商用サービス開始当初は、新型コロナウイルス感染のニュースに話題をさらわれた5Gでしたが、感染拡大にも収束が見えた2020年5月になって、改めて注目されています。
今後は5G関連投資が盛んになるだろうと言われており、5G関連銘柄も注目されています。
アフターコロナで5G関連銘柄が注目される理由と、5G投資が盛んになると業績向上が期待される企業をご紹介していきます。
目次
5Gがアフターコロナ有望テーマの3位にランクイン!
2020年5月7日みんなの株式と株探が集計した人気テーマのランキングで、「テレワーク」「コロナウイルス」についで「5G」が3位にランクインしました。
2020年3月の5G商用サービス開始以降、5Gに関しては「期待はずれ」などのネガティブな意見が主流でしたが、アフターコロナが見えてきた2020年5月になって、5Gが「今後伸びるだろう」という目線で注目を集めていることが分かります。
ではなぜアフターコロナでは5Gが伸びると考えられているのでしょうか?
参考:kabutan|「5G」が3位にランク、アフターコロナの有望テーマとして関心高い<注目テーマ>
アフターコロナで5Gが注目される理由
アフターコロナで5Gが注目されるのには理由があります。
それは、コロナによる自粛の中で、人々の生活様式が変わり、新しい生活様式の中では、5Gの高速・大容量通信、低遅延、多接続性などが必要不可欠になっていくからです。
具体的には以下の分野で5Gの機能が必要不可欠になっていくと言われています。
テレワークやオンライン学習・遠隔医療の発展
アフターコロナでは仕事、学校、医療はできる限り人と接することなくオンラインで行われることが求められています。
- 仕事→テレワークへ
- 学校→オンライン学習へ
- 医療→遠隔診療へ
アクターコロナの世界では、否が応でもこのような流れになることは避けられません。
感染の爆発は止まってもウイルスは引き続き存在し、第2波、第3波の到来は予測されているため、引き続き人とできる限り接しないことが求められるためです。
テレワークやオンライン学習や遠隔診療を実現するためには、高速大容量通信と多接続を遅延なく実現することができる5Gが欠かせません。
そのため、5Gが今後は伸びて行くのでは?と期待されているのです。
巣ごもりによる動画配信
コロナウイルス感染予防のための約2ヶ月にわたる巣ごもりの間にNetflixやAmazon Primeに契約したという人は多いのではないでしょうか?
実際にNetflixは世界中で契約者が急増し、2020年第一四半期だけで1577万人の増加となっています。
高画質の配信を利用する人が増え、今後は4k8k配信もどんどんスタートしていくため、ここでも高速大容量通信を実現することができる5Gは必要不可欠です。
コロナ禍の中で人々の生活様式も変わったため、そこも5Gが伸びていくファクターとなっています。
5Gで注目される4つの分野と注目銘柄
5Gへの投資が拡大していけば伸びが期待される会社にはどのようなものがあるのでしょうか?
