「5Gがいよいよ開始」このような言葉がメディアでは踊っています。
しかし、実際には5Gがこれまでと何が違うのか理解していない人も多いのではないでしょうか?
そこで、3Gと4Gと5Gを通信速度やできることで比較してみました。
3Gと4Gでできることを理解することで5Gでできることが、より分かりやすくなります。
5Gが本格的に開始される前に、これまでの通信速度と5Gの違いについてしっかりと理解しておきましょう。
目次
3Gでできること
3Gは2000年代に移動通信システムの第3世代として登場しました。
ドコモが1999年に開始したiモードによってインターネットへの接続は容易になり、2002年にドコモから登場したFOMAは第3世代携帯電話として登場。
これが3G携帯電話の最初になります。
同時期にKDDIはcdma2000 1Xのサービスを開始、J-フォンの3Gサービス開始は2002年12月です。
それぞれのキャリアは回線に以下のような名称をつけています。
懐かしいと感じる人も多いのではないでしょうか?
キャリア | 名称 |
---|---|
NTTドコモ | FOMA(フォーマ) |
KDDI | au 3G |
ソフトバンク | SoftBank 3G ULTRA SPEED |
3Gの通信速度
3Gの通信速度は数kbps~14Mbpsとなっており、メールをサクサク送ることができ、インターネットへの接続もストレスなく行うことができるようになりました。
ただし、後の4Gの速度と比較すると、3Gの速度は5分の1しかありません。
現在の快適性とは比べもものにならないほど通信速度は遅いと言えるでしょう。
3Gで何ができる?
3Gでも動画を試聴することはできます。
しかし3Gでは快適に使用することができるかと言えばそのようなことはありません。
以下はコンテンツを快適に利用するために必要な通信速度です。
コンテンツ | 快適に使用するための通信速度 |
---|---|
メール・LINE | 1Mbps |
Webサイト閲覧 | 2Mbps |
youtube(低画質) | 3Mbps |
youtube(高画質) | 5Mbps |
株式会社MM総研が調べたところ、昼間の3G回線の平均値は下りで最も早かったのがイーモバイルの1.71Mbpsで、上りはauの0.98Mbpsとなっています。
3GではLINEを使うことは快適にできても、WEBサイトの閲覧すら困難なのが実情なのです。
4Gでできること
2000年代後半になると、3G回線を使用して通信速度の高速化を図ったLTEが登場します。
LTEはlong Term Evolutionの略で、そもそもLTEは4Gが実用化されるまでの3Gと4Gのつなぎの役割を果たすという意味で3.9Gとも呼ばれていました。
そのため、LTEは厳密には4Gではありませんが、国際電気通信連合がLTEを4Gと呼称することを認めたので、今はLTEを4Gと呼んでも間違いではありません。
その後、複数の電波帯を束ねて通信する技術であるキャリアアグリゲーションを行うことで、厳密な意味での4Gの形となっています。
4Gもキャリアごとに名称が以下のように異なります。
キャリア | 名称 |
---|---|
NTTドコモ | Xi(クロッシィ) |
KDDI | au4G LTE |
ソフトバンク | SoftBank 4G LTE SoftBank 4G(AXGP) |
これは現在もほとんどの人が使用している名称ではないでしょうか?
4Gの通信速度
4Gの通信速度は50Mbps~1Gbpsです。
3Gの約5倍。現在のスマホでの通信環境ですので、これは多くの人が体感済みだと思います。
メールやLINEはもちろん、Webサイト閲覧もサクサク行うことができ、動画もストレスなく試聴することができます。
4Gで何ができる?
4Gでできることは多くの人が体感済みですが、2018年にNTTドコモが調査した平均通信速度から詳しく見ていきましょう。
ドコモの調査ではAndroidの平均速度は以下のようになっています。
- Androidの実効速度(下り):145Mbps~283Mbps
- Androidの実効速度(上り):22Mbps~43Mbps
youtubeの高画質動画を見ることは全く問題ありませんし、ハイレゾ音楽のダウンロードも3分程度では完了します。
また、下記動画はLTE登場当時の3GとLTEの速度の違いを検証した動画です。
LTEでは動画のダウンロードに7秒かかっていることに対して、3Gでは12秒かかることが分かります。
この動画はLTE登場当時のものですので、現在はより大きな速度差があります。
5Gでできること
では2020年春開始予定の5Gでは何ができるのでしょうか?
各キャリアの名称は未だ発表になっていません。
これまで3Gや4Gとは全く異なる名称をつけてきたドコモの名称に注目が集まります。
5Gの通信速度
5Gの通信速度は10Gbps〜20Gbpsと言われています。
ただし、しばらくの間は高速・大容量を実現するミリ波と呼ばれる電波ではなく、サブ6GHzでの通信となることが予想されるため、スマホでの通信速度が急激に20倍になるようなことはありません。
それでも10Gbpsになれば4Gの10倍になるので圧倒的に通信速度が早くなることは間違いないでしょう。
5Gで何ができる?
5Gでできることは様々でスマホの世界だけに留まりません。
遠隔操作による自動運転、遠隔医療など様々な分野での活用が期待されていますが、ここではスマホでできることだけを比較します。
4Gの最高速度である1Gbpsと10Gbpsでできることを比較すると以下のようになります。
ハイレゾ音楽のダウンロード | 50Gのゲームのダウンロード | 4kオンライン動画を同時に見られる人数 | |
---|---|---|---|
1G | 約30秒 | 約7分半 | 40人 |
10G | 約3秒 | 約30秒 | 400人 |
スマホで高画質大容量のゲームをダウンロードしたり、スマホで同時の何百人もの人と会議をしたりすることが5Gでは可能になるでしょう。
まとめ
3G、4G、5Gの違いやそれぞれで何ができるのかについて解説してきました。
FOMAなどで動画が途中で止まってしまったことはつい最近のような気がします。
いよいよ5Gの時代がやってきます。
4Gまではあくまでも移動通信という役割でしたが、今後はスマホの枠を超えて様々な分野へ5Gが活用される時代がすぐそこにやってくるでしょう。