【2026年8月 追記】
本記事は2020年当時のXperia・AQUOSの比較です。両シリーズとも世代が進んでおり、現行のAndroidスマホはエントリーモデルを含めほぼ全機種が5G対応です。機種選びの視点としてお読みください。
2020年2月、シャープのAQUOSに続きソニーも5G対応スマホXperia 1 IIを発表しました。通信・処理性能の強化よりも、ソニーの強みである動画撮影とオーディオ再生機能を大幅に強化したモデルです。
- 5G時代の主戦場を「プロ向け動画クリエイター端末」に設定
- 今後はXperiaを起点に高画質な動画配信・編集を行う構想
- Xperia 1 IIはその第一弾となるフラグシップという位置付け
スペックから見えるソニーの5G戦略を、詳しく見ていきましょう。
目次
Xperia 1 IIの8つの特徴
Xperia 1 IIには主にカメラに特化した大きな特徴が8つあります。動画撮影と音声に徹底的にこだわったソニーの姿勢が表れています。
- トリプルカメラ
- 超高速オートフォーカス
- AIによる瞳オートフォーカス
- シネマワイドタイプの4K HDR OLED
- ビデオ編集機能の充実
- ヘッドフォンジャック搭載
- ハイレゾ相当の音質にアップグレード
- 高速ワイヤレス充電機能
トリプルカメラ
スマホとして初めてツァイス(Zeiss)の光学系レンズを採用し、高い再現性で動画・静止画を撮影できます。3種類の焦点距離レンズをすべて1200万画素で搭載しています。
前面にも800万画素センサーを内蔵し、自撮りも美しく撮影できます。
超高速オートフォーカス
- 20コマ/秒の高速オートフォーカス
- 1秒間に60回の被写体計算で低照度でも高精度に動作
- 世界初、動く被写体を自動追従しながらの連写に対応
AIによる瞳オートフォーカス
- 動いている被写体の瞳にAIが自動でピントを合わせる
- 人間の顔だけでなく動物の瞳も認識し、追跡し続けられる
シネマワイドタイプの4K HDR OLED
解像度3,840×1,644ドットの4K HDR有機ELディスプレイを搭載。同時期発売のAQUOS R5(3,168×1,440ドット)より高精細です(詳細は後述の比較表)。
ビデオ編集機能の充実
プロ向けイメージセンサーサプライヤーとして培ったソニーのこだわりが反映されています。
- タッチオートフォーカス
- ホワイトバランスのカスタム設定
- ノイズリダクション機能(オーディオキャプチャの音質向上)
その他の強化ポイント(オーディオ・充電)
- 3.5mmヘッドフォンジャックを搭載し、有線ヘッドフォンで高音質再生
- DSEE Ultimate技術でストリーミング音源をハイレゾ相当にアップグレード
- 高速ワイヤレス充電に対応し、動画・音楽視聴中の電池切れを軽減
Xperia 1 IIの通信・処理性能をAQUOSと比べると
Xperia 1 IIの通信・処理性能は、カメラ性能ほど突出していません。忌憚なく言えば、同時期発表のAQUOS R5に劣る面もあります。
| 項目 | Xperia 1 II | AQUOS R5 |
|---|---|---|
| メモリ | 8GB | 12GB |
| ストレージ | 256GB | 256GB |
| ディスプレイ解像度 | 3,840×1,644 | 3,168×1,440 |
| 対応周波数帯 | sub-6のみ | sub-6+ミリ波 |
- メモリはAQUOS R5(12GB)にやや見劣り。撮影重視のソニーと再生重視のシャープの違いが表れる
- ストレージ256GBは同等で、大容量画像もたっぷり収納可能
- sub-6のみでミリ波非対応。将来的に5Gスマホとして機能しない可能性が懸念点
ミリ波の通信エリアが日本で一般化するのは2022〜2023年と見込まれており、当面はsub-6対応のみでも問題ないとされていました。しかし、ソニーの本命は今回のXperia 1 IIではありません。
Xperia 1 IIはプロトタイプ。プロ向けに本命を開発中
Xperia 1 IIの発表と同時にXperia Proの開発も発表されました。Xperia 1 IIはあくまでもXperia Proのプロトタイプという位置付けの意味合いが強いようです。
Xperia Proの3つの特徴
- ミリ波対応――高画質データの高速送受信に適する
- マイクロHDMIポート搭載――外付けのハイエンドカメラと接続できる
- 米ベライゾンと共同でスポーツイベントのライブ配信テストを実施済み
Xperia Proはスマホとしての機能よりも、動画撮影・配信のステーションとしての役割が期待されていました。ソニーの5Gへの本気は、ミリ波網が本格整備される2022年前後のXperia Proで発揮される見通しでした。
【その後】Xperiaの5G戦略はどうなったか
記事内で「本命」と紹介したXperia PROは、その後ミリ波対応・マイクロHDMI入力を備えたプロ向けモデルとして実際に発売され、映像制作向けのXperia PRO-Iへと発展しました。ソニーが描いた「スマホを動画配信のステーションにする」という構想は、現実の製品ラインとして結実しています。
その後もフラグシップのXperia 1シリーズは毎年更新され、2026年6月11日には最新世代のXperia 1 VIIIが登場。当時「将来5Gスマホとして機能しない可能性」と指摘したミリ波の懸念も、現在のフラグシップでは対応が進み、日本の5Gエリア自体も人口カバー率98.6%(2025年度末・総務省)まで広がりました。
| 世代 | 位置づけ |
|---|---|
| Xperia 1 II(本記事・2020年) | 5G初対応。sub-6のみ対応の第一弾 |
| Xperia PRO / PRO-I | ミリ波・HDMI入力搭載の映像制作向け |
| Xperia 1 VIII(現行・2026年) | 最新フラグシップ。235,400円〜 |
現行世代のライバル対決も見えてきました。AQUOS側の最新フラグシップAQUOS R11(2026年7月9日発売)と、Xperia 1 VIII(2026年6月11日発売)の主要スペックを比較します。
| 項目 | Xperia 1 VIII | AQUOS R11 |
|---|---|---|
| 発売日 | 2026年6月11日 | 2026年7月9日 |
| 価格(SIMフリー) | 235,400円〜(12GB/512GBは251,900円) | 163,900円〜 |
| チップセット | Snapdragon 8 Elite Gen 5 | Snapdragon 8s Gen 4(6コア構成) |
| メモリ/ストレージ | 12GB/256GB〜16GB/1TB | 12GB/512GB |
| ディスプレイ | 6.5型有機EL、1-120Hz可変 | 6.5型Pro IGZO OLED、1-240Hz可変・3600nit |
| バッテリー | 5,000mAh | 5,100mAh |
| カメラ | 48MPトリプル(標準/超広角/望遠) | ライカ監修トリプル(50.3MP標準+38.5MP望遠+50.3MP超広角) |
- 価格差は約9万円。AQUOS R11の方が安い
- 処理性能はXperia 1 VIIIのSnapdragon 8 Elite Gen 5が上位
- 画面の滑らかさ・輝度はAQUOS R11が優位(240Hz・3600nit)
Xperia 1 VIIIはどこで買うのが安いか
Xperia 1 VIIIは販売元によって価格差が大きく、同じ12GB/256GBモデルでも一括価格で約3.9万円の開きがあります。ソニーストアが最安で、ソニーストアだけが16GB/1TBまでの上位構成と専用カラーを扱う点も選択の材料になります。
| 販売元 | 一括価格(12GB/256GB) | 返却プログラム利用時 |
|---|---|---|
| ソニーストア(SIMフリー) | 235,400円 | 153,400円 |
| au | 247,800円 | 152,700円 |
| ドコモ | 250,910円 | 177,870円 |
| ソフトバンク | 274,320円 | 160,240円 |
一括で買うならソニーストア、2年で返却する前提ならauがもっとも安くなります。返却プログラムは端末を返さなければ残債が発生する点に注意が必要で、長く使い続けたい人には一括のほうが向きます。
いま新品で売られているXperiaはエントリーモデルまで含めて5G対応が標準です。5G対応かどうかを気にして機種を選ぶ必要はもうありません。
※本記事は2020年公開のXperia 1 II解説を、その後のXperia PRO/PRO-I・現行Xperia 1 VIII(2026年6月)・AQUOS R11(2026年7月)までの展開を交え、2026年8月時点で追記・更新したものです。価格は各社の販売価格(12GB/256GBモデル・税込)です。