2020年2月、シャープのAQUOSについで、ソニーも5G対応スマホを発表しました。
ソニーの5G対応フラグシップモデルXperia 1 IIは、スマホとしての機能を強化したというよりも、ソニーの強みである動画撮影、オーディオ再生などを大幅に強化したモデルということができそうです。
ソニーは、高速大容量通信が可能なる5G時代に、5G対応スマホをプロレベルの動画クリエイターが使用する端末へと位置付けようとする意図がうかかがえます。
今後はXperiaを起点にプロが高画質な動画配信や編集を行っていくような時代になるかもしれません。
Xperia 1 IIはその第一弾のフラグシップモデルとしての位置付けです。
Xperia 1 IIのスペックから、今後はソニーが5Gスマホをどのように位置付けようとしているのかを考えることができます。
ソニーの5G対応スマホ、Xperia 1 IIについて詳しく見ていきましょう。
目次
Xperia 1 IIの8つの特徴
Xperia 1 IIには主にカメラに特化した大きな特徴が8つあります。
- トリプルカメラ
- 超高速オートフォーカス
- AIによる瞳オートフォーカス
- シネマワイド」タイプの4K HDR OLED
- ビデオ編集機能の充実
- ヘッドフォンジャック搭載
- ハイレゾ相当の音質にアップグレード
- 高速ワイヤレス充電機能
動画撮影と音声に徹底的にこだわっているソニーの姿勢が見て取れる進化となっているXperia 1 IIの特徴について詳しく見ていきましょう。
トリプルカメラ
Xperia 1 IIはカメラレンズに大きなこだわりを見せています。
スマホとしては初めてツァイス(Zeiss)の光学系レンズを採用しており、他のスマホよりも高い再現性で動画や静止画を撮影することができるようになります。
また、Xperia 1 IIには以下の3種類の焦点距離レンズを搭載しています。
- 16mm
- 24mm
- 70mm
これら3つのレンズで、超広角からポートレートまでの幅広い写真を撮影することができます。
さらに、3つの背面レンズは、すべて1200万画素のセンサーが付随しており、画素数も申し分ないと言える作りです。
また、前面には、8MPのセンサーを内蔵したレンズまで備えており、自撮りも美しく撮影することができます。
超高速オートフォーカス
Xperia 1 IIはオートフォーカスも非常に優秀です。
20コマ/秒でオートフォーカス、つまり1フレームごとにオブジェクトを3回計算、1秒あたりでは60回計算するため、低光量でも動作するすることができます。
高いオートフォーカス性能により、世界で初めて自動追従・オートフォーカスで動いている被写体を追従し続けることができ、連写が可能になっています。
この優秀なオートフォーカス機能によって、スマホのカメラでありながら、まさにその瞬間を美しく撮影することができるようになります。
AIによる瞳オートフォーカス
Xperia 1 IIはAIが瞳にオートフォーカスする機能も備えられています。
動いている被写体の瞳をAIが認識して焦点を自動的に合わせることができます。
認識するのは人間の顔だけでなく動物の瞳まで判別することができるので、動いている動物やペットまで追跡し続けることができるでしょう。
シネマワイドタイプの4K HDR OLED
Xperia 1 IIはシネマワイドタイプの4G HDR OLEDの画面が使用されており、その解像度は3,840×1,644ドットとなっています。
同時期発売のAQUOS R5の解像度が3,168×1,440ドットとなっているため、AQUOS R5よりもより美しい画面で高画質動画を閲覧することができます。
ビデオ編集機能の充実
Xperia 1 IIはビデオ編集機能が非常に充実しています。
これまでプロ向けのイメージセンサーサプライヤーとしての地位を築いてきたソニーのこだわりを垣間見ることができます。
具体的には以下の3点が優れています。
- タッチオートフォーカス
- ホワイトバランスのカスタム設定
- ノイズリダクション機能
タッチオートフォーカスやホワイトバランスのカスタム設定によって一般ユーザーには簡単に、プロもこだわりの動画編集を行うことができるようになります。
さらに、ノイズリダクション機能によってオーディオキャプチャの音質を高めることが可能です。
ヘッドフォンジャック搭載
オーディオメーカーとしての顔を持つソニーのこだわりが強く見えるのはXperia 1 IIにはオーディオジャックが搭載されているという点でしょう。
Xperia 1 IIには3.5mmのヘッドフォンジャックがついており、愛用の有線ヘッドフォンを差し込み、高音質の音楽を楽しむことができるようにも設計されています。
ハイレゾ相当の音質にアップグレード
Xperia 1 IIは音声信号をハイレゾ相当の音質へアップグレードすることができるDSEE UltimateというAI技術も備えています。
この機能によってストリーミング音楽などを高音質へアップグレードすることができます。
まさにオーディオメーカーとして一定の地位を築いてきたソニーのこだわりが見える機能となっていると言えるでしょう。
高速ワイヤレス充電機能
また、Xperia 1 IIは高速ワイヤレス機能も搭載されています。
映像や音楽を十二分に楽しんでも電池切れを心配する必要はなくなります。
Xperia 1 IIの通信・処理性能をAQUOSと比べると
Xperia 1 IIはの通信や処理性能についてはカメラ性能に比べて特質すべき点はないと言えます。
忌憚なく言えば、同時期に発表されたAQUOS R5と比較して劣ると言ってもよいでしょう。
主なポイントは以下の3点です。
- メモリ8GB
- ストレージ256GB
- sub-6対応
特質すべきはsub-6電波帯だけに対応してミリ波には対応していないという点です。
Xperia 1 IIの通信・処理性能をAQUOS R5と比較しながら検証していきましょう。
メモリ8GB
Xperia5GはクアルコムのSnapdragon 865チップ(メモリー8GB)を採用しています。
メモロー8Gは十分に大容量ですが、シャープのAQUOS R5の12GBと比較するとやはり見劣りは否めません。
撮影をメインにしているソニーと、再生やメインにしているシャープとの違いが浮き彫りになっています。
ストレージ256GB
Xperia 1 IIのストレージは256GBと、こちらはシャープのAQUOS R5と同じく大容量です。
大容量画像をスマホ本体にたっぷりと収納することができるようになっていると言えるでしょう。
sub-6対応
Xperia 1 IIはsub-6周波数帯に対応しています。
高速大容量を実現するための周波数帯であるミリ波には対応していません。
ミリ波の通信エリアが日本において一般化するのは2022年〜2023年と言われているのでしばらくはsub-6対応のみでも問題ありません。
しかし、将来的にXperia 1 IIは5Gスマホとして機能しない可能性が高いと言えるでしょう。
AQUOS R5がミリ波まで対応していることと比較すれば、この点は明らかに不十分と言えます。
しかし、ソニーの本命は今回発表したXperia 1 IIではありません。
Xperia 1 IIはプロトタイプ。プロ向けに本命を開発中
Xperia 1 IIの発表と同時にXperia Proの開発についても発表がありました。
Xperia Proはミリ波にも対応しており、そのほかにも様々な動画撮影や動画配信機能が強化されるモデルです。
Xperia 1 IIはあくまでもXperia Proのプロトタイプという位置付けの意味合いが強いようです。
ソニーが5Gで勝負をかけるのは、ミリ波通信網が本格的整備される2022年前後になりそうです。
開発中のXperia Proについて分かっていることを解説していきます。
Xperia Proはミリ波対応
Xperia Proはミリ波にも対応しています。
端末で撮影・編集した高画質の画像をスムーズに送受信するためには、より高速通信を行うことができるミリ波の方が適しています。
つまり、ソニーはミリ波導入以降に、Xperiaをスマホ端末に留まらず高画質動画のステーションとして機能させる目的がありそうです。
マイクロHDMIポートにも対応
Xperia ProはマイクロHDMIポートが搭載されています。
これによって、外付けのハイエンドカメラをXperia Proに接続することができます。
外付けのハイエンドカメラで撮影した動画や画像をXperia Proで編集し、5Gで送信・配信するという一連の流れをこれで作ることができます。
スポーツイベントのライブストリーミングのテストを完了
ソニーはすでにアメリカのベライゾンとともに、スポーツイベントでのライブストリーミング映像の配信テストを行なっています。
Xperia Proに外付けされたハイエンドカメラで撮影した映像を5Gで配信することができるようになるでしょう。
まさに、Xperia Proはスマホとしての機能ではなく、動画撮影、配信のステーションとしての役割を果たすことが期待されています。
ソニーの5Gへの本気はミリ波整備以降に見られるでしょう。