5G関連銘柄と言って思いつくのがドコモやKDDIなどの携帯キャリアという人がほとんどでしょう。
しかし、携帯キャリアが伸びていくのはもう少し先で、まずは部品やインフラ整備のメーカーが伸びていくことが予想されています。
5Gへの投資が加速すると伸びることが期待されている銘柄をいくつかご紹介していきます。
半導体と電子部品セクターは欠かせない
5Gの通信には5Gに対応したスマホなどの機器が必要不可欠です。
高性能な半導体や電子部品がないことには5Gを実現することはできません。
また、5Gに通信するためには5Gに対応したスマホへの買い替えが必要になります。
そのため、半導体と電子部品のセクターはまず最初に伸びていく業種だと言われています。
企業名 | 内容 |
---|---|
東京エレクトロン | 半導体製造装置や半導体テスタ製造 |
アドバンテスト | 半導体製造装置や半導体テスタ製造 |
村田製作所 | スマホ用電子部品製造 |
TDK | スマホ用電子部品製造 |
大井電気 | 情報通信機器事業を展開 |
電子部品関係では、このあたりに企業が5G関連銘柄の中で最重要企業だと考えられています。
基地局メーカーも伸びしろ十分
さらに、5Gに関しては基地局の展開が非常に重要です。
5Gのミリ波と呼ばれる28GHz帯の電波は通信範囲が狭く200m程度しか通信できず、直進性が強いためビルなどの障害があると通信が切れてしまいます。
そのため、日本国内にミリ波の5G環境を構築するためには無数の基地局をいたるところに設置しなければなりません。
つまり、基地局メーカーからすると仕事が非常に増える状況にあるのです。
企業名 | 内容 |
---|---|
NEC | 基地局・量子コンピューター開発 |
富士通 | 基地局 |
多摩川ホールディングス | 5G対応アナログ光伝送装置 |
PALTEK | 5Gソリューション構築 |
基地局整備が本格的にスタートすれば、これらの企業の業績向上も期待されています。
光ファイバーメーカーも5Gインフラ整備に必要不可欠
さらに、光ファイバーも5Gの構築には欠かせません。
5Gは無数に設置した基地局を光ファイバーで結ぶ必要があります。
基地局の数も無数なら光ファイバーも膨大な量が必要で、今や「光ファイバーは作れば作るほど売れる」とまで言われるほどです。
中国で5G通信網の構築が遅れたのは、コロナウイルス発祥の地である武漢に光ファイバーの国内最大の製造拠点があったためだと言われています。
それだけ光ファイバーは5G通信網構築には欠かすことができません。
国内の光ファイバー関連企業としては以下のような企業が挙げられます。
企業名 | 世界シェア |
---|---|
古河電気工業 | 光ファイバ世界2位/ 世界シェア14% |
住友電気工業 | 光ファイバ世界4位/世界シェア7% |
フジクラ | 光ファイバ世界6位/世界シェア5% |
5Gは基地局整備が大きく遅れている状況です。
国内で通信できる範囲があまりにも狭いため「日本の5Gは期待はずれ」などと揶揄されていますが、今後は日本各地に基地局は拡大していきます。
その都度、膨大な光ファイバーケーブルが消費されるので伸びが期待されています。
大手キャリアの5G拡大はiPhone 12発売以降か
携帯大手キャリアが5Gによって業績が拡大するのはiPhoneの5G対応を待たなければならないでしょう。
日本人は世界の中で最もiPhoneを使っている国民です。
そのため、5G対応がAndroidだけであれば、日本人はあまり5Gに反応しません。
以下の大手キャリアの業績が向上するとすれば、2020年秋以降に発売が予定される5G対応のiPhone 12が発売されてからでしょう。
- NTTドコモ
- KDDI
- ソフトバンク
もちろん、iPhone 12が発売される予定の2020年秋になっても大手キャリアの5G通信エリアは狭いままの予定ですので、根本的には早急に対応エリアを拡大する必要があるでしょう。
その他の5G関連銘柄
その他の5G関連銘柄としては以下のようなものがあります。
企業名 | 内容 |
---|---|
ネクストジェン | 通信事業者向けソリューション |
サイバーコム | 通信ソフトウェア開発 |
アンリツ | 通信計測器 |
santec | 光通信用部品メーカー |
アルチザネットワークス | 5G基地局向けテスト装置 |
ソフト面からハード面まで5Gに関連する様々な企業の名前が上がっています。
まとめ
コロナ禍が落ち着きを見せはじめた2020年5月くらいから少しずつ5Gが注目され初めています。
一時期は「5Gはインターネットに次ぐ革命だ」とまで賛美されていましたが、始まってみれば盛り上がりはイマイチでした。
しかし、コロナが落ち着きはじめてから人々の目が5Gへ向いたのと同時に、5Gがもつ「高速大容量」「低遅延」「多接続」という特徴は、アフターコロナの世界に欠かすことができないものになりました。
今後、アフターコロナの社会が構築されていけばいくほど5Gは社会で必要不可欠なものになります。
それに連れて、ご紹介したような企業も伸びていくかもしれません。要注目です。