまうかもしれません。
また、WiMAX2+が5Gに対応すれば、「安価で5Gルーターが持てる」と人気になるかもしれません。
いずれにせよ。WiMAX2+が生き残れるかどうかは、5Gの料金プランに左右される面が非常に大きいでしょう。
しばらくはニーズがある
5Gが2020年春に開始されても、WiMAX2+ニーズがしばらくは持続することは確実です。
5Gの対応エリアはまだまだ非常に狭く、ソフトバンクに至っては東京駅周辺だけと言っても過言ではないほど非常に狭いエリアです。
日本の主要都市まで5G通信網が出来上がるのが早くても2021年いっぱいはかかると見られており、地方都市では2022年までかかるでしょう。
この間は4G LTEが主要回線ですので、WiMAX2+は速度の面でも料金の面でも4G LTEよりも優位性があるので、生き残ることができるでしょう。
WiMAX2+を「契約するかどうか」「契約しているけど5Gになったいらない」などと考えている人は、自分の地域にいつ5Gがスタートするのかという確認をまずはするようにしましょう